26 research outputs found

    思春期の子どもを持つ母親のアイデンティティと親子関係

    Get PDF
    本研究は、岡本(1996) の育児期の女性のアイデンティティ様態の捉え方をモデルとして、思春期の子どもを持つ中年期の母親のアイデンティティ様態を、個としてのアイデンティティの達成と母性意識の確立という2つの次元から捉え、アイデンティティ様態と親子関係について検討することを目的とした。150人の母親に質問紙調査を行い(有効回答69)、個としてのアイデンティティ達成度と母性意識の高さにより、統合型、伝統的母親型、独立的母親型、未熟型の4つのタイプに分類し分析した結果、伝統的母親型や統合型の母親は、「子どもへの献身と密着」の感情が高く、独立的母親型の母親は、「子どもの成長に対する寂しさ」の感情が低いことが分かつた。4つのアイデンティティ様態別に17人の母親に個別に面接を行った結果、アイデンティティ様態によって著しい相違がみられた。統合型の母親は、不安や葛藤を抱えながらも思春期の子どもと積極的に係わっており、伝統的母親型や未熟型の母親は、子どもとの問に不安や葛藤が多く、特に未熟型の母親は、自分自身への不満もみられた。一方、独立的母親型の母親は、子どもとの間に不安や葛藤はあまりなく、互いに独立性を認めていることが伺われた

    保育者における保護者からのストレスとソーシャルサポート

    Get PDF
    本研究は、幼稚園教諭および保育士(以下、保育者)を対象とし、保護者との関係が保育者にもたらすストレスを中心とした保育者の職業ストレス及び保育者が抱えているその他の様々なストレスについて明らかにし、これらのストレスとソーシャルサポートの関連について検討することを目的とした。質問紙調査を行い、保育者の保護者に関するストレスの項目を因子分析した結果、「保育者・園への不信・非協力」、「子育てへの無理解・無関心」、「保育への無理解・無関心」の3因子が抽出された。因子関相関を見てみると、「保育者・園への不信・非協力」因子と「保育への無理解・無関心」因子の相関が最も高く、これらは保育に影響を及ぼし、保育者自身に直接影響するものであるためストレスと感じやすいと考えられた。自由記述からは、クレームが一番の問題となって表れており、保護者の対応をする中で話し合いになるために時間がとられ、業務に支障をきたしたり、業務をスムーズにこなせずにストレスにつながるなど、全ての問題が密接に絡み合っていることが伺えた。また、ソーシャルサポート尺度を見てみると、仕事での悩みは職場でのサポートが有用であることが示された。そのため、園としての対応、特に上司・同僚との連携や相談しやすい環境を作ること、仕事を1人で抱え込まずに協力してできる職場環境を作ることが、よりよい保育を進めていくために必要であると考えられる
    corecore