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    産学・地域社会連携による課題解決型学習における学習成果 : 定性的分析による一考察

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    近年、企業や地域社会/コミュニティと連携で行う課題解決型学習に取り組む大学が増えている。社会経済環境の変化を背景に、様々な課題を抱えた企業や地域社会/コミュニティ、大学、学生のそれぞれに、ニーズとねらいが存在する。例えば、地域人口・労働力人口・18歳人口の減少に伴う、企業間、地域間、大学間における生存競争や高度人材の育成・獲得等をめぐる競争である。そうした社会的課題を背景に、連携型の課題解決型学習は今後益々増加していくと思われる。本稿では、こうした社会的背景や要請を踏まえた上で、課題解決型学習の学習成果の評価方法や分析について取り上げる。学習意欲の向上、諸能力や成長実感の獲得に関する学生の自己評価に焦点を置き、定性的分析を行った。また、定量的調査では示すことが容易でない、連携特有の社会的文脈や相互作用の中での学習プロセスを明示した上で、「学生が何をどのように学んだのか」「学生がどのようなことに成長や価値を感じたのか」を明らかにした。実社会に即した課題解決型学習は、その学習環境や学習自体が多様で可変的であり、教員、学生、連携先は、状況に応じた調整力や対応力が求められる。ゆえに、学生は現実社会につながる実践的な能力の基本を学びとることができる可能性も大きい。したがって、学習支援のあり方のみならず、学習成果の評価についても、予定調和な枠にはめることなく、学習現場の文脈を取り上げながら、定性的分析を蓄積する必要がある
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