121 research outputs found

    宮崎公立大学学生の進路選択自己効力の要因としての遂行体験

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    進路選択自己効力は進路選択において必要な行動を成功裡に行うことができる能力に関する自己評価である。進路選択自己効力が高い人は進路選択行動や就職活動を積極的に行うことが知られている。したがって、大学での諸活動によって、学生の進路選択自己効力が高められることが望ましい。講義やゼミで勉強や研究に取り組むこと、サークルやボランティア活動、アルバイトなどでさまざまな経験を積むことは就職に有利であると言われているが、大学内外の活動に積極的に取り組み、それらの活動を通して、成功体験や達成経験を積むことは進路選択自己効力を高めると期待できる。特に、宮崎公立大学(本学)ではゼミ活動や外国語修得に力を入れている。それらの活動への積極的取り組みとその結果としての成功体験は、学生の進路選択自己効力を高めるだろう。向上した進路選択自己効力は積極的な進路探索活動を促すだろう。この仮説を検証するため、本学学生にアンケート調査を実施した。その結果、講義や予習復習への取り組みとその成果、資格取得への取り組みや語学学習の成果、地域活動への取り組みやアルバイトの成果は進路選択自己効力を高め、高められた進路選択自己効力は進路探索行動を促進していた。しかし、スポーツディなどの学内活動、サークルや部活動、ゼミへの取り組みやその成果が進路選択自己効力を高める効果は認められなかった。このような結果について考察した

    失業者の心理 : 感情の社会的共有が再就職過程に及ぼす影響

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    雇用・能力開発機構「ポリテクセンター宮崎」にて,再就職のための準備をしている失業中の人たち257人(男性119人,女性102人,性別不明36人,平均年齢37.49歳)を対象に,感情の社会的共有とソーシャル・サポートが精神的健康に及ぼす影響について調査した。GHQ30を用いて測定された対象者の精神的健康度の平均は6.59,標準偏差は5.62であり,従来のサンプルに比べて特に低いことはなかったが, GHQ30得点が7点以上(不健康範囲)である対象者は男女とも45%を超えており,失業は精神的健康にとって大きな脅威であることが示された。失業に伴って経験される感情とその社会的共有行動について尋ね,それらと精神的健康度との関連を検討した結果,悲観的で不安を感じている人ほど精神的健康度が低いことが示された(r=.414, p<.001, Af=245)。さらに,経験された感情,感情の社会的共有と精神的健康度との関連を検討した結果,悲観・不安の感情経験に比べて,その社会的共有が少ないほど,GHQ30得点が高かった(r=.217,p<.001,N=245)。悲観的で不安を感じていても,それを他者に語ることができないと,精神的に不健康な状態になりやすいといえる。対象者が身の回りの人々からどのような支援(ソーシャル・サポート)を受けているかを検討したところ,情緒的な支援の多くは友人から提供されており,金銭的な援助は両親から提供されていた。一方,情報提供などの役割が期待される職安職員やポリテクセンター職員から情報的な援助を受けているとした対象者は少なかった.ソーシヤル・サポートの有無と精神的健康の間には有意な差は認められなかったが,職安職員やポリテクセンター職員など専門家による的確なサポートの必要性が示唆された

    ごみ問題への社会心理学的アプローチ -廃棄行動をどのようにコントロールするか-

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    The purpose of this paper is to show some solutions to a waste reduction problem from a social psychological point of view. The waste problem has the structure of social dilemma. For the solution of this problem, it is necessary to control individuals\u27 waste disposal behaviors. There are three social psychological methods to control people\u27s behavior ; 1) changing rewards or environment, 2) giving information or education, and 3) setting social norm. In this paper, I would like to examine these three methods and to discuss the ways of application of these methods to practice

    対処行動、ムード制御期待と落ち込みからの立ち直り : "落ち込みからの立ち直り" に関する研究 (1)

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    Although much theoretical and empirical work focuses on the cause of depression, little attention has been paid to the process of recovery from depression (RFD). This artcle, from the cognitive viewpoint, discusses the process of RFD. From previous studies, it is assumed that RFD is the process of negative mood coping or negative mood regulation. First, the findings of the previous studies, focusing on the stress coping strategies(Lazarus) and coping responses to depression(Billing & Moos; Holahan & Moos), are disccussed. These studies showed that active and problem-focused strategies were related to the reduction of stress and depression. Second, a series of studies on "antidepressive behavior" (ADB; Rippere) is examined. The concept of ADB and the results of Rippere\u27s studies may also be valid in examining of RFD. Third, theoretical and empirical studies on the generalized expectancy for negative mood regulation are discussed. It was found that this expectancy influenced the coping behavior to stress or depression and predicted the alleviation of depression. These studies have merely focused on the cognitive aspects of the coping strategies. Futher study is needed to examine actual behaviors

    地域連携と組織運営 : コミュニティ心理学の観点から見た学生ボランティア活動の課題

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    学生のボランティア活動が盛んだが,「組織内部の運営上の問題」や「地域(外部)との連携の問題」などの課題も指摘されている。本論は,コミュニティ心理学の観点から,筆者自身が顧問を務める「学生ボランティア部」(学ボラ)の活動を検討し,学ボラにおける工夫を取り上げることによって,学生のボランティア活動を支援する方策を考えるものである。学ボラのミーティングに注目し,その組織運営の方法を検討する。ミーティングはケースの検討が目的だが,問題を解決するために,メンバー全員が知恵を出し合うことにより,円滑に運営されている。円滑な運営が可能なのは,ケース情報や少年イメージ,担当者の悩みなどをメンバー全員が共有し,知識や経験を蓄積するシステムを持つためである。学ボラにおいては,ケース検討会や合宿,歓迎会や送別会など,さまざまなコミュニケーションの場を,半ばイベント化して用意することによって,宮崎家庭・少年友の会や宮崎家庭裁判所との連携を保持している。友の会や家裁の十分なバックアップがなければ学ボラ活動は滞ってしまう。連携は活動継続のためにも欠かせない。さらに,継続的にボランティア活動を展開するには,顧問が適切な役割を果たさなければならない。本論では,顧問の役割を,スーパーバイザー,地域連携の媒介者,参加型理論構治安の3つの観点から検討する

    大学生の親準備性に関する研究

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    大学生(N=163)を対象に、「親性準備性尺度」(佐々木, 2000)を用いて、ボランティア活動などによる子育ての体験と親準備性との関連について検討した。その結果、子育て体験を持つ学生(N=35)は、そのような体験を持たない学生(N=128)より、高い親準備性をもっていることが認められた。特に、子育て体験は「乳幼児への好意感情」と関係していた。また、子育て体験のある学生は、そのような体験のない学生より、「親になるイメージ」を明確に持っている傾向があった。しかし、子育て体験と「育児への積極性」との関係は認められなかった。さらに、親準備性の性差について検討した結果、女性(N=128)は男性(N=27)より「乳幼児への好意感情」が高く、また「育児への積極性」が高い傾向になった。しかし、「親になるイメージ」については性差が認められなかった。このような結果は、子育てを学習する場が日常生活の中から失われつつある今日、ボランティア活動などを通して子育てを経験することが、これから親になる若い世代にとって極めて重要であることを示唆している。学生など、若い世代に対する意識啓発と共に、地域の中で子育てを体験できる機会や場を増やしていく必要がある
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