53 research outputs found
褐変物質のDPPHラジカル消去能
グルコースとグリシンによるアミノカルボニル反応で生成した褐変物質、ショ糖のカラメル化反応によって生成した褐変物質、魚醤に含まれる褐変物質、タマネギを加熱して得られる褐変物質についてDPPHラジカル消去能を測定し、次のような結果を得た。1. pH5.0、6.0、7.0および7.4で0.5M-グルコースおよびグリシンの等量混液を加熱し、アミノカルボニル反応を行ったところ、pHが高いほど着色度が高く、着色度が高いほどDPPHラジカル消去能も高くなった。着色度を示す440nmにおける吸光度とDPPHラジカル消去能の間にはr=0.993の非常に高い正の相関関係が認められた。2. カラメル化によって着色した糖液でも、着色が進行するにつれてDPPHラジカル消去能は高くなった。着色度を示す440nmにおける吸光度とDPPHラジカル消去能の間にはr=0.882の非常に高い正の相関関係が認められた。3. アミノカルボニル反応による褐変物質とカラメル化による褐変物質を比較すると、アミノカルボニル反応による褐変物質の方が抗酸化性は高いことが推測された。4. 薄口しょう油や臼しょう油と同程度の着色を示す魚醤に含まれる褐色物質にもDPPHラジカル消去能が認められたが、抗酸化性は着色物質以外の成分も関与していることが示唆された。5. タマネギを加熱し、黄色~あめ色~茶色と褐変が進行するに従ってDPPHラジカル消去能は上昇した
Negative-chirality order in kagome antiferromagnet CdCu(OH)(NO)HO
The neutron diffraction and nuclear magnetic resonance (NMR) measurements
have been used to microscopically analyze the magnetic structure in the kagome antiferromagnet CdCu(OH)(NO)HO.
Below the magnetic ordering temperature K, magnetic Bragg
reflections at (110) and (100) were found in the neutron diffraction pattern,
which suggests a magnetic structure. Furthermore, the vector spin
chirality for the structure was successfully identified from the internal
field direction obtained by the N-NMR measurement. Our findings point to
a chirality-ordered magnetic structure with negative vector chirality and
anisotropy.Comment: 6 pages, 5 figure
女子短大生の尿中窒素化合物および食塩の測定
健康な女子短大生7名の24時間尿を3日間採取し、尿中窒素化合物および食塩量を測定して次の結果を得た。1. 実験期間が夏期であったことを考慮しても、被験者らの尿量は全般的に少なく、それに対応して比重はやや大きい傾向を示していた。2. 尿中窒素排泄量の3日間の平均値は、10.7~15.4g/日であった。3. 尿中アンモニア排泄量の3日間の平均値は、0.3~0.7g/日であった。4. 尿中クレアチニン排泄量の3日間の平均値は、0.90~1.18g/日であった。5. クレアチニン係数は、15.4~21.4であった。6. 食事調査によるタンパク質摂取量と、尿中総窒素排泄量からタンパク質の出納を3日間の平均値で見ると、ほぼバランスがとれていたが、欠食によるタンパク質摂取量の不足は、将来、健康を損なうことにつながることが示唆された。7. 食事調査による食塩摂取量と、尿中食塩排泄量の出納を3日間の平均値で見ると、ほぼバランスがとれていたが、1日の排泄尿量が著しく少ないと、食塩が排泄されにくくなることが示唆された
Field-induced magnetic structures in the chiral polar antiferromagnet NiInSbO
We have performed In-NMR spectroscopy for NiInSbO with
corundum-related crystal structure to reveal magnetic structures that develop
in high magnetic fields. At low fields NiInSbO shows a helical
magnetic order with a long wavelength because of its chiral and polar crystal
structure. The field-induced magnetic state was not investigated by microscopic
experiment because an extremely high magnetic field is required to modify the
antiferromagnetically coupled helical structure. From the analysis of our
In-NMR spectra obtained at high magnetic fields, we confirm that the
canted antiferromagnetic structure appears in fields applied in the
direction and the propagation vector of magnetic helix is rotated toward the
field direction for fields in the direction. We discuss the effect of
magnetic field that modifies the magnetic structure of an antiferromagnetic
chiral magnet.Comment: 9 pages, 8 figures, accepted for publication from Phys. Rev.
ほうれん草の保存および加熱条件によるクロロフィル含量の変化
ほうれん草の保存, 加熱時のクロロフィル含量の変化を調べることを試みた。品種, 成育程度などの点で同一の試料を入手できなかったこと, 試料の入手が夏季と秋季に限られたことなど不備な点はあるが, 今回の実験で得られた知見をまとめると次のようになる。(1) クロロフィルの安定性は保存温度の影響が大きく, 冷蔵が最も好ましい。(2) エチレン吸着性低密度ポリエチレン袋を使用し, 冷蔵室内に垂直状態に保存することは, 緑色保持の面から緑葉野菜の保存に効果が見られた。(3) 視覚的な観察による生のほうれん草の明度は, クロロフィル含量と相関係数γ=-0.788 (P<0.01) で有意な負の相関関係を示し, 明度からクロロフィル含量を推定することが可能であると考えられた。(4) ほうれん草のクロロフィル含量は, 通常のゆで操作と電子レンジ加熱の両者間で差は認められなかった。(5) ほうれん草のゆで操作時のふたの有無は, クロロフィル含量に影響を及ぼさなかった。(6) ほうれん草のゆで操作時の食塩濃度は, クロロフィル含量に有意差を認めなかった。食塩濃度が2%以上の沸騰水中でのゆで操作は, 食感をそこねることから, 実用的にはゆで操作時の食塩添加は必要としない
野菜・果実中のポリフェノール化合物の分別定量と褐変現象について
酵素と基質を含み、容易に褐変する野菜5種類と果実6種類についてポリフェノール化合物の分別定量と切断面の色調変化の測定を行ない、次の結果を得た。(1) 全ポリフェノール含量は、試料の種類、品種によって異なり、全ポリフェノール含量の多いものほど褐変の程度は著しかった。(2) フラバノール型タンニン含量の全ポリフェノール含量に占める割合は、試料の種類、品種によって異なっていたが、一般に果実類の方が野菜類より高く、カテキン類、ロイコアントシアン類の多い傾向が見られた。(3) 会合型タンニンは、成熟果には少なく、成熟した野菜類、果実類には遊離型タンニン類が多いと考えられた。(4) フラバノール型タンニン含量の全ポリフェノール含量に占める割合や、会合型タンニンの割合、クロロゲン酸含量と褐変の程度との間には、はっきりした関係は認められなかった
- …