13 research outputs found

    長崎国際大学子ども食堂における学生主体の取り組みと今後の課題

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    子ども食堂は、地域で子どもたちの問題を共有する居場所としての意味合いが強い。長崎国際大学においても、2015年から子ども食堂の活動がスタートし、社会福祉学科と地域連携室を中心に活動を進めてきた。大学で子ども食堂を運営していくことは、学生が地域の課題に取り組むことで本人の成長の機会になる教育的な意味がある。そこで本研究では、2018年度の長崎国際大学子ども食堂の学生主体の取り組みを報告し、考察を行った。その結果、学生は、子ども食堂ボランティア活動に対して内的動機を持って参加しており、自発的な動きがみられた。また、学生の活動を後押しするものとしては、勉強会があり、活動の意味や専門性を引き出した。さらに、長崎国際大学子ども食堂の活動は、多職種連携教育の場としての可能性が示唆された

    初年次教育の深化に向けて ―ホスピタリティ概論の分析から―

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    本研究は、初年次教育の深化を図るために、その一つの科目である「ホスピタリティ概論」を対象として、受講生の感想等を分析し、授業の改善を図ることを目的としている。2017年度に開設された「ホスピタリティ概論」は、2年目を迎えるにあたって、前回の調査で明らかになった課題の幾つかに改善を加えて実践された1)。加えられた改善点は、上級生を学生スタッフとして雇用し、受講生の学修活動の促進を図ること、そして各課割り当てからボランティアの事務職員を担当にし、教職協働体制の円滑化を図ることの2点である。昨年度同様のクリッカー調査とアンケート調査を実施し、2年間の結果の比較・分析を行った。この結果、次のことが明らかになった。クリッカー調査 ①平成30年度の方が29年度よりも、心身の不安を訴える1年生が多いこと。 ②入学の動機づけとなるオープンキャンパスへの参加に関しては、平成30年度の方が、複数回参加や家族の参加が多くなっており、参加しなかった割合が低くなっていること。③全学オリエンテーションと学科別オリエンテーションの理解度に関しては、共に平成29年度の方が高い数値を示していること。アンケート調査 ④「他学科の人とおしゃべりする機会が持てた」や、「他学科の人の意見を聞くことができて有意義だった」という授業内でのコミュニケーション関しては、平成30年度の方が高い評価が得られていること。⑤「ホスピタリティを理解する上で、この授業に合格点を与えることができる」に関しては、平成30年度の方が高い評価が得られていること。 ⑥自由記述欄の文字数の調査では、平成30年度の方が高い数値になっていること。上述の①~③に示されているように、年度によって学生の質的な変化が生じているように見え、今後の動向を注視しなければならないことが明らかになった。また、④~⑥の結果からは、今年度の改善点である学生スタッフの活用によって、「ホスピタリティ概論」における学生の学修活動の活性化をもたらしたと判断する事ができる。しかし、他の項目では学科による差も見られ、課題が生じているといえる

    遠隔教育の実施と大学での教育に関する一考察 ―建学の精神を伝える授業のオンラインでの実施をもとに―

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    2019年末に端を発した新型コロナ感染症(COVID-19)の拡大によって、多くの大学は2020年度の新学期から遠隔教育の実施に踏み切った。本学においても遠隔教育の採用が決定され、ホスピタリティ概論も IT 機器を活用したオンラインでの実施となった。この中で大学教育の将来像に大きな影響を与えると考えられるオンライン授業の在り方を探る基礎調査を実施した。その結果、次のことが明らかになった。1)受講生の IT 環境の整備には、差がみられること、2)受講生の使用する機器は、パソコン、タブレット、スマートフォンに分かれること、3)オンライン授業に関しては、肯定する意見がある一方、改善を要望する意見も見られること、4)スマートフォンのみでの受講者とパソコンおよびタブレットでの受講者を比較分析した結果、画面の明瞭度や授業の進行、及び授業の理解などにおいて両者に差がみられ、スマートフォンのみでの受講者の方が有意に低い結果であったこと、5)遠隔授業に関する要望等の中には、遠隔教育の利点を述べている受講生の他に、授業以外の大学が持つ機能、つまり、友人獲得や相互啓発に関する不安も多くみられたこと。この結果等を踏まえ、オンライン授業のあり方、及び、将来社会における大学教育のあり方に関する提案を行った
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