特別支援学校における医療的ケアに関する多職種間の連携・協働が困難となる要因と看護師の配慮・工夫 ―看護師のインタビューから連携・協働を考える―

Abstract

 特別支援学校では,看護師と教員がお互いの専門性を理解し,連携・協働していくことが求められるが,医療現場とは異なる教育の場での活動に戸惑いを感じる看護師も多い.そこで,本研究は,1.連携・協働が困難となる要因,2.効果的な連携・協働のための看護師の配慮・工夫,以上の2点を明らかにすることを目的に実施した.調査はA市の特別支援学校に勤務する看護師5名に半構成的インタビューを行い,インタビュー内容の逐語録からコード,サブカテゴリー,カテゴリーを順に抽出し,分析を行なった.その結果,連携・協働が困難となる要因では,看護に必要な情報の不足や学校での看護の専門性や役割分担に関連する要因が抽出された.また,効果的な連携・協働のための看護師の工夫・配慮としては,情報収集や情報共有,専門職間のお互いの理解とお互いの役割・立場を尊重する関係性に関連する内容が抽出された.学校で似通った役割が求められる看護師と養護教諭においても,看護師がお互いの役割や専門性を理解し,尊重しながら対応することで,それぞれの専門性を発揮できる協働につながると示唆された

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