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頭部SPECTにおけるステップと連続回転データ収集法の検討 : デジタルファントムによる検討
核医学検査における頭部SPECT検査を想定したステップ回転収集法と連続回転収集法による断層像のサンプリング角度の影響について,デジタルファントムを作成してシミュレーション解析による検討を行った.SPECTの連続回転収集法は,ステップ回転収集法のように検出器移動時の非データ収集というタイムロスが発生しない特徴があるが,標本化定理よりも大きなサンプリング角度を設定すると接線方向への画像歪が増加することが確認された.しかし,標本化定理に基づいたサンプリング角度を採用した場合は,連続回転収集法とステップ回転収集法によるSPECT像の画質がほぼ同等であることから,原理的に感度特性に優れた連続回転収集法を選択する方が良好な結果が得られると考えられた
運動パターンの違いがMR画像に及ぼす影響 : Radial Scanにおける検討
呼吸や血管の拍動などの周期的な動きがある被検体をMRI撮像する場合,画像再構成におけるk-スペースへのデータ充填法にRadial充填を使用すると動きによるボケ(モーションアーチファクト)を減少させることができる.本研究では,運動ファントムを使用してRadial充填の画像のアーチファクト低減効果を確認するとともに,Radial充填における動きの大きさや運動パターンの違いによるアーチファクトの出現特性について検証した.運動幅としては7㎜を超えると像のボケが大きくなり,アーチファクト低減効果は少ないと考えられた.また運動幅が大きい場合,運動距離が同じであっても運動周期に静止周期を含む場合では,ボケ発生の特性が異なることが確認できた.運動ファントムでモーションアーチファクトの検証実験を行う場合には,運動の大きさだけでなく対象の運動パターンを考慮して,実験を行わなければ,臨床上で現れる特性を再現できない可能性があるため注意が必要である
診断用X線装置におけるコンプトン散乱X線スペクトルを用いた実効エネルギーの評価
90度コンプトン散乱X線スペクトルを用いて,診断用X線装置から発生するX線の実効エネルギーを評価し,その精度を従来の評価方法と比較した.90度散乱線から一次X線スペクトルに逆算すると,直接線と比較し,エネルギー分解能は若干劣るもののほぼ形状は一致した.さらに照射線量スペクトルに変換し,不規則な散乱線やノイズをカットするために17keV以上の部分についてAlによる減弱を計算し,半価層と実効エネルギーを算出した.透視条件において90度散乱線から算出した値は,直接線の値と比較し実効エネルギーで1~2%小さくなったが,ほぼ近い値が得られた.撮影条件では,測定条件を調整し計数率を1500cps以下にすると, 90度散乱線から算出した実効エネルギーはAl吸収板を用いた実測値と1%程度の誤差で一致した.これらの結果から,この評価方法は種々の診断用X線装置に応用できる簡便で有用な方法であると考えられた
Lavender Essential Oil and Its Main Constituents Inhibit the Expression of TNF-α-induced Cell Adhesion Molecules in Endothelial Cells
Lavender essential oil (Lvn) has anti-inflammatory effects in an ovalbumin-sensitized murine model of asthma, and inhibits inflammatory cell infiltration into the lungs. The anti-inflammatory effects of Lvn on cell adhesion molecules are not clear. Here we evaluated the effects of Lvn and its main constituents, linalyl acetate (LA) and linalool (LO), on the expression of tumor necrosis factor-alpha (TNF-α)-induced cell adhesion molecules in murine brain endothelial bEnd.3 cells and human umbilical vein endothelial cells (HUVECs). The bEnd.3 cells were treated with Lvn, LA, or LO and subsequently stimulated with TNF-α. The mRNA expression levels of cell adhesion molecules were detected using RT-PCR. E-selectin and P-selectin protein and phosphorylated-NF-κB p65 were detected by western blotting. The effects of Lvn on HUVECs were measured by RT-PCR. In bEnd.3 cells, Lvn and LA suppressed TNF-α-induced E-selectin, P-selectin, vascular cell adhesion molecule-1, intercellular adhesion molecule-1, and phosphorylated-NF-κB p65 in the nucleus; LO did not suppress P-selectin or phosphorylated-NF-κB p65. Lvn inhibited TNF-α-induced E-selectin mRNA in HUVECs. These results indicate that Lvn and LA inhibit TNF-α-induced cell adhesion molecules in endothelial cells through the suppression of NF-κB activation. Consequently, Lvn or other essential oils including LA may be useful as alternative anti-inflammatory medicines
散乱X線除去用グリッドの縞目像に対する空間周波数画像処理
X線撮影時に被写体から発生する散乱X線はX線画像の写真コントラスト等の画質を低下させるため,通常は散乱X線除去用グリッドを用いた撮影が行われるが,X線グリッドを用いた撮影では,グリッドの鉛箔が画像上に縞目模様となって現れるため,診断や画像解析の障害となることがある.そこで我々は,コンピュータ画像処理の空間周波数処理を用いて,X線グリッドによってX線画像上に生じた縞目模様を除去することを検討した.その結果,X線グリッドによってX線画像上に生じた縞目模様をLow passフィルタなどの空間周波数処理を用いて除去することが可能であった.また指骨では2.0 cycles/mmまでの高周波数成分の削除が可能であると考えられた
乳幼児胸部X線撮影における付加フィルタを用いた被ばく線量低減の検討
乳幼児の胸部X線撮影において,画質を低下させずに被ばく線量の低減をはかることのできる適正な撮影条件を導き出すことを目的として,付加フィルタを用いる手法を検討した.撮影管電圧及び散乱X線除去用グリッド使用の有無と合わせて,総合的に検討を行った.自作ファントムをCR装置で撮影し,コントラストを求めて画質評価を行った.患者被ばく線量は皮膚入射面吸収線量を測定して評価した.その結果,管電圧は準高圧の90~100kVとして,散乱X線除去用グリッドを使用して撮影するのがよいと判断した.付加フィルタについては,肺野と肋骨のコントラストの低下と被ばく線量の低減において,K吸収端フィルタの中でも高原子番号のYbとWが軟線除去用フィルタのAlと類似した働きを示し,GdやHoよりも優位な結果であった.汎用性も考慮すると,付加フィルタとしては従来から用いられているAlが有用であるという結論が得られた
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