14,111 research outputs found

    Governance structure and Operating Performance of Japanese Major Banks

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    近年,銀行の経営破綻が相次ぎ,金融システムの不安定性が高まっている。そのため,銀行のガバナンス構造を明らかにし,銀行経営の効率性を高めることは喫緊の課題である。ところで,非金融企業と異なり預金という特殊な負債を保有する銀行の場合,株主によるガバナンスが重要である。本稿では, 1990年から1998年をサンプル期間として,日本の大手銀行18行のパネル・データを用いて,株式所有構造の変化,株式所有構造と経営効率性および労働分配率との関係を分析した。その結果,①銀行の株式所有構造は経営効率性を重視する株主の保有比率が上昇する傾向にあること,②銀行経営に対して株主は経営効率性を高める方向で影響を与えていること,③株式保有比率が高いほど労働分配率が低下すること,すなわち株主への分配が多くなる傾向があること,の3点が明らかになった。従って,少なくとも1990年代において,銀行のガバナンス構造は株主への利益分配を重視する「新古典派型企業」としての性格を示していると言える

    Governance structure and Operating Performance of Japanese Major Banks

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    近年,銀行の経営破綻が相次ぎ,金融システムの不安定性が高まっている。そのため,銀行のガバナンス構造を明らかにし,銀行経営の効率性を高めることは喫緊の課題である。ところで,非金融企業と異なり預金という特殊な負債を保有する銀行の場合,株主によるガバナンスが重要である。本稿では, 1990年から1998年をサンプル期間として,日本の大手銀行18行のパネル・データを用いて,株式所有構造の変化,株式所有構造と経営効率性および労働分配率との関係を分析した。その結果,①銀行の株式所有構造は経営効率性を重視する株主の保有比率が上昇する傾向にあること,②銀行経営に対して株主は経営効率性を高める方向で影響を与えていること,③株式保有比率が高いほど労働分配率が低下すること,すなわち株主への分配が多くなる傾向があること,の3点が明らかになった。従って,少なくとも1990年代において,銀行のガバナンス構造は株主への利益分配を重視する「新古典派型企業」としての性格を示していると言える

    Model Specification Problems in Value Relevance Studies

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    本論文は, 会計学における価値関連研究 (value relevance studies) に関する理論と証拠をサーベイしている。価値関連研究においては,株価モデルとリターンモデルと呼ばれる二つの回帰モデルが最も頻繁に使われている。これらのモデルの理論的根拠は,共にOhlson/RIVモデルという同一の企業評価モデルに求められるのだが,この2つの回帰モデルを用いて得られる結果はしばしば異なっている。その理由として,株価モデルに関する問題としては「規模効果 (scale effects) 」,リターンモデルに関する問題としては,「会計認識ラグ (accounting recognition lag) 」と「一時利益 (transitory earnings) 」が指摘されている。そしてこれらの問題を緩和するための幾つかの手法が研究者によって提案されてはいるものの,それらは何れも問題の完全なる解決にはなっていない。このような状況においては,両方のモデルを用いてその結果の感度を調べることが適切であろうと思われる

    中国における株主代表訴訟制度の問題点と多重代表訴訟の導入

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    株主代表訴訟の会社法制における位置付けは、少数派株主の救済であるとともに、株主の視点から経営を監視する機能も有している。中国では、2005 年の会社法改正で株主代表訴訟制度が導入された。支配株主も被告となりうるその制度設計は、支配株主によってコントロールされている上場会社の実態を是正できると期待されていた。しかし、現状では様々な理由により制度の趣旨に沿った運用が実現できているとは言い難い。近年、中国において、親子会社関係を中心とする企業集団の発展が盛んになっているが、株主代表訴訟制度が単一の会社体制を想定して設計されたものである。そのため、多重代表訴訟の問題が顕在化しており、親会社株主とくに親会社少数派株主の利益保護が大きな課題となっており、立法化する必要性が出てきている。本稿は、中国会社法における株主代表訴訟の現状と問題点を整理し、多重代表訴訟制度の構築について検討する

    Financial Reporting Review Panel in UK

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    高柳龍芳教授古稀記念特

    中国における株主代表訴訟と株主の会計帳簿閲覧権

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    株主代表訴訟制度は、株主の視点から経営者の違法行為を監督する仕組みであり、株主の利益保護に有益なものである。とりわけ、資本多数決の枠外にある少数派株主による株主代表訴訟を中心とする権利の行使は、会社経営を監視し、違法行為を取り締まるうえで非常に有効な方法と考えられる。しかし、中国では、株主代表訴訟制度の導入後、制度の趣旨に沿った活用がなされていないように見受けられる。その原因は様々あるが、一つとしては、株主の訴訟における情報収集力の不足であると指摘できる。会計帳簿は会社の業務状況を記載したものであり、その閲覧権の行使は株主にとって経営者の違法行為を監視するための有効な情報収集手段である。かかる株主の会社情報を知る権利を合理的に確保することは、良好な会社運営及び経営者に対する有効な監督システムの構築に資する。本稿では、株主の情報収集権をめぐって、中国会社法の定め及び近時公表された最高裁の司法解釈 1 )(四)( 徴収意見稿)の検討を通じて、立法上の課題を考察する

    財務データでみた企業の株主志向度と経済的貢献度との関係 (柳原範夫・筒井清子名誉教授定年御退職記念号)

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    はじめにⅠ.分析用データ1.分析対象企業2.株主志向度を分析するためのデータⅡ.主成分分析による株主志向度の総合化・得点化Ⅲ.企業の株主志向度と経済的貢献度との相関分析おわり

    株式、株主有限責任、資本金および株主の危険負担の相互関係についての一考察

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    現行の株式会社における基本的特質としての株式、株主有限責任の制度および資本金の制度を、相互に内在する論理的関連性の観点から考察を加えた。まず、現行株式会社においては会社の成立、存立、維持および運営のあらゆる側面において「株式」は本源的要素技術と名付けるに値するほどの多種、多様な機能、役割を果たしていることを述べた。ついで本来の意味では株主と会社債権者との間に成立する法律関係としての株主有限責任の制度は、これを担保するところの資本金の制度に支えられて原始株主の出資後も依然として内在的、実体的には存在しているのではなかろうかという私見を述べた。最後に株式のもつ財産的価値を強調して、会社が経営不振に陥って承継株主を含む株主の有する株式の経済価値が原始株主の出資額もしくは株主の資本持分を下回り、最悪の状況ではゼロとなった場合には、株主有限責任に内在する危険負担者としての株主の地位、立場が具体化、顕在化して危険を負担し、不利益を蒙るのではなかろうかとする私見を開陳した
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