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    GFO療法を経て完全経口栄養が可能となった残存小腸30cmの短腸症候群の一例

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    症例は62歳男性.既往歴に高血圧,糖尿病,心筋梗塞,心房細動があった.2012年7月,突然の心窩部痛と嘔吐を認め,当院へ救急搬送された.血液検査では代謝性アシドーシス,腹部造影CTでは上腸間膜動脈領域の血流障害と腸管拡張を認めた.上腸間膜動脈閉塞症と診断し,同日緊急手術を施行した.術中所見では,Treitz 靭帯より30cmの空腸から上行結腸口側1/3 までの腸管が広範に壊死していたため,小腸亜全摘と回盲部切除を行った.術後は短腸症候群による重度の下痢と栄養障害を認めたが,NSTの早期介入とグルタミン・ファイバー・オリゴ糖(GFO)療法を中心とした栄養療法を行い,術後65日で完全経口栄養が可能となった.残存小腸が50cm未満の短腸症候群では,経口摂取のみでの栄養維持が困難であるとされているが,今回われわれは残存小腸30cmで完全経口栄養が可能となった短腸症候群の1例を経験したため,文献的考察を加えて報告する
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