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シンリ リンショウ ニオケル セラピスト ノ カラダ ヲ トオシタ キョウカン ダンス ムーブメント ト フェルト センス ノ カツヨウ
本論文は,心理臨床におけるセラピストの「身体を通した共感」について,特にダンス/ムーブメントと,「身体で感じられる意味感覚」であるフェルトセンス(Gendlin,1981/1982)の活用に焦点を当てて論じる。臨床心理学は長く身体を軽視してきた歴史がある。しかし,心理臨床の中核的概念である共感は,本来的に身体に根差している。本論文ではセラピストの身体に,特に身体感覚と身体運動に着目して活用することにより,心理臨床における共感をさらに「身体を通した共感」として深める方法を示し,セラピストとクライエントの身体的体験を描写する。また,そのための研究方法を模索的に探求し提示する。本論文において「身体を通す」とは,相手の/自分の「身になること」,そして相手の/自分の「身から離れること」の両方を含む内的行為である。そして「身体を通した共感」とは,「セラピストがクライエントの身体的表出をできる限り受け止め感じ取り,それを理解しようという内的努力と身体の動きによって,感覚的共感・情動的共感・認知的共感が生じ,それが身体的・言語的表出によってクライエントに伝えられる,循環的なプロセス」である。本論文は,全5部13章で構成される。第Ⅰ部は序論である。第1章では共感の身体的次元に着目する必要性について問題提起し,続く第2章では臨床心理学における代表的な身体的アプローチとそれらが前提とする身体観を概観した。第3章では心理療法における共感研究を概観し,力動的・機能的・継時的な概念の枠組みを整理した上で,セラピストの身体的体験を重視する数少ないアプローチであるパーソン・センタード・アプローチおよびダンスセラピーの理論に注目した。以上の検討をふまえ,「セラピストの身体を通した共感のプロセス」をモデル化した。さらに身体を通した共感を軸とする実践の課題として,セラピストの自己探索の活用,クライエントの心理状態に応じた共感技法の使い分け,文化的背景に応じた実践方法の工夫を挙げた。また研究の課題として,セラピストの身体の使い方の提示とセラピストとクライエントの内的体験の描写を挙げた。第4章では,本論文を貫くリサーチ・クエスチョンとして,「1 セラピストの身体をどのように使えば,クライエントへの共感を身体を通して深めることができるか」,「2 身体を通した共感が生じるときに,セラピストとクライエントはどのような体験をするのか」,「3 身体を通した共感を言語化し伝達するために,どのような方法を用いることができるか」の3つを挙げた。第Ⅱ部は方法論である。第5章では研究の方法論について検討した。本論文では一人称・二人称・三人称の事例研究を行う。特に心理臨床事例研究の基本である「二人称の事例研究」とは,セッションの中で「セラピスト(私)」が「クライエント(彼または彼女)」を共感的に理解しようとして生じた同一化と分化を,再度辿り直しながら進められる。すなわち研究者自身と研究対象者双方の一人称的視点と三人称的視点の間を往還して,二者の内的体験とその相互作用を探求するものである。さらに,身体を通した共感の研究のためには,「研究者の身体」を活用することが有効であると仮定し,芸術療法研究等で発展しつつあるアートベース・リサーチを参考に,研究者のフェルトセンスとムーブメントを用いた「身体を通した分析」を行う。第6・7章は実践の方法論である。本論文の臨床実践事例(第Ⅲ・Ⅳ部)では,型のあるダンスである盆踊りとフラを用いることを特徴とする。これらの踊りが現代日本の文化に適した形へと変容しており,経験が無くても楽しみやすくかつ個々の踊り手の心の深みに触れる要素を含むこと,心理臨床実践で用いる際にはセラピストがクライエントの安全感を重視し,共に踊りながらグループの一体感と同時に個々の内的体験の差異を尊重する姿勢が重要であることを論じた(第6章)。また,ダンス/ムーブメントとフォーカシング(Gendlin, 1981/1982)を組み合わせた実践5例をレビューし,本論文においてフォーカシングを活用する方針として,セラピストの基本的な自分の身体への向かい方として保つ,ダンス/ムーブメントを通じて感じられたフェルトセンスを深める,クライエントに対するフォーカシング的態度を活用する,データ分析に活用する,の4つを示した(第7章)。第Ⅲ・Ⅳ部は本論である。臨床実践における身体を通した共感の諸側面を検討することを目的として,計5つの臨床事例研究を行った。第Ⅲ部では,フラを軸とした子育て支援活動である「親子フラ教室」の実践について,異なる切り口から二人称・三人称の事例研究を行った。第8章は乳幼児の母親へのグループ支援事例として,伝統的な臨床事例研究法を用いて3年3か月の経過を記述した。子育てにも踊ることにも強迫的であった母親たちが,フラを通してリラクセーションと自己表現の模索を体験し,子ども-母親間,母親-セラピスト間の無意識的な共鳴という同一化した状態から,それぞれが個と個として分化していった過程を示した。三人称の事例研究である第9章では,ある医療福祉施設でフラを披露するパフォーマンス体験において生じた観客との身体的な相互交流について,ダンサーとして参加した4人の母親へのクライエント・インタビューを行った。観客との「見る/見られる体験」の分析から,小さな危機事態を繰り返し乗り越えることを通して安全感が強まり,セラピストや他のメンバーとの同一化が,さらに分化が生じて,共感が深まるプロセスを示した。これら2つの事例研究では,実践記録とインタビューから得た言語的データの分析により,臨床実践における相互交流やセラピストの自己探索の一部を描き出すことができたが,クライエントの身体的体験を詳細に検討するには至らなかった。そこで,第Ⅳ部では,一人称・二人称の事例研究を通して,実践と研究の方法の拡大を試みた。第10章では,フォーカシングをベースとした研究法であるTAEステップを用いて,ダンスセラピーのトレーニングにおけるトレーニー=研究者の自己探求のプロセスを理論化した。この一人称の事例研究において,セラピストの自己探索プロセスの詳細と,研究者のフェルトセンスを活用することの有効性が示唆された。第11章ではそれを発展させ,親子フラ教室における一組の親子への個別支援事例で,セラピスト=研究者のフェルトセンスとムーブメントを用いた分析を行い,これを「身体を通した分析」と名付けた。段階的・多元的な分析を通して,親子フラ教室での体験が母親にとって「抱っこ」の多重構造になっており,その体験を通して,母親と子どもが自然な分化を果たしていったことが,セラピスト=研究者に体感として理解された。さらに第12章では,認知症高齢者グループとのダンスセラピー場面について,身体を通した分析を行い,個々のクライエントおよびグループへの身体を通した共感とその活用について検討した。盆踊りが蘇った場面における認知症高齢者の身体的記憶の想起と,セラピストの共感に基づいた創造的即興のプロセスを示し,ひとときの強い同一化と静かに個々の内側に戻っていく分化の両方を支えるセラピストの役割について検討した。第Ⅴ部は結論である。総合考察(第13章)では,3つのリサーチ・クエスチョンへの回答を示した。まず,リサーチ・クエスチョン1について,本論文の実践の指針とした①ダンス/ムーブメントを活用する:身体的アプローチの工夫,②フェルトセンスを活用する:セラピスト自身の身体へのかかわりに加え,特定の技法を用いる前提としての③クライエントの「安全」を守る:クライエントの身体に対する姿勢,の三つの次元で整理した。 次にリサーチ・クエスチョン2について,まずセラピストの体験とクライエントの体験という観点から回答した。さらに,事例研究において見いだされた,セラピストがクライエントに身体を通した共感を試みる際に生じる「2つの体験の重なり」について検討した。それらは,a.「する体験」と「される体験」が重なり反転する,b.現在の身体的体験が過去の身体的体験と相似する,c.セラピストとクライエントの自己探索が部分的に一致する,d.自分を感じる体験と相手を理解する体験が重なる,であった。セラピストによるクライエントへの同一化には,能動と受動を超えた関係性の取り入れとセラピスト自身の身体的記憶の想起が伴い,それらがセラピストの自己の分化とクライエントへの認知的理解へとつながり,さらにそれらを表現し伝達することを通して,クライエントとの分化が進んでいくと考えられる。最後に,リサーチ・クエスチョン3については,研究者の身体を通した分析として,研究者のフェルトセンスを使ってデータを身体的に感じ,それをムーブメントで表現することを繰り返して,クライエントの視点に近づく方法を提示するに至った。身体を通した共感を軸とする実践を,身体を通した方法で分析するということは,セラピスト=研究者の一人称・二人称の体験としての「身になること」と「身から離れること」を再度深く体験し直し,三人称の言葉を使って伝達を試みるということである。本論文は,心理臨床実践および研究における,セラピストおよび研究者の「身体を通すこと」の意義を示した。特に,「身体を通す」とは心身および自他の一元と二元を往還することであり,そのプロセスを支える行為として「身体が動く/身体を動かすこと」と「身体が感じる/身体を感じること」の組み合わせが有効であるという知見を示した点に,本論文の価値がある。学習院大学Gakushuin Universit
Balance Measures Derived from Insole Sensor Differentiate Prodromal Dementia with Lewy Bodies
Dementia with Lewy bodies is the second most common type of neurodegenerative
dementia, and identification at the prodromal stagei.e., mild cognitive
impairment due to Lewy bodies (MCI-LB)is important for providing appropriate
care. However, MCI-LB is often underrecognized because of its diversity in
clinical manifestations and similarities with other conditions such as mild
cognitive impairment due to Alzheimer's disease (MCI-AD). In this study, we
propose a machine learning-based automatic pipeline that helps identify MCI-LB
by exploiting balance measures acquired with an insole sensor during a 30-s
standing task. An experiment with 98 participants (14 MCI-LB, 38 MCI-AD, 46
cognitively normal) showed that the resultant models could discriminate MCI-LB
from the other groups with up to 78.0% accuracy (AUC: 0.681), which was 6.8%
better than the accuracy of a reference model based on demographic and clinical
neuropsychological measures. Our findings may open up a new approach for timely
identification of MCI-LB, enabling better care for patients
Effect of L-ornithine hydrochloride ingestion on intermittent maximal anaerobic cycle ergometer performance and fatigue recovery after exercise
L-Ornithine plays an important role in ammonia metabolism via the urea cycle. This study aimed to examine the eVect of L-ornithine hydrochloride ingestion on ammonia metabolism and performance after intermittent maximal anaerobic cycle ergometer exercise. Ten healthy young adults (age, 23.8 ± 3.9 year; height, 172.3 ± 5.5 cm; body mass, 67.7 ± 6.1 kg) with regular training experience ingested L-ornithine hydrochloride (0.1 g/kg, body mass) or placebo after 30 s of maximal cycling exercise. Five sets of the same maximal cycling exercise were conducted 60 min after ingestion, and maximal cycling exercise was conducted after a 15 min rest. The intensity of cycling exercise was based on each subject\u27s body mass (0.74 N kg -1). Work volume (watt), peak rpm (rpm) before and after intermittent maximal ergometer exercise and the following serum parameters were measured before ingestion, immediately after exercise and 15 min after exercise: ornithine, ammonia, urea, lactic acid and glutamate. Peak rpm was signiWcantly greater with L-ornithine hydrochloride ingestion than with placebo ingestion. Serum ornithine level was signiWcantly greater with L-ornithine hydrochloride ingestion than with placebo ingestion immediately and 15 min after intermittent maximal cycle ergometer exercise. In conclusion, although maximal anaerobic performance may be improved by L-ornithine hydrochloride ingestion before intermittent maximal anaerobic cycle ergometer exercise, the above may not depend on increase of ammonia metabolism with L-ornithine hydrochloride. © 2011 Springer-Verlag
The effect of L-ornithine hydrochloride ingestion on performance during incremental exhaustive ergometer bicycle exercise and ammonia metabolism during and after exercise
金沢大学人間社会研究域人間科学系Fukui National College of TechnologyObjectives:L-ornithine has an important role in ammonia metabolism via the urea cycle. This study aimed to examine the effect of L-ornithine hydrochloride ingestion on performance during incremental exhaustive ergometer bicycle exercise and ammonia metabolism during and after exercise.Subjects/Methods:In all, 14 healthy young adults (age: 22.2±1.0 years, height: 173.5±4.6 cm, body mass: 72.512.5 kg) who trained regularly conducted incremental exhaustive ergometer bicycle exercises after-ornithine hydrochloride supplementation (0.1 g/kg, body mass) and placebo conditions with a cross-over design. The exercise time (sec) of the incremental ergometer exercise, exercise intensity at exhaustion (watt), maximal oxygen uptake (ml per kg per min), maximal heart rate (beats per min) and the following serum parameters were measured before ingestion, 1 h after ingestion, just after exhaustion and 15 min after exhaustion: ornithine, ammonia, urea, lactic acid and glutamate. All indices on maximal aerobic capacity showed insignificant differences between both the conditions.Results:Plasma ammonia concentrations just after exhaustion and at 15 min after exhaustion were significantly more with ornithine ingestion than with placebo. Plasma glutamate concentrations were significantly higher after exhaustion with ornithine ingestion than with placebo.Conclusions:It was suggested that, although the ingestion of L-ornithine hydrochloride before the exercise cannot be expected to improve performance, it does increase the ability to buffer ammonia, both during and after exercise. © 2010 Macmillan Publishers Limited All rights reserved
Altered functional organization within the insular cortex in adult males with high-functioning autism spectrum disorder: evidence from connectivity-based parcellation
Determination of the optimal number of clusters based on VI and MI in intracalcarine cortex. The intracalcarine cortex was selected as a control region. The VI and MI values are shown for every clustering solution for k values ranging from 2 to 10. Arrows indicate either local minima of VI or local maxima of MI. Dashed lines denote the optimal number of solutions as determined using both VI and MI. The error bars denote standard errors of the mean for 100 repetitions of the split-half procedure (see the “Estimation of the optimal number of clusters” section). “n.s.” indicates no statistically significant difference between points. (PDF 334 kb
Frequent Loss of Genome Gap Region in 4p16.3 Subtelomere in Early-Onset Type 2 Diabetes Mellitus
A small portion of Type 2 diabetes mellitus (T2DM) is familial, but the majority occurs as sporadic disease. Although causative genes are found in some rare forms, the genetic basis for sporadic T2DM is largely unknown. We searched for a copy number abnormality in 100 early-onset Japanese T2DM patients (onset age <35 years) by whole-genome screening with a copy number variation BeadChip. Within the 1.3-Mb subtelomeric region on chromosome 4p16.3, we found copy number losses in early-onset T2DM (13 of 100 T2DM versus one of 100 controls). This region surrounds a genome gap, which is rich in multiple low copy repeats. Subsequent region-targeted high-density custom-made oligonucleotide microarray experiments verified the copy number losses and delineated structural changes in the 1.3-Mb region. The results suggested that copy number losses of the genes in the deleted region around the genome gap in 4p16.3 may play significant roles in the etiology of T2DM
Multimodality imaging of biatrial myxomas in an asymptomatic patient
AbstractMyxomas are located in the left atrium in 75–80% of cases and almost always present with signs and symptoms of a thromboembolic event. Biatrial myxomas are rare, and their incidence is generally less than 2.5% of all myxomas. We herein present a case of biatrial myxomas as an incidental finding by echocardiography where the patient underwent surgery. Echocardiography continues to be the initial imaging modality for intracardiac masses. Cardiac magnetic resonance provides superior tissue characterization, particularly important in differentiating a myxoma from a thrombus. Appropriate use of these non-invasive imaging modalities may lead to a correct diagnosis and good outcome.<Learning objective: In this report we present a rare case of cardiac biatrial myxomas. Multimodality imaging, especially delayed enhancement cardiac magnetic resonance imaging, provided specific findings for the diagnosis.
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