41 research outputs found

    重症心不全に対するβ遮断薬(カルベジロール)至適投与の指標について

    Get PDF
    背景:心不全に対するβ 遮断薬療法は有用であるが,症例によっては副作用のために投与中止せざるを得ない.各種パラメータを測定し,カルベジロール投与における予後不良の予測因子を検討した.方法と結果:2003年7月~2005年6月に当院に入院した重症心不全,連続10例を対象とした.カルベジロールの初期投与量は2.5mg/日で,4~8週間かけて徐々に増量した.全例で導入可能であり,10mg/日で12ヵ月間の投与後,エコーにて心機能を評価した.心不全の悪化のため,3例(30%)で投与を中止した.中止例では年齢が有意に高かった(79.3±2.3歳対59.3±11.5歳,p<0.05).導入前の左室駆出率やその他の各種パラメータでは,副作用の出現を予測することはできなかったが,導入後に左室拡大を認める症例は予後不良であった(左室拡張末期径の変化:12.0±11.3mm 対-2.0±7.6mm,p=0.05).結論:重症心不全患者に対してカルベジロールは安全に導入可能であり,年齢のみが予後不良の予測因子であった

    当院における薬剤溶出性ステント留置後遅発性及び晩期血栓症の検討

    Get PDF
    背景:薬剤溶出性ステント(DES)は,2004年8月より日本においても一般的に使用されるようになった.DESは,ステント再狭窄に対する予防効果が認められている一方で,慢性期にステント血栓症を起こすことが報告されている.方法と結果:当院で2004年6月から2007年6月にDESを留置した1,573症例のうち,6ヶ月以上経過し,遅発性及び晩期ステント血栓症により急性心筋梗塞を起こした4症例について検討した.4症例の平均年齢は72.8±8歳で,男性は3症例(75%)であった.リスクファクターとしては,高血圧が3例,糖尿病が3例,喫煙が3例,高脂血症が2例であり,病変部位としては,LADが3例,LCXが1例であった.4症例の平均DES留置期間は17.5ヶ月で,3例が消化管出血や術前であるという事由で抗血小板薬を中止していた.結論:DES留置例では,抗血小板療法中止に際しては,ヘパリンの使用が必要であり,致死的な出血でない限り,抗血小板薬の継続が望ましいと考えられた

    止血デバイス使用後に動脈閉塞を来たした3症例

    Get PDF
    止血デバイス(アンギオシールTM)使用後動脈閉塞をきたした3症例を経験した.いずれの症例も止血デバイス使用後に間歇性跛行を認め,下肢動脈エコーまたは下肢動脈造影で穿刺部である左総大腿動脈の閉塞を指摘された.症例1は血栓内膜摘除術を行い血管内にアンギオシールのデバイス一式が落ち込んでおり閉塞していた.症例2は止血前の血管造影で穿刺部狭窄は認めなかったが,止血デバイス使用後に左総大腿動脈閉塞を指摘され,外科的に左外腸骨動脈-左大腿動脈バイパス術を行った.症例3は止血後の血管造影で左外腸骨動脈90%狭窄,左総大腿動脈閉塞を認め,経皮的血管形成術(左外腸骨動脈にステント留置,左総大腿動脈にはバルーン拡張術)を行った.血管閉塞の原因としては手技要因と動脈硬化などの患者要因が考えられる.デバイスの適正な使用と術前に下肢血管エコー,血管造影を行うことで石灰化,動脈硬化の評価を行う必要があると考えられた
    corecore