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    通所型介護予防事業修了者の運動に関する介護予防プログラム継続に関わる要因と行政に求められる支援

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    【目的】通所型介護予防事業修了者の運動に関する介護予防プログラム継続の状況と要因を明らかにし、行政に求められる支援について考察する。 【方法】前橋市の平成23年度通所型介護予防事業修了生で事業に7回以上出席した479人に郵送調査を実施した。 【結果】352名(73.5%)から有効回答が得られ、230名(65.3%)が現在も、運動に関する介護予防プログラムを継続して実施していた。継続群は[以前からの運動習慣]があり、[運動は大切]と認識し、[それ以外の運動]も行っていた。事業に参加して[楽しかった][仲間ができた][体調に良い変化がみられた][大変ではなかった]と感じ、[まわりの人にも勧めたい]と思う傾向があった。修了時には、[続けて行う場所の案内]や[近所の集まりへの誘い]があり、[介護予防サポーターを知っている]人の割合が高かった。 【考察】通所型介護予防事業修了者の運動に関する介護予防プログラム継続の要因として「楽しい」「負担でない」「仲間ができる」「身体に良いと実感できる」教室運営、教室修了時/後の「身近な開催場所の案内」と「次の集まりへの誘い」、「卒業後の受け皿がある」こと、普段からの「運動 習慣の定着」が明らかになった。行政の役割として、今回の調査から得られた介護予防プログラム継続の要因を踏まえた教室運営と、介護予防サポーターの育成及び活動支援を含む受け皿づくりの支援が求められる。また、広く若者から高齢者まで運動習慣を作る健康づくりへの支援が大切である

    認知症グループホームのケアの質に関する評価項目の信頼性・妥当性の検討

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    本調査の目的は、認知症グループホームのケアの質に関する評価項目の信頼性・妥当性の検討を行うことである。1県内の認知症グループホーム全168施設のうち、協力の得られた140施設で実際に利用者の介護を行っている介護従事者1, 212人を対象に、自記式無記名調査用紙を用いた郵送調査を行った。先行研究により作成した評価項目50項目について、達成度を4段階に点数化したスケールを用いた調査用紙を送付し、介護従事者に自分が行っているケアの達成度を評価してもらい、その結果から項目の信頼性・妥当性を検討した。631名から回答を得た(回収率52.1%)。回答者の年齢は41.7±12, 9歳であった。職種はホームヘルパー310名(49.1%)、介護福祉士148名(23.5%)、看護師39名(6.2%)、社会福祉士2名(0, 3%)、その他77名(12.2%)であった。介護歴は4.6±4.5年であった。因子分析の結果、8因子が抽出された(累積寄与率59.6%)。第I因子「刺激のある生活づくり」(6項目)、第II因子「人間としての尊厳の保障」(6項目)、第III因子「意思決定の支援」(3項目)、第IV因子「安全・安楽の保障」(4項目)、第V因子「社会性の維持・向上」(5項日)、第VI因子「健康管理」(2項目)、第VII因子「生活能力の維持・向上」(2項目)、第VIII因子「基本的生活の維持・向上」(2項目)と名付けた。各因子のChronbachのα係数は、0.959〜0.961の範囲となり信頼性は確認された。また、介護歴との相関がみられたこと、因子構造が仮説の概念枠組みとほぼ一致していたことから、妥当性も確認することができた。各項目間の相関は、高すぎる相関でなく中程度からやや高い相関であった。このことから、各因子は独自のものを測定しており、認知症グループホームにおける利用者の生活の質は、一つの因子だけで測定できるものでなく、多因子構造になっていることが示唆された。今後の課題として、認知症グループホームにおいて今回作成した評価項目を用いて、評価尺度としての信頼性・妥当性の検証をさらに進めることが重要と考える

    認知症グループホームのケアの質に関する評価票の開発

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    本調査の目的は、平成17年度までに作成した認知症グループホームにおける入所者の生活の質の確保を目的とした評価票試用後の課題を検討し、更に有用性の高い評価票開発の方向性を見出すことである。対象は、1県内の認知症グループホーム全170施設のうち、協力の得られた144施設で実際に利用者の介護を行っている介護従事者1,360人。方法は、自記式無記名調査用紙を用いた郵送調査。30項目からなる評価票の各項目の4段階評定による達成度、更に評価項目の表現、項目数、現場への活用の可能性等について自由回答にて意見を求めた。540人から回答を得た(回収率39.7%)。回答者の年齢42.1±13.1歳。介護歴4.9±3.9年。一評価項目の平均値3.35-2.46、標準偏差0.90-0.65で、いずれの項目も天井効果・フロア効果は認められなかった。全項目の平均値は3.02、標準偏差は0.72であった。Shapiro-Wilkの正規性の検定:表統計量0.874-0.766、p<.001。各項目間の相関係数:0.773-0.191、I-T相関0.693-0.469。各因子のChronbachのα係数:0.958-0.956。項目の合計得点の上位群、下位群の上位・下位分析:全項目p<.001。構成概念妥当性は、因子分析の結果、先行研究の概念枠組みとほぼ一致していた。しかし、主要因子以外にも因子得点の高い項目があったことから、項目の統合・削除等の検討が必要である。また、既存のスケールやグループホーム以外の集団との比較が必要である。基準関連妥当性については、対象毎の評価項目の合計得点と介護歴とのSpearmanの順位相関係数が0.133(p<.001)で、ほとんど相関なしであった。このことには、対象者の教育的背景の影響があるのではないかと考える。内容的妥当性では、「適切である」との意見が多かったが、一部「意味がわかりにくい」「項目数が多い」等の意見が出されており、評価項目を再検討する余地がある。作成した評価票の信頼性と妥当性をもとに、その有用性と課題の検討を行った。その結果、今後の課題としてより高い信頼性が得られる評定方法の検討、適切な変数を用いた評価票の基準関連妥当性の検証、関連する他の評価票との一致性等による構成概念妥当性の検証を行う必要性が導き出された。認知症グループホームのケアが実際に行われている現場で、介護従事者が使いやすく、自己のケアを振り返ることができる有用性の高い評価票の実現を目指して、更に改良を進めていきたいと考える
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