6 research outputs found

    When Bowlby meets Bion: An empirical study on the relationship between "attachment" and "valency"

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    publisher奈良臨床心理学において初めて愛着の概念を用いたのはBowlby(1958)である。これまでの研究からAinsworthら(1978)によってアタッチメント・スタイルは乳幼児期と同様に、3つに分類できることが研究の結果により示されている。そこで、本研究の目的は、個人特性の違いがアタッチメント・スタイルとどのような関わりがあるのかを見出すことである。そこで、本研究では個人特性を見るために、Bion(1961)、Hafsi(1997)による原子価(valency)の理論を用いた。また、アタッチメント・スタイルを測定する尺度としてHazan et al.(1987)によって考案されたオリジナル尺度を、詫摩ら(1988)が修正・邦訳したものに、筆者自らが考案した尺度を加えたものをアタッチメント・スタイル尺度として研究を行った。その結果、積極的タイプ・自己中心的安定タイプ・逃避的タイプ・他者中心的安定タイプの4つのアタッチメント・スタイルに分類することができた。そして、そのうち積極的タイプは闘争の原子価と、自己中心的安定タイプは依存、逃避的タイプは逃避、そして、他者中心的安定タイプはつがいの原子価との関わりがあることが見出された

    An Empirical Study On The Relationship Between Valency and Attachment Style.

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    publisher 奈良臨床心理学において初めて愛着の概念を用いたのはBowlby(1958)である。これまでの研究からAinsworthら(1978)によってアタッチメント・スタイルは乳幼児期と同様に、3つに分類できることが研究の結果により示されている。そこで、本研究の目的は、個人特性の違いがアタッチメント・スタイルとどのような関わりがあるのかを見出すことである。本研究では、個人特性を見るために、Bion(1961)、Hafsi(1997)による原子価(valency)の理論を用いた。また、アタッチメント・スタイルを測定する尺度としてHazan et al.(1987)によって考案されたオリジナル尺度を、詫摩ら(1988)が修正・邦訳したものに、筆者自らが考案した尺度を加えたものをアタッチメント・スタイル尺度として研究を行った。その結果、筆者の考案した尺度を含むアタッチメント・パターン尺度から、攻撃的タイプ・自己中心的安定タイプ・逃避的タイプ・他者中心的安定タイプの4つのアタッチメント・パターンに分類することができた。そして、そのうち攻撃的タイプは闘争の原子価と、逃避タイプは逃避の原子価と、そして他者中心的タイプは依存の原子価と関わりがあることが立証された。また、自己中心的安定タイプにおいてもつがいの原子価と関わりがある傾向が見出された

    An empirical study about the development and of a scale measuring adult attachment style and its reliability

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    publisher奈良本研究は、他者との関係性に関する概念としてのアタッチメント、特に成人のアタッチメントに関するものである。Bowlby(1958)によれば、他者との関係性としてのアタッチメントを「人が特定の他者との間に築く緊密な情緒的結びつき(emotional bond)である」と定義している。そこで、本研究ではBowlby(1958)の理論に基づいた、成人のアタッチメント・スタイルを測定する尺度RelationAttachment Test(RAT)を日本語に邦訳して、日本語版のアタッチメント・スタイル尺度(以下、JRAT)を作成し、その信頼性と構造を吟味することを目的とした。また、尺度について筆者を含むグループが邦訳したJRATは計30項目となり、5段階評定で求めた。その結果、因子分析では4つの因子を抽出することができた。その4つの因子を、他者中心的アタッチメント・スタイル、共在的アタッチメント・スタイル、寄生的アタッチメント・スタイル、対立的アタッチメント・スタイルとそれぞれ命名した。また、尺度の信頼性分析を行った結果、全体のα係数は.77と高い信頼性を得ることができた。これにより、今回作成したJRATは信頼性があるという結果が得られた

    親の相互独立性―協調性と子育て観との関わり ―子育てにおけるプロセスモデル―

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    publisher奈良近年、少子化・核家族の増加・共働きの家庭など、社会の変化に伴い育児における状況は大きく変化してきている。親役割や親子関係の研究は歴史的に古いが、今日では様々な家族形態と親子関係があるといわれている。現代の親子関係をみる視点としては、主に3つに分けることができる。その中で、生涯発達的視点から、子育てに影響を与える要因を発達プロセスで示したものにBelsky(1984)の研究がある。Belskyは効果的な子育て(parenting)に影響する要因は多様であること、またそれらが複雑に作用しあって親子・家族関係の質を決定していくことを挙げている

    アタッチメント・スタイルと原子価との関係についての実証的研究

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    publisher 奈良本研究は、他者との関係性としてアタッチメント(愛着)、その中でも成人のアタッチメントに関するものを取り上げる。臨床心理学において、初めてアタッチメントの概念を用いたのはBowlby(1958)である。まず、Bowlbyのアタッチメント理論について述べ、そして、原子価理論について論じることにする

    Parents' construal of self and their attitude toward parenting:―An empirical analysis based on the prozess model―

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    publisher奈良近年、少子化・核家族の増加・共働きの家庭など、社会の変化に伴い育児における状況は大きく変化してきている。親役割や親子関係の研究は歴史的に古いが、今日では様々な家族形態と親子関係があるといわれている。現代の親子関係をみる視点としては、主に3つに分けることができる。① 親となる大人が成人としての役割(親役割など)を取得し、適応し、効果的に遂行していくよう生涯を渡って変化し、成長発達する存在とみなす「生涯発達的視点」、② 家族をバラバラな二者関係の集合体とみなすのではなく、父‐子関係、子‐子関係などの個々の寄せ集めというよりも、父‐母‐子という三(四)者関係に焦点をおく考え方の「家族システム論的視点」、③ 従来の性別役割分業に基づき男女が職業と家庭(家事・育児)の仕事を分業するのではなく、職業すなわち家庭外労働と家庭内労働を男女で共有していこうとする「平等主義的性役割観」である(河野,1996)。本研究では、基本的に生涯発達的観点から、現代の日本社会で親となる体験が親にどのような影響を及ぼすかについて、実証的な検討を試みる
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