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    生涯学習と初修外国語 : 面接授業「初歩のフランス語」の教材制作と全体構想

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     平成17年度に開設された面接授業「初歩のフランス語」は、まったくフランス語に触れたことのない学習者が5回の授業を通して発音の原則を覚え、簡単な挨拶を交わすことができるようになることを目標としている。また同時に、異文化を内包する市民社会という点において日本にはるかに先んじているフランスおよび広域フランス語圏について馴染んでもらうことで、「社会、文化、歴史に開かれたモティヴェーション教育」を行うことを目指している。実際の授業では、一方向的な放送授業との差異化を図り、教師と学生のふれあいを大切にし、学生の反応に応じて、また時事問題などを取り入れながら、臨機応変に授業を運営する方針をとっている。 こうしたヴィジョンに則って、担当講師たちがオリジナルの共通教材を制作した。「共通教材」とは、すべての教室で共有する最小限のコンテンツであり、各講師はそれをもとに自由に授業を展開することができる。今回制作したのは、カラーの図版やイラストを豊富に用いた6ページのコピー教材と、教材の例文のネイティヴ講師による発音を録音した音声教材である。教材制作は授業計画に沿って行われた。授業計画において、初回と第2回は発音やアルファベットを丁寧に解説し、第3回から第5回までは「パリ」、「フランス諸地方」、「フランス語圏」をテーマにして会話練習等を行うこととした。そこで、それぞれの地域について分担して資料を集め、カラー教材に収めた。 教材の具体的な活用については、平成17年度1学期の担当講師による授業報告を参照していただきたい。 初回と最終回の授業では、フランス語および授業についてのアンケートを実施した。アンケート結果の分析によって、生きた知識を取り入れながらコミュニケーションの手段としてのフランス語の基本を学ぶ「初歩のフランス語」の試みが好スタートを切ったことが窺える

    社会人のための初歩の外国語教育 : 面接授業「初歩のフランス語」「初歩のインドネシア語」の教材制作と全体構想

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     外国語の面接授業は本来、放送授業をサポートすることを目的として開設されたものである。とりわけ高い年齢層の受講者のなかには、学習意欲はあるにもかかわらず、新しい外国語を習得するときに多大の困難を感じる者も少なくない。しかし一方で、社会人としての経験を積んだ学生は、知的好奇心が旺盛であり、現代世界に開かれた問題意識をもっている。そうした特性を活かすために、語学の訓練と「異文化理解」の素材を適切に組み合わせた教材を開発し、効果的なモティヴェーション教育を行うことをめざしている。 面接授業は放送授業にくらべ容易に新しい科目を開講できるという利点もある。平成18年度2学期には、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ロシア語、中国語、韓国語、アラビア語に加え、イタリア語、インドネシア語、フィリピン語(タガログ語)、ポルトガル語が開講されており、多様化への努力は一定の成果を挙げている。 現在、若手研究者たちの協力を得て重点的にとり組んでいるフランス語とインドネシア語の教材開発の特徴を以下に併記する。1.フランス語面接授業補助教材DVD:フランス国内では南と北西の地方で取材を行ったほか、フランス語圏マリ共和国のオリジナル素材を豊富に使用した。パリへの憧れと標準語の尊重というフランス語学習の伝統に対し、新しい方向性を提案するものであり、多言語主義的な発想と、文化の多元性を尊重する姿勢が基調となっている。2.インドネシア語面接授業補助教材DVD:スタジオ収録により、ABC、発音の原則、簡単なあいさつなどの語学教材を制作した。さらにインドネシアにおける伝統的なろうけつ染め(バティック)の製作過程など特徴ある画像・映像データを収集したところであり、平成19年度には、この素材を編集して文化的なテーマを盛りこんだDVDを制作する予定である
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