外国産胡麻の成分に関する研究(自然科学)

Abstract

現在わが国では胡麻はほとんど輸入に依存しており,その量は年間約8万トンに達する。わが国への胡麻の輸出国は20ヶ国にもおよび,その量は年により変遷がある。本報告では,スリランカ産,ガテマラ産,タイ産,中国産,メキシコ産,スーダン産,エルサルバドル産,コロンビア産の輸入胡麻について,それらの一般成分,蛋白質のアミノ酸組成について検討した。一般成分分析では,粗灰分は4.02~6.18%で,タイ産黒胡麻が比較的多いほかは,他は余り差が認められなかった。粗脂肪含量は43.97~55.38%で,9試料中6試料は50%以上,多いものでは55%をこえるものもあった。粗蛋白質含量は16.13~23.13%で,胡麻種子の脱脂・脱水物に換算すると,含量は34.28~51.65%で,脱脂粕は高蛋白質含有資源であることが分った。粗繊維の含量は4.19~11.84%で,試料によってかなりの差があり黒胡麻に多い傾向があった。蛋白質のアミノ酸組成では,全般的にグルタミン酸,アルギニン,アスパラギン酸が多いことが分り,味覚の点での期待が考えられる。必須アミノ酸では,アルギニン,ロイシン,バリンなどの含量が比較的多かった。またそのアミノ酸組成からして,胡麻油しぼり粕中の蛋白質は高い栄養価をもつことが示唆された。本研究を行なうにあたり種種御支援をいただいた,四日市市九鬼産業株式会社に御礼を申し上げる

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