17 research outputs found

    大学の遠隔オンデマンド授業における授業形態ごとの教育効果に関するアンケート調査

    Get PDF
     大学における遠隔授業には遠隔リアルタイム型の授業と遠隔オンデマンド型の授業に大別できる。前者の遠隔リアルタイム型の授業は、使用するWeb会議サービスのソフトウェアの差はあれど、授業運営方法については大きなばらつきはない場合が多い。一方で後者の遠隔オンデマンド型の授業では、授業内容の配信や課題の設定には複数の方法があり、動画配信、音声配信、資料掲示などその授業形態は多種多様である。本研究では、これら様々な授業形態の遠隔オンデマンド授業が、受講する学生に与える「理解度合い」、「集中度合い」、「受講意欲」への影響の違いと、それぞれの利点と欠点について、アンケート調査を行い分析した。その結果、基本的には動画を用いた授業が最も教育効率が高く、次いで音声を用いたもの、資料のみの掲示をする授業は最も教育効率が低いという結果が見られた。ただし、動画配信型の授業で教員が顔を出すかどうかは授業の性質や対象学年によっても影響があること、音声と資料が連動しておらず別々に掲示される音声配信型授業の場合は学生への負担が大きく教育効果が低下すること、逆に資料と動画や音声の解説が連動している場合には、配信される授業が動画形式であっても、パワーポイント埋め込み音声の形式であっても教育効果に大きな差は見られないことなどが示された。また、語学系の授業など授業の性質によっては、教員の口の動きなどが見れることの重要性なども指摘されており、授業の性質や内容に応じた適切な授業形態を選択することの重要性が示された

    世界英語のリスニング リスニング実験における英語バリエーションの影響と実験手法の有用性に関する検証

    Get PDF
    現在、英語は国際語(国際共通語)として疑いようのない地位を築いており、全世界の人口の1/4にあたる20億人近くが使用しているとされている。このように世界中で使用されている英語は、英語を母語として使用する国であるイギリス、アメリカ、オーストラリア(ニュージーランド)、カナダの中でも発音上のバリエーションが大きい。日本の英語教育は伝統的に、第二次世界大戦後はアメリカ英語を中心に行われていたが、近年ではアメリカ英語以外の英語への注目の増加や、重要性の認識が行われている。本研究では、多様性のある英語バリエーションを学ぶことの重要性や、各地域の英語の発音上の違いを踏まえ、英語のバリエーションが日本人英語学習者へ与える影響について検証した。その結果、リスニング実験におけるアメリカ英語とカナダ英語の正答率はイギリス英語とオーストラリア英語の正答率に対して高いという結果となり、日本人英語学習者のこれまでの英語学習における慣れ度合いが、その理解度にも影響を与えていることが示唆される結果となった。また、本研究では、英語の理解度を検証するにあたり、多肢選択形式の問題とディクテーション形式の問題を比較し、ディクテーション形式の問題の方が検出力が高いということが示唆された。この結果は、今後の日本の英語教育において、母語話者も非母語話者も含め、様々な英語話者の英語発話に慣れ親しむことが、今後英語を国際語(国際共通語)として使用し、多くの人とのコミュニケーションを円滑に行うためには重要になることを示唆するものとなった

    KH Coder を用いた英語の発音の意識調査に関する研究

    Get PDF
     日本人英語学習者にとって英語を話せるようになることは容易ではない。特に大人になってからの言語習得は子どもに比べて、ネイティブスピーカーのような英語を話せるようになるには限界があるとされており、特に発音を習得するのは困難であるとされている。文部科学省(2019)による高校 3 年生を対象とした英語の能力を図るための試験結果からも、日本人英文部語学習者は特に「話すこと」を苦手とする人が多いことがわかっている。本研究では、日本人英語学習者の発音に関する意識を調査するため、アンケート調査によって量的な分析を試みる。研究目的は①「英語の発音に関する苦手、あるいは得意である要因」、②「英語の発音を向上させるのに有効な学習法」、③「どのような英単語に発音上の苦手意識を持つのか」を明らかにすることである。調査は、オンライン上でアンケートを募り、テキスト分析ツールを用いて、自由記述の回答から頻出する単語やコロケーション情報を分析した。研究の結果、①の発音が苦手な要因としては、発音記号自体が読めず、適切な発音方法を知らないのでネイティブスピーカーのように発音できないことなどが挙げられた。得意な要因としては、幼少期に英会話教室などで発音を褒められた経験が自信に繋がっていることなどが挙げられた。②に関しては、ネイティブスピーカーと話すことが最も有効な学習方法であるという回答が多かった。③については、特に日本人英語学習者は l/r の発音の区別が困難であり、英単語は「really」に対して最も苦手意識を抱いていた。全体的な傾向として、大人の日本人英語学習者は英語の発音に関して重要性を高く感じているものの、苦手意識を持つ人の方が多く、英語を学習する時間や機会が足りていないという現状が明らかになった。英語の発音に関しては、教育現場での発音記号の指導などの重要性が改めて感じられた

    日本人英語学習者が発音困難な音声要素は何か:音声認識システムを使用したミニマルペアを含む英単語発音実験による検証

    Get PDF
    日本人英語学習者にとって英語を学習し、習得することは容易ではない。大人の英語学習者は子供に比べネイティブのような発音を習得するのには限界があり、特に思春期以降に発音や言語を学習し習得することは困難であるといえる。今回の研究では日本人英語学習者にとって習得困難な英語の音素は何か、ミニマルペアを含む英単語を用いた発音実験により検証した。実験では母音、子音の中でどの音声要素を発音することが苦手かを調べた。また外来語として日本に入ってきた“coffee”(コーヒー)などの「カタカナ英語」についても発音調査を行った。この結果、日本人英語学習者は、母音、子音、外来語の中では外来語の英単語を最も正確に発音できることが明らかとなった。一方で、母音と子音を比べると、英語の母音を正しく区別して発音する方が子音を区別して発音するよりも難しいことが明らかになった。本実験では、英単語発音の正確性の検証としてスマートフォンの音声認識機能を用いた。これは従来の発音実験で用いられる検証方法とは異なるものであり、本研究は発音実験の方法論の検証という意義もあるものであった

    日本人英語学習者の英語リスニングにおけるイギリス英語社会方言の影響

    Get PDF
    英語は国際共通語(リンガ・フランカ)として現在では世界中で使われている。このように英語が世界中で使われるようになるにつれて、国や地域ごとのバリエーションも大きくなっている。その中でも、特にイギリス英語には地域方言に加えて、RP, Estuary, Cockneyなどの社会方言のバリエーションも存在する。歴史的にイギリス社会では、社会方言の差は身分や出生の差として扱われ、使用する社会方言によって職業選択にも影響を及ぼしていた。このことから、教育水準の高い人や、人前に出る職業の人などは意図的にRPを話そうとする人も多く、外国から見たイギリス英語のイメージもRPがその代表であった。一方で最近では、RPの話者は減少し、Estuaryを使い続ける人も増えてきている。日本人英語学習者が様々な国の英語を聞き取る際に、イギリス英語、アメリカ英語、オーストラリア英語の間で聞き取りやすさに差がないことは内田(2021)の研究などで明らかになっているが、本研究では、イギリス英語の社会方言の間でも聞き取りやすさに差がないかについてリスニング実験を行い検証した。その結果、RPとEstuaryでは聞き取りやすさに差がなく、Cockneyのみが聞き取りにくいという結果が明らかになった

    CUL2-mediated clearance of misfolded TDP-43 is paradoxically affected by VHL in oligodendrocytes in ALS

    Get PDF
    The molecular machinery responsible for cytosolic accumulation of misfolded TDP-43 in amyotrophic lateral sclerosis (ALS) remains elusive. Here we identified a cullin-2 (CUL2) RING complex as a novel ubiquitin ligase for fragmented forms of TDP-43. The von Hippel Lindau protein (VHL), a substrate binding component of the complex, preferentially recognized misfolded TDP-43 at Glu246 in RNA-recognition motif 2. Recombinant full-length TDP-43 was structurally fragile and readily cleaved, suggesting that misfolded TDP-43 is cleared by VHL/CUL2 in a step-wise manner via fragmentation. Surprisingly, excess VHL stabilized and led to inclusion formation of TDP-43, as well as mutant SOD1, at the juxtanuclear protein quality control center. Moreover, TDP-43 knockdown elevated VHL expression in cultured cells, implying an aberrant interaction between VHL and mislocalized TDP-43 in ALS. Finally, cytoplasmic inclusions especially in oligodendrocytes in ALS spinal cords were immunoreactive to both phosphorylated TDP-43 and VHL. Thus, our results suggest that an imbalance in VHL and CUL2 may underlie oligodendrocyte dysfunction in ALS, and highlight CUL2 E3 ligase emerges as a novel therapeutic potential for ALS

    CUL2-mediated clearance of misfolded TDP-43 is paradoxically affected by VHL in oligodendrocytes in ALS.

    Get PDF
    神経難病・筋萎縮性側索硬化症の病原蛋白質を分解する新たな仕組みを発見 -ALSの新たな病態の発見と分子標的治療の可能性を開く-. 京都大学プレスリリース. 2016-01-12.The molecular machinery responsible for cytosolic accumulation of misfolded TDP-43 in amyotrophic lateral sclerosis (ALS) remains elusive. Here we identified a cullin-2 (CUL2) RING complex as a novel ubiquitin ligase for fragmented forms of TDP-43. The von Hippel Lindau protein (VHL), a substrate binding component of the complex, preferentially recognized misfolded TDP-43 at Glu246 in RNA-recognition motif 2. Recombinant full-length TDP-43 was structurally fragile and readily cleaved, suggesting that misfolded TDP-43 is cleared by VHL/CUL2 in a step-wise manner via fragmentation. Surprisingly, excess VHL stabilized and led to inclusion formation of TDP-43, as well as mutant SOD1, at the juxtanuclear protein quality control center. Moreover, TDP-43 knockdown elevated VHL expression in cultured cells, implying an aberrant interaction between VHL and mislocalized TDP-43 in ALS. Finally, cytoplasmic inclusions especially in oligodendrocytes in ALS spinal cords were immunoreactive to both phosphorylated TDP-43 and VHL. Thus, our results suggest that an imbalance in VHL and CUL2 may underlie oligodendrocyte dysfunction in ALS, and highlight CUL2 E3 ligase emerges as a novel therapeutic potential for ALS
    corecore