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    外国産胡麻の成分に関する研究(自然科学)

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    現在わが国では胡麻はほとんど輸入に依存しており,その量は年間約8万トンに達する。わが国への胡麻の輸出国は20ヶ国にもおよび,その量は年により変遷がある。本報告では,スリランカ産,ガテマラ産,タイ産,中国産,メキシコ産,スーダン産,エルサルバドル産,コロンビア産の輸入胡麻について,それらの一般成分,蛋白質のアミノ酸組成について検討した。一般成分分析では,粗灰分は4.02~6.18%で,タイ産黒胡麻が比較的多いほかは,他は余り差が認められなかった。粗脂肪含量は43.97~55.38%で,9試料中6試料は50%以上,多いものでは55%をこえるものもあった。粗蛋白質含量は16.13~23.13%で,胡麻種子の脱脂・脱水物に換算すると,含量は34.28~51.65%で,脱脂粕は高蛋白質含有資源であることが分った。粗繊維の含量は4.19~11.84%で,試料によってかなりの差があり黒胡麻に多い傾向があった。蛋白質のアミノ酸組成では,全般的にグルタミン酸,アルギニン,アスパラギン酸が多いことが分り,味覚の点での期待が考えられる。必須アミノ酸では,アルギニン,ロイシン,バリンなどの含量が比較的多かった。またそのアミノ酸組成からして,胡麻油しぼり粕中の蛋白質は高い栄養価をもつことが示唆された。本研究を行なうにあたり種種御支援をいただいた,四日市市九鬼産業株式会社に御礼を申し上げる

    冠攣縮により心室細動をきたし家人による心肺蘇生、救急隊による自動体外除細動器により救命できた1例

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    雑誌掲載版症例は63歳、男性。高血圧、高尿酸血症にて近医通院中だったが内服中のカルシウム拮抗薬を数日間自己中断していた。2009年3月上旬、12時30分ころから前胸部痛が出現し近医を受診した。13時ころ心電図記録中にST上昇とともに心肺停止状態となり、そばに付き添っていた元看護師の妻が心臓マッサージを開始、救急隊到着時の意識状態はJCSIII-300、自発呼吸はなかった。自動体外除細動器で心室細動を確認しDC360J×1回で除細動され心拍再開後、前医に搬送された。13時20分、前医到着時は意識清明、自発呼吸も回復しており、心電図のST上昇も消失していた。冠攣縮性狭心症、致死性不整脈疑いで当院に再搬送された。硝酸薬の点滴、カルシウム拮抗薬再開で入院経過中に胸痛発作はなく不整脈も出現しなかった。内服継続下での冠動脈造影、アセチルコリン負荷試験、心室頻拍誘発試験はいずれも陰性であり、植込み型除細動器の植え込みは見送った。冠攣縮自然発作の心電図記録直後に心肺停止となり、bystander(救急現場に居合わせた人)による心肺蘇生と、救急隊による除細動の連携により合併症なく、心室細動から蘇生した稀な症例である
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