7 research outputs found

    看護学生における子宮頸がん検診行動の継続にかかわる動機

    Get PDF
     【目的】本研究は, 青年期後期からの子宮頸がん検診啓発をめざし, 看護学生の子宮頸がん検診の継続にかかわる動機を探索した.【方法】A県内の看護大学・専門学校に在籍する学生293名に, 無記名自己記入式質問紙調査を行った. 子宮頸がん検診を動機づけるプロセスは, ノラJ. ペンダーの改定ヘルスプロモーションモデルを参考にした. 対象者を検診状況から「行動あり群」46名(15.7%), 「継続群」17名(5.8%), 「行動なし群」230名(78.5%)の3群に分けて分析した. 分析には, クラスカル・ウォリス検定, および,χ ₂ 検定を用いた.【結果】検診の利益の認識については, 3群全てが「早期発見の機会」, 「早期治療の機会」, 「健康を考える機会」と捉えていた. 検診イメージについては, 継続群は他群より「安心な」(H(2)=19.970,p<.001), 「のんびりした」(H(2)=11.298,p=.004), 「幸福な」(H(2)=8.081,p=.018), 「清潔な」(H(2)=8.076,p=.018)というポジティブなイメージを持っていた. 検診の負担の認識については, 3 群全体で負担得点が高かった項目は「羞恥心がある」, 「男性医師は嫌」であった. また, 継続群は他群より「検査内容がわからず不安」(H(2)=38.175,p<.001), 「検診をうけたことを他人に知られたくない」(H(2)=14.012,p=.001)という意識が低かった. さらに, 継続群は他群より有意に検診実行の自信(H(2)=50.447, p<.001)を持っていた. 検診実行の意志については継続群が行動なし群より有意に検診実行の意志を持っていた(H(2)=35.768,p<.001).【結論】子宮頸がん検診の継続に関わる動機は, 検診に対する認識と感情に大きく影響されることが示された

    出産後の尿失禁に関する研究の動向と課題(1983 - 2010)

    Get PDF
     国内の文献から,出産後の尿失禁に関する研究の動向と課題を検討した.医学中央雑誌Web(Ver. 4)をデータベースとし、検索キーワードを「産褥」「尿失禁」とした.出産後の尿失禁に関する文献は96件あり,絞り込みで「原著論文」に特定した結果,33件であった.入手できたものの中で,研究対象に褥婦が含まれている文献で,今回のテーマの内容に類似した11件の論文を対象とした. その結果,出産後の尿失禁に関する論文は,1991年ごろ,泌尿器科関連の雑誌に掲載された.現在は理学療法の分野からも関心の目が向けられていることがわかった. 出産後の尿失禁の経験者は,約30 ~ 50%であり,産後1 ヵ月以降も症状がみられる者は約10 ~ 20%存在する.また,そのほとんどが腹圧性の尿失禁である.そして,尿失禁を起こしやすい者の要因は, 年齢,初経産,体重,分娩様式は明らかであった.詳細は,尿失禁がありの群は尿失禁がない群に比較して,年齢が高く,初産婦より経産婦に多く,非妊時の体重が重い,または妊娠中の体重増加が多い者に多く,分娩様式は帝王切開より経膣分娩の方に多く認められた.他の関連因子については意見が分かれているため,更なる研究の蓄積が必要であると考える. また,尿失禁に対する対処方法に関しては,尿失禁経験者の約半数の者が,骨盤底筋体操などの改善行動を行っていなかった.そして,骨盤底筋体操の効果を知っている者は,約半数存在するが実施している者は少なかった.予防および改善へ向けての知識の普及と指導方法が不十分であるように思われた. 今後の課題として,出産後の尿失禁の予防や改善に向けて継続した支援方法ができるよう,現在の指導方法を見直し,改善していく必要がある

    日本におけるペリネイタル・ロス研究に関する文献検討

    Get PDF
     国内の文献から,2000年から2011年におけるペリネイタル・ロス研究の動向と課題を検討した.医学中央雑誌Web(Ver.5)をデータベースに,検索キーワードを「流産」,「死産」,「新生児死亡」,「ペリネイタル・ロス」,「看護」とし,前4 つのキーワードをそれぞれ「看護」と合わせ,原著論文として抽出した18件の国内文献を今回の分析対象とした. その結果,研究対象者は,女性(母親),カップル(夫婦),看護職者・医療施設の3 つに大別された.女性(母親)は9件,カップル(夫婦)は2件,看護職者・医療施設は7 件の文献がそれぞれ抽出された.研究方法は,質的研究が12件,量的研究が6件であった.研究目的は,ペリネイタル・ロス体験やその心理,反応を明らかにしてニーズを捉えるもの,ケアの実際に関するもの,看護職者の心理に関するものであった. 女性(母親)を対象とした研究が多かった背景には,ペリネイタル・ロス体験の当事者であることに加え,その背景,体験の受け止め,ニーズなどが多様であり,長期に渡るフォローの必要性と体験理解のために研究が望まれていた.今回は,男性(父親)のみを対象とした研究は抽出されなかった.また,カップル(夫婦)を対象とした研究は2 件のみであり,ペリネイタル・ロス体験により生じる男女のずれや関係変化,家族としての発達課題が述べられていた.これにより,男性(父親)の体験やカップル(夫婦)単位での喪失体験への理解が必要であることが示された.そして,看護職者もペリネイタル・ロスに対するさまざまな反応があり,看護職者に対するケアへの研究の必要性が示唆された
    corecore