8 research outputs found

    三重県民健康大学における受講生の食塩濃度別みそ汁の味覚調査ならびにその受講後の減塩意識,主食パターン,みそ汁の摂取状態についての検討

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    三重県において,夏期健康大学が,地域住民の中で,健康づくりのリーダーとなるべき人材を養成する目的で,期間は昭和55年より3年間にわたり9会場で,週に1日のペースで5日間,10講座を受講する方法で開催されたが,著者らはこの講座の中で,脳卒中発症の危険因子である高血圧の予防・治療・管理上減塩の重要性から,減塩指導に併せてみそ汁の味覚調査を実施するとともに,受講後における減塩意識,主食パターンおよびみそ汁の摂取状況についてもしらべた。(1)受講者および聴講生920名を対象とし,「好ましい食塩濃度」0.8%および「からずき」1.0%および1.5%の濃度別みそ汁について味覚調査をおこなった結果は0.8%を「ちようどよい」または「からい」と答えた好ましい食塩濃度の者が56%も認められた。また1.0%および1.5%で「ちようどよい」または「うすい」と答えたからずきのものが43%もみられた。このみそ汁の食塩濃度別嗜好には,99%の信頼度で地域差が認められた。(2)修了者716名の受講後の減塩意識をアンケートによりしらべた結果は,回収率が76%であった。このうち塩味を意識してうす味で食べる者については,受講前55%であったのに対して,受講後は89.7%と,99%の信頼度で高率であった。(3)参考までに上記修了者における朝食の主食パターンをしらべた結果は,米飯パターン77.6%,パン食パターン16.5%,その他の食パターンが0.6%であり,又味噌汁の摂取状態をしらべた結果は,朝・昼・夕食別の摂取頻度では朝食に摂る者が大部分で65.9%を占め,1日に摂る杯数では1杯が73.4%で最も多く,2杯以上が18%もみられた。ついで1杯量では150m4が28.4%で最も多く,ついで180mlの16%であった。使用している味噌は豆みそが83.2%を占めていた。In Mie Prefecture, a "Health Seminar" for its inhabitants was held over a period of 3 years since 1980 for the purpose of training leaders of health education for the regional people. During the course, the authors carried out a taste survey of some Miso-soup by salt concentration on the attendants, and their consciousness of salt decreasing, staple food patterns, and state of intaking Miso-soup after the Seminar were also examined by questionnaire. (1) In the taste survey of some Miso-soup by salt concentration on the 920 subjects of regular and optional attendants, 56% answered 0.8% -NaCl Miso-soup as "just agreeable" or "salty", and 43% answered 1.0-1.5%-NaCl as "just agreeable" or "thin". In the taste preference by salt concentration was found a regional difference. (2) Examination by questionnaire of the consciousness of salt decreasing on the part of 716 "graduates" after the Seminar showed that compared with as high as 87.9% after the Seminar, 55% of the attendants paid attention to salt concentration and drank less salty Miso-soup before the Seminar. (3) The staple food patterns and the state of intaking Miso-soup in the attendants\u27 homes were also examined

    三重県地域住民に対するみそ汁の減塩指導の実践についての検討

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    昭和55年において,三重県地域住民に対する各保健所の健康教室,集団検診などの参加者1,201世帯を対象とし,参加者に持参させたみそ汁の食塩濃度を測定した。その結果について検討をおこなった。(1)三重県下地域住民のみそ汁の食塩濃度の平均値は1.08%であったが,各保健所ともにその値に著しいバラツキがみられた。(2)上記みそ汁の適正濃度(0.8%)以上のからずき世帯率を保健所別にみた場合は,桑名では67.8%,四日市では62.5%,鈴鹿では79.5%,津では74.6%,松阪では72.8%,上野では81.2%であった。このからすぎ世帯率において,高血圧者在宅世帯と非高血圧者在宅世帯との間には相関関係はみられなかった。(3)ついで,保健所別脳血管疾患死亡率とからずき世帯率との間には相関関係は認められなかった。In 1980 having 1,201 families participated in the health school and mass examination was held by the Regional Health Centers in Mie Prefecture. And, salt concentrations of miso soup brought by those participants were measured. The results were analyzed as follows: (1) The mean concentration of salt in miso soup referring to the regional inhabitants in Mie Prefecture was 1.08%, however, the values were markedly fluctuated by Health Centers. (2) Those families in favor of the saltier taste than the adequate concentration (0.8%) of the miso soup were noted at 67.8% in Kuwana, 62.5% in Yokkaichi, 79.5% in Suzuka, 74.6% in Tsu, 72.8% in Matsuzaka and 81.2% in Ueno. Among those families of salty taste lovers, no correlation was observed between hypertension and nonhypertension. (3) When classified by Health Centers, no correlation was observed between the mortality from cerebrovascular diseases and the percentage of salty taste loving families

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    出産がまだ医療化される前の環境にあった女性たちの「初経から更年期まで」の状況を明らかにするために, ひとりずつの生活の体験を通して聞き取り調査を行った。対象は現在70歳代の宮崎県A町に在住する女性たちで, 主に昭和20年代に自宅での出産を体験した女性である。10名に訪問調査を依頼して, その内8名から有効な回答を得た。初経から更年期までの身体の変化に対する受けとめ方や対応は, 基本的には自分の健康は自分で守るという姿勢があることと, 先人からの教えやその時々の自己の身体感覚に従順に対応してきていることが分かった。妊娠中には日常の仕事上の必要性から考えて腹帯をした女性や, 分娩時に自分で考えて立膝や四つんばいの姿勢をとった女性たちの体験から妊娠・分娩の生理を考える上で大きな示唆を得た。また対象者たちの更年期は概して「何ともないもの」であり, 共に生活をしている周囲の者からの教えや, 精神的な支えも重要な役割を果たしていることが伺えた。8例のデータではあるが, 女性の身体のもつ本質的な機能や対応能力について考えるための重要な示唆を得ることができた

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    近年の児の栄養方法の推移をみると母乳栄養の割合が上昇してきているが, 半数以上は哺乳びんを用いる育児が行われている。そこで, 今回哺乳びんの消毒方法がどのように行われているかを明らかにすることを目的に調査を行った。すなわち, 乳児を養育している母親108名を対象として, 哺乳びんの消毒方法の実施の実態とそれらに対する認識について調査した。その結果, 生後1ヶ月の時点での哺乳びん使用者は55名で, 哺乳びんの消毒方法は, 「次亜塩素酸ナトリウムでの消毒」が25名, 「煮沸消毒」が22名, 次いで「電子レンジでの消毒」が9名であった。消毒方法を選択するのに影響を受けた情報源では「テレビ・新聞等の広告」と「出産した施設での専門家の指導」が同数の14名, 次いで「家族」が13名でほぼ同数程度と多く, その他には「育児書」や「雑誌」などが情報源になっていた。消毒方法別にみると, 次亜塩素酸ナトリウム消毒実施者は, 「テレビ・新聞などの広告」が多く, 煮沸消毒実施者は, 「出産した施設での指導」が多かった。消毒方法についての認識は, 「清潔なものを使いたい」という人が多い一方で, 「手間がかかる」「いつまで必要か」「このような消毒や洗浄で子どもに安全か疑問」などの疑問も同時にみられた。更に, 哺乳びんの消毒を必要と考える期間についても, 6ヶ月から12ヶ月と答えた人が約60%を占めたが, 6ヶ月以下もみられ一定していなかった。これらの結果から, 哺乳びんの消毒については, 方法の選択や実施法やその時期に戸惑いがみられることがわかった。従って, 乳児の免疫学的及び, 細菌学的特徴も考慮に入れた消毒方法についての検討と情報提供が必要であり, 母親と指導する側の認識についても考慮しながら, 有効な保健指導を行う必要があることが示唆された
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