114 research outputs found

    平坦度半導体検出器を用いたQAQCプログラム -ガントリ角度におけるビームプロファイルの変化について-

    Get PDF
    当院ではH26年(2014年度)より放射線治療装置Clinac iXsによる治療を開始し、検証用ツールとして1174型PROFILER2が導入され、ビームプロファイル検証が効率化した。ガントリ角度による、EDW(Enhanced Dynamic Wedge)及び、線量率(Dose rate)によるビームプロファイルの変化について確認を行った。さらに出力線量の簡易チェックにも用いる事ができるかの検討も行ったので報告する。PROFILER2の測定精度を確認した。ガントリ角度におけるビームプロファイルの変化について、線量、平坦度、対称性の変動を測定した。PROFILER2をカウチ上に設置し、一か月間の測定値の変動を測定した。それぞれの角度における誤差は2%以内であり、角度ごとのビームプロファイルの変化は僅かであった。出力測定では誤差が2%以内であった。PROFILER2の測定誤差、幾何学的誤差を考慮して3%以上の値となった際、線量計によるMU校正を行う事とし、週明けの始業前確認として簡易的に出力測定を行っていければと考える

    心原性心停止が原因と考えられた34歳女性の溺水例

    Get PDF
    症例は34歳女性.自宅で入浴中に溺水状態で発見された.家族がCPR を開始,救急搬送中に心拍再開.心停止時間は30分以内と考えられた.来院時血圧131/112mmHg,心拍数105回/分.意識レベルGCS E1V1M1,呼吸状態不良で気管挿管,人工呼吸管理とし,脳低温療法,脳圧降下剤投与を開始した.血液所見ではAST449U/L,ALT342U/L,CK290U/L と上昇を認めた.またCT 検査では脳出血等はなく,両側肺の浸潤影を認めた.意識レベルに改善無く,第3病日の頭部CT 検査では脳腫脹の増強を認めた.脳波も平坦であり蘇生後脳症の状態で第7病日に死亡した.発症以前に特に胸痛などの訴えもなく,剖検を行った.心筋の一部に変成を認め,肝うっ血を認めた.病理組織検査でも心室筋層内に一部黄褐色調の変成,乳頭筋壊死を認め1~2週間以内の心筋炎の可能性が示唆された.病理所見上は心停止に先行した感染症等による心筋炎,うっ血肝,肝炎があり,心筋炎から不整脈を引き起こしたことが示唆された

    緊急手術にて救命しえた呼吸不全を伴う特発性横隔膜破裂の1例 

    Get PDF
    特発性横隔膜破裂に対し緊急手術を施行し,救命しえた1例を経験したので報告する.症例は73歳の女性.嘔吐後に急激に呼吸困難が出現し前医を受診した.CTにて胃穹窿部の左胸腔内への脱出がみられた.呼吸不全が進行したため精査加療目的に当院へ搬入された.食道裂孔ヘルニア嵌頓と診断し,発症から20時間後に緊急手術を施行した.上腹部正中切開で開腹し左胸腔内へ脱出していた胃穹窿部を用手的に腹腔内へ整復した.食道裂孔左側に横隔膜破裂部を認めたため,特発性横隔膜破裂と診断し,同部を縫合閉鎖し手術を終了した.術後合併症はなく,第18病日に軽快退院した.特発性横隔膜破裂は極めて稀な疾患であり術前診断が困難であるが,画像所見で胸腔内への消化管脱出が認められた場合は本疾患を念頭において早期の手術を行うことが重要と考えられた

    横浜市立大学附属病院がん告知マニュアル

    Get PDF
    正確な病状に関する情報共有は患者・家族と医療者が協力し診療を行うために必須である.しかし,当事者にとって「悪いニュース」であるがん告知は,患者・家族の心情に重大な影響を及ぼす場合があり,十分な配慮の下で行うことが求められる.がんと診断された時からの緩和ケアを推進する国のがん対策推進基本計画に基づき,がん診療拠点病院の指定要件として「がん告知や予後告知を行う際のコミュニケーションに関するマニュアルの作成」が求められることになった.そこで横浜市立大学附属病院においても,スタッフががん告知に関する理解やスキルを高め,必要な場合に適切な部署と連携することを目的にがん告知マニュアルを作成した.作成に従事したのは院内のがん診療に携わる複数の専門職であり,さらに院外の医療倫理,がんサバイバーシップなどに造詣のある研究者の助言を得た.がん総合医療センター運営会議での内容確認と承認を得た上で平成29年3 月8 日に院内配布された.作成にあたっては国立がんセンターの「がん告知マニュアル」(1996年)を基盤に現在の社会状況と当院の現状を加味し,臨床現場で問題となる「がん告知を希望しない患者への対応」,「自己決定能力のない患者への対応」,「小児へのがん告知」についても記述を加えた.このマニュアルが当院のみならず多くの医療者に貢献することを期待し,臨床部長会の承認を得て本稿を公開する
    corecore