92 research outputs found

    精神障害者の権利擁護システムの研究 : 精神医療審査会の機能と今後の課題

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     本研究は、1987年の精神保健法成立によって、精神障害者の人権を守るために設置された精神医療審査会が17年経過した現在どのように機能しているかを調査検討し、今後の課題を明らかにすることを目的としている。精神保健法成立後、関連する制度は大きく変容しており、精神医療審査会のあり方も再検討の時期に来ている。 たとえば、1993年に心身障害者対策基本法が障害者基本法に改正され、95年には精神保健法が精神保健福祉法となり、97年に精神保健福祉士法が制定された。さらに、2000年4月には介護保険法が実施されるとともに成年後見立法が施行され、ほぼ同時期の同年6月には社会福祉基礎構造改革関連八法が成立し、その後、市町村への分権化も進み、社会福祉の制度は大きな転換点を迎えることとなった。 このような流れの中で、精神障害者のための権利擁護の視点から、精神医療審査会の役割、その後展開してきた権利擁護のシステム・方法を総合的に見直してみた。その結果、現行の制度が抱える問題を整理し、今後の方向性をいささかなりとも指し示すことができたと考える

    精神医療における患者の権利擁護システムの整備に関する研究

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    金沢大学人間社会研究域法学系1. 1999年10月からの地域福祉権利擁護事業、2000年4月からの成年後見制度施行と権利擁護制度面で矢継ぎ早に整備が進む状況下での、精神障害者の権利擁護の課題が明らかになった。東京の権利擁護センターすてっぷによれば、精神障害者に対する権利擁護活動と、知的障害者や痴呆性高齢者への権利擁護活動には、法律相談の件数、内容の傾向(金銭をめぐる相談が約7割)といった共通点、本人からの相談や法律相談の枠外の相談の多さといった相違点がある。「選択」「利用者の主体性」を主眼とする社会福祉制度のシフトが進行中だが、特に精神障害者の権利擁護に関しては、医療・福祉のサービス利用者という対等な当事者としての位置づけと対応の浸透が必須であると同時に、依然として入院時および入院中の権利擁護が課題であり、欧米のアドボカシー制度との比較検討を今後も続ける必要がある。2. 当事者の活動として、当事者自身による相談、地域内でのグループ間の連携や身体障害など他の障害当事者グループとの関係づくりなどが広く浸透しつつあることが確認できた。国の障害者プランを受けて開始された市町村障害者生活支援事業や、その中で要件となった当事者相互によるピア・カウンセリングの理念や方法論が普及してきたことが背景の一つとして考えられる。一方、地域生活支援の施設建設をめぐる施設コンフリクトも報告されており、地域住民との合意形成と共生意識を醸成していく行政の役割が重要であると同時に、当事者運動がこうしたコンフリクトに対処しつつ地域に浸透していくあり方も模索されている。3. 以上、研究の知見の一部を、『医療社会学を学ぶ人のために』(世界思想社、1999年)所収の論文「精神医療」および『社会学の理論』(有斐閣、印刷中)所収の論文「新しい社会運動」執筆に取り入れた。研究課題/領域番号:10710083, 研究期間(年度):1998 – 1999出典:「精神医療における患者の権利擁護システムの整備に関する研究」研究成果報告書 課題番号10710083(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-10710083/)を加工して作

    ADA(障害をもつアメリカ人法)の権利保障に関する研究

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    本研究は、アメリカ障害者差別を包括的に禁じた「障害をもつアメリカ人法(ADA)」の権利保障を検討したものである。ADA制定後のアメリカでもなお障害児を抱え苦悩する家族が存在し、また、ダウン症の障害をもつグループホーム入居者が虐待死するという痛ましい事件が発生した。ADAが果たしてどのように機能しているのかを、1でADAの目的・内容と歴史的背景を考察し、2でADAの問題点を地方紙SANJOSEMERCURYNEWSの一年間講読を通して検討し、3でADAの権利保障と具体的な支援例としての障害者生活支援システム・資源を紹介した。このADA成立過程で副産物として確立した権利擁護と、そこから生まれた地域生活支援を明らかにすることで、ADAの残された課題と解決策に検討を加えることを目的としている。ADA権利保障権利擁護地域生活支

    障害者の地域生活支援体制の構築に向けて-スウェーデン・カールスタッド・コミューンにおける実践を手がかりに-(鈴木富久教授退任記念号)

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    I have been studying Swedish social work for the disabled by researching documents and conducting surveys. This paper aims to explore directions toward building the social support system for the disabled in Japan through studying Swedish social work for the disabled. First, overviewing the history of Swedish social policy for the disabled, I try to show how living places for the disabled have changed in Sweden since the law for the disabled (Lagen om stöd och service till visa funktionshindrade) was enacted in 1993. Second, I give a detailed description about actual conditions of the disabled based on a case study which I researched in 2013 in Karlstad, Sweden. Third, referring to results of researches and surveys of Swedish social work for the disabled, I explore some directions toward building the social support system for the disabled in Japan. The social support system should be one focusing on supported decision making for the disabled

    精神医療審査会における課題と今後の展望について

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    Adult Guardianship System and Social Welfare

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