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    情報フィルタリングを用いた地域ポータルサイトの開発

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    本論文は,保守性,検索精度,迅速性,可用性に優れたポータルサイトの開発に関する論文である.近年,地方自治体の経営資源の制約から,公共サービスを含む様々な分野のサービスを,近隣の地域間で分担補完するための連携が進められている.ゆえに,地域の情報を発信するポータルサイトにおいても,自治体の枠にとらわれない横断的なコンテンツを提供すべきである.しかしながら,このようなポータルサイトは現状なく,その実現が急務である.そこで本論文では,横断的なコンテンツを提供するポータルサイトを開発し,地方自治体間の連携の推進に寄与することを目的としたポータルサイトの実現方法を提案する. 本論文は全7章からなる.第1章では,地域ポータルサイトの現状について,地方自治体間の連携の観点から言及する.地方自治体間の連携が社会的に一般化しつつあるため,連携に対応した横断的なポータルサイトの実現が急務であることを述べる.続いて第2章では,地域のものづくりを中心とした産業振興を担う公共機関に焦点を当て,そのポータルサイトを紹介し,地域ポータルサイトの現状と課題を具体的に掘り下げる.既存のポータルサイトは,保守性,検索精度,迅速性の面で劣ることを述べるとともに,それらを向上させることが,地方自治体間の連携の推進につながることを示す. 第3章では,本論文の核である,情報フィルタリングを基盤としたポータルサイトの開発について述べる.ここでは,Webクローラによる保守性の向上策,URL フィルタによる検索精度の向上策,RSSパーサによる迅速性の向上策について述べる.開発したポータルサイトの特徴は,Webクローラの内部に情報フィルタリング機能を有している点である.Webクローラは,各地域情報が掲載されたWeb サイトを巡回し,ポータルサイトの情報を自動で更新するプログラムである.この機能によって,掲載情報の保守性を向上させる.また,このWebクローラ内部の情報フィルタリング機能は,WebページのURLから必要なWebページのみを選別する機能である.この機能によって,検索機能の精度を向上させる.RSSパーサは,Webサイトが配信するRSSを解析し,それをポータルサイトに反映させるプログラムである.この機能によって,新着情報のみを選別した上でポータルサイト上に掲載するとともに,Webクローラの実行のトリガーとすることで,情報発信の迅速性を向上させる.これらの機能を組み合わせることで,保守性,検索精度,迅速性に優れた,地域横断的なポータルサイトを実現する. 第4章から第6章では,開発したポータルサイトの社会実装と評価実験について述べる.まず第4章では,地域の産業を対象とした社会実装と評価実験について述べ,開発したポータルサイトが保守性,検索精度,迅速性の面で優れていることを定量的に示す.次に第5章では,第4章で社会実装を行ったポータルサイトの拡張と検索精度の向上策について述べる.ポータルサイトの拡張にともなう検索精度の低下に対する対策として,単語リストのパターンマッチングを提案する.この機能をWebクローラに組み込むことで,拡張前と同等の保守性,検索精度,迅速性を維持したまま拡張できることを示す.さらに第6章では,観光業を対象とした社会実装と評価実験について述べ,開発したポータルサイトが保守性,検索精度,迅速性の面で優れているとともに,外国人観光客にとっての可用性向上に資することを示す. 最後に第7章では,本論文で開発したポータルサイトによって,産業や観光業における地方自治体間の連携の推進に寄与したことを述べるとともに,今後の研究課題について言及する.電気通信大学201

    リュープロレリン酢酸塩11.25mg 製剤から22.5mg 製剤への切り替えにおける前立腺癌治療患者の認知度と意識調査

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    2015年12月,24週に1回皮下投与するリュープロレリン酢酸塩22.5mg 注射剤(6ヵ月製剤)が前立腺癌または閉経前乳癌の効能・効果にて発売となり,利便性や患者の負担軽減について期待されている。当院においては発売後の翌月に採用となったが,2016年9月現在では前立腺癌の患者に1例も使用されていなかった。そのため,同年10月,12週に1回皮下投与するリュープロレリン酢酸塩11.25mg 注射剤(3ヵ月製剤)を使用している患者78名に対して,6 ヵ月製剤の認知度のアンケート調査を実施した(回収率84.6%)。その結果,ほとんどの患者は6ヵ月製剤が発売になったことを知らず(92.4%),6ヵ月製剤に変更したいかの問いには,医師にお任せするが78.8%を占めた。また,アンケート後に6ヵ月製剤に変更になった患者40名に対し,6ヵ月製剤の満足度アンケート調査を実施したところ(回収率75.0%),医療費が安くなったという実感がある患者は33.3%であった。身体的な面では,注射時の痛みが減ったと回答した患者は70.0%,注射部位の発赤や硬結の症状はかわらないと回答したものは80.0%であった。以上の結果より,患者は新規薬剤に関する情報が不足しているケースもあることから,治療に対する患者の満足を高めていくためにも,医療者が積極的に最新の情報提供をおこなっていく必要性が示唆された
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