国際バカロレア（IB）教育についての考察 : 各教員の専門・関心分野における教育との比較検討

研究ノート　聖隷クリストファー大学社会福祉学部こども教育福祉学科では、国際バカロレア教員認定資格（IBEC）のプログラムを2021 年9 月から開始する。それに伴い、IBEC の具体的な中身の検討を行うため、学科の各教員が専門や関心領域と関連づけて研究・研修を行って来た。そこから得た国際バカロレア教育に関する理解や考察について各執筆者が以下の内容についてまとめる。聖書・キリスト教的価値観と国際バカロレア、SDGs との関連、初等教育プログラムにおける算数、初等教育プログラムにおける理科、初等教育プログラムにおける言語、PYP における体育の重要性、初等教育プログラムにおける芸術、IB 教育の「学習者像」と教育要領「10 の姿」の比較。「PYP のつくり方：初等教育のための国際教育カリキュラム」を基に比較検討を行う

聖隷が目指す国際バカロレア教育について

調査報告　聖隷クリストファー大学社会福祉学部こども教育福祉学科は、2019 年度より小学校教員養成課程を設置した。さらに新しい時代に求められる資質・能力を児童が身に付けられるよう大学の教育課程に「国際バカロレア（以下、IB）」関連の科目を置き、主体性や国際的な視点を持った全人教育を推進する教員養成を目指すことにした。　IB 教育は、知識や人格のバランスがとれた世界的に通用する人材を育成することを目的としている。この教育内容を理解するために、本学では研究会・講演会開催や国際バカロレア教育学会に参加することを年間通じて計画・実行してきた。本報告は、こうした研究会や学会を通して学習・考察した内容についてまとめていくものである。　そうすることで、IB 教育と本学の教育や授業との関係を整理し、IB に関する理解を教員全員で深め、本学科の教育の独自性や特色ある内容について検討・創造していく第一歩とするものである