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    特別支援学校における医療的ケアに関する多職種間の連携・協働が困難となる要因と看護師の配慮・工夫 ―看護師のインタビューから連携・協働を考える―

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     特別支援学校では,看護師と教員がお互いの専門性を理解し,連携・協働していくことが求められるが,医療現場とは異なる教育の場での活動に戸惑いを感じる看護師も多い.そこで,本研究は,1.連携・協働が困難となる要因,2.効果的な連携・協働のための看護師の配慮・工夫,以上の2点を明らかにすることを目的に実施した.調査はA市の特別支援学校に勤務する看護師5名に半構成的インタビューを行い,インタビュー内容の逐語録からコード,サブカテゴリー,カテゴリーを順に抽出し,分析を行なった.その結果,連携・協働が困難となる要因では,看護に必要な情報の不足や学校での看護の専門性や役割分担に関連する要因が抽出された.また,効果的な連携・協働のための看護師の工夫・配慮としては,情報収集や情報共有,専門職間のお互いの理解とお互いの役割・立場を尊重する関係性に関連する内容が抽出された.学校で似通った役割が求められる看護師と養護教諭においても,看護師がお互いの役割や専門性を理解し,尊重しながら対応することで,それぞれの専門性を発揮できる協働につながると示唆された

    特別支援学校における医療的ケアに関する養護教諭と看護師との連携・協働が困難となる要因と養護教諭の配慮・工夫 ―養護教諭のインタビューから効果的な連携・協働を考える―

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     特別支援学校への看護師の配置が制度化され10年以上が経過した.養護教諭は,これまで自分たちが担っていた役割の一部を看護師と共有することになり,役割分担や連携に戸惑いがあったことが推察される.そこで,1.看護師との連携・協働が困難に感じる要因,2.効果的な連携・協働のための養護教諭の配慮・工夫を明らかにすることを目的に,看護師と共に特別支援学校で働いた経験のある養護教諭にインタビューを実施した.インタビュー内容の逐語録から,コード,サブカテゴリー,カテゴリーを順に抽出し分析を行った.その結果,看護師との連携・協働が困難に感じる要因では,特別支援学校における看護師の役割に関する要因と情報共有に関する要因に分類された.また,効果的な連携・協働のための配慮・工夫では,情報共有とコミュニケーションの方法に関する配慮・工夫,特別支援学校での看護師の立場に関する配慮・工夫,看護師の専門性の発揮に関する配慮・工夫に分類された.養護教諭と看護師が効果的な連携・協働を行っていくためには,養護教諭が,学校関係者と看護師を繋ぐ役割を担い,看護師が特別支援学校での看護師の専門性を発揮できるよう環境を整えていくことが必要であることが示唆された

    看護基礎教育にコミュニティ・オブ・プラクティスの考えを採り入れた「学びのグループゼミ」での学生の学び

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     看護基礎教育カリキュラムの中に,学生がコミュニティを育みながら,看護実践を学び合えるしかけ(授業「学びのグループゼミ」)を組み入れた.本研究の目的は,「学びのグループゼミ」において学生の学習がどのように促進されたか,そのプロセスを明らかにすることである.2016 年度に「学びのグループゼミ」を受講した学生178 人(2 年生86 人,1 年生92 人)のうち,研究参加に同意が得られた学生162 人のなかから,同意が得られた26 名にインタビューを実施し,質的に分析を行った. 本研究の結果,「学びのグループゼミ」で学生は,以下1.~ 3.を学んでいたことが明らかになった.1.2 年生コアメンバーは,グループメンバーが参加しやすい<場を創るために試行錯誤する>,<グループの変化をとらえる>,<グループの成長の役に立てたことを,自身の成長ととらえる>という学びをしていた.2.2 年生アクティブグループメンバーと周辺グループメンバーは,グループメンバーを<場に馴染ませ,相互交流を促進する>,<自らの実習経験を伝える>ことを通してグループの役に立てていることを認識し,自らの<実習経験を共有し,問い直す>という学びをしていた.3.1 年生コアメンバーとアクティブグループメンバー・周辺グループメンバーは,<学びのグループゼミへの戸惑いを感じつつ,参加のしかたを模索する><緊張と戸惑いを乗り越え,学びのグループゼミで安心感と充実感を得る>,< 2 年生と自身の体験を重ね合わせ,思考を広げる>,<教えられる対象としてだけではない,グループ内での自らの存在価値を見出す>という学びをしていた. 「学びのグループゼミ」において学生の学びを促進した重要な相互作用として,次の2 点が考察できた.1 点目は,場を創るために試行錯誤したり,グループメンバーを場に馴染ませたり,経験を伝えるなどすることを通して,安心できる場を創ることを学んでいたこと.2 点目は,実習経験を問い直したり,学びのグループにおける存在価値を自ら見出したりすることによって,グループやグループメンバーの役に立てていることを学んでいたことである.学生が共同参加することで学習が促進するようなしかけを看護基礎教育カリキュラムに設けることができれば,知識提供型の学習とは異なる学習が促進される可能性が示唆された

    国内における地域を拠点とした看護職者による子育て支援の現状と子育て支援に対するニーズ ―文献検討の結果から―

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     地域における看護専門職による子育て支援の現状とニーズを把握することにより,小児・母性看護専門職者としての子育て支援に対する示唆を得ることを目的に文献検討を行った.医学中央雑誌web版を用い,「子育て支援」「地域」「看護職」のキーワードによる検索を2005年~2015年を対象として行い,本研究の目的に沿った子育て支援事業と関連する文献20件を分析対象とした. 子育て支援事業に関する活動報告および実態調査は12件,子育て支援事業に対する母親らの支援ニーズに関する文献は8件あった.子育て支援事業に関わる職種は行政の保健師や開業助産師,および保育士や音楽療法士など多様な職種が関わっていた.また,実施されていた子育て支援事業の内容は,背景が異なる対象者に応じたニーズに合わせて様々な事業が開催されており,来所,電話,面接といった方法による「相談事業」や育児中の母親らが気軽に立ち寄ることができる「場所」を提供することであった.さらに,児童虐待防止の観点から「訪問」が行われていた.今後は,小児・母性看護専門職の存在について情報発信の工夫や子どもの発達・発育に合わせたプログラムの提供やアドバイス等の子育て支援活動の示唆が得られた

    乳幼児期における子育ての現状と看護職に対しての支援ニーズ -大学周辺のコミュニティの調査-

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     本研究の目的は,大学周辺のコミュニティにおいて,乳幼児をもつ養育者が認識する子育ての現状および看護職への支援ニーズを明らかにし,今後の子育て支援への示唆を得ることである.保育園および幼稚園に通園する乳幼児の主な養育者と,大学が開催している乳幼児対象の育児サークルの参加者を対象に自記式質問紙調査を実施した.その結果,主な養育者以外に子育てに関わる者がいると回答した人が95%,配偶者が主に関わっており,大半が夫婦で子育てをしている状況であった.養育者の7~ 8割は同年齢の友人から情緒的・情報的サポートを受けており,道具的サポートは家族内から5割程度しか受けていなかった.今後希望する子育て支援として「子どもの預かり」「子ども・養育者同士の交流」がみられ,「保育園・幼稚園」の場での支援を希望していた.看護職に希望する支援は「病児保育」「病気や怪我の時の対応や相談」「健康に関する育児相談・情報提供」であった.今後,看護職は子どもが活動する施設の関係職者と協働して子ども・養育者へのケアを実践することが望まれる

    The H-Invitational Database (H-InvDB), a comprehensive annotation resource for human genes and transcripts

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