8 research outputs found

    家事の実態調査その1 : 高齢者と学生の調理行動の検討

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    高齢化に伴い,社会福祉法の改正や,介護保険法の新たな施行の中で,在宅介護の充実が進められてきた。介護福祉養成カリキュラムにおいても在宅介護に重点がおかれるように改定された。在宅介護は大きく分けて,利用者の身体介護と家事援助の2通りがある。実際の在宅介護実習では,家事援助に関わることが多いが,高齢利用者の家事ニーズを見出すに必要な家事の知識が学生に少ないように感じてきた。また,高齢者の家事と,学生の家事とは大きく異なっていると考えられる。そこで,今回は在宅介護教育の課題を得る目的で,地域の独居と夫婦世帯の高齢者と本学地域福祉学科学生を対象に,ご飯,味噌汁,おかず等の調理のやり方(調理行動)を調査し結果を検討した。その結果,高齢者はご飯や味噌汁を学生より頻回に調理しており,また,学生より多種類のおかずを調理し,調理方法にあった調理器具を選んで用いていた。高齢者は調理経験が豊富で調理技術があるが,学生は経験が少なく調理が未熟で,おかずの種類も少なかった。学生に高齢者の調理行動を理解させその認識を深めさせるという在宅介護教育の課題を得ることが出来た

    認知症高齢者のコミュニケーション量と感情の分析(創刊二十五周年記念号)

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    高齢者の尊厳を支えるケアを求めて認知症高齢者(認知症者)の8時間中のコミュニケーション量と感情の状況,言語コミュニケーション中の感情の状況等をコミュニケーション対象別にタイムスタディ法で調べその結果を検討した。その結果,認知症者はコミュニケーションなしの時間が7割余と多く,感情も不明が8割近くを占めて多かった。しかし認知症者と他の利用者,家族,介護者のそれぞれの間のコミュニケーション中の感情を比較すると,全ての対象者との言語コミュニケーション中の認知症者の感情は快感情が増加しており,特に家族との間で,快感情が最も増加していた。家族のコミュニケーションの意義が大きく,認知症者の介護では家族の機能の重要性が明らかになった。また,認知症者のコミュニケーション量を増やす関わりが認知症者の生活の質の向上につながるとみなされた。Recently, there has been a greater demand for emphasis on the dignity of the elderly with dementia when they are cared. Then, the authors have researched on communication quantity and feelings of the elderly, and their feelings during the verbal communication. We have found out that they spent more than seventy percent of the research time without communication. Their feelings were not clear in about eighty percent of the research time. We have also found out that the percent of pleasant feelings increased while they communicated, especially with their family. The importance of the role of the family in caring the elderly with dementia has been clearly shown. Relationship enhancing communication improves the quality of life of the elderly with dementia

    おむつ装着感と精神状況及び身体状況の傾向の分析 : 学生のおむつ装着体験とアンケート調査より

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    おむつ着用は精神的な問題を大いに含んでいる。おむつ利用の高齢者の精神的問題を把握する基礎的資料を得る目的で,本学地域福祉学科1年生におむつ装着排尿体験を行うと共に調査をおこない,1)おむつ装着感の傾向,2)おむつ装着と精神的傾向,3)おむつ装着時の身体的傾向,4)おむつ装着時の日常生活行動等の観点から分析した。その結果,全ての種類のおむつでは,装着感が排尿時を頂点として後60分まで悪化傾向が持続していた。おむつ装着感が感情を起こし,感情の持続が気分に影響し,また,認識が生活行動範囲に影響し,おむつの機能が感情に影響すること等が示唆された。また,リハビリパンツの装着感や機能への感じ方が他のおむつより良く,行動範囲も広いことが認められた。しかしおむつ装着は精神的問題が大きい事を再認識した。原因であるおむつ装着感の多方面からの系統的な改善方法の解明と,おむつの機能の更なる改良が重要である

    実習における介護計画記録と毎日の計画実践記録の様式と記載方法の試案

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    介護の質を向上させるために必要不可欠な介護過程であるが,介護においてはまだ十分に普及し活用されていないのが現状で,介護過程をどのように学ばせるかといった教材はまだまだ不足しているように思われる。2年間という限られた時間に効果的に介護過程教育を行うために介護計画記録と毎日の実践記録の様式と記載方法を試案したのでその内容を報告する

    介護学生の自己教育力と職業意識の分析

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    学生の自己教育力と介護職職業意識を高める目的で新見公立短期大学地域福祉学科学生に自己教育力と介護職職業意識を調査し,自己教育力の学年別の状況,介護職職業意識の学年間比較,自己教育力の程度と介護職職業意識の関連について検討した。その結果,自己教育力は(1)自己の成長・発展の要素が最も高く,(3)自信・プライド・安定性の要素で低くかった。また,2年生が1年生より低かった。介護職職業意識では,a 職業人としての自己向上の要素で点数が最も高い傾向であり,c 職業的自己関与で低い傾向であった。全体的に2年生が1年生より低かった。自己教育力の高群の1年生は2年生より職業意識が高い設問が多かった。これらは2年生の1年間の学習や実習体験が影響していると考えられ,職業アイデンティティ確立の2の段階である"現実を知りショックを受けた"段階であると思われる。学生の職業アイデンティティ確立の段階を知りサポートすることが重要である。自己教育力の低群の2年生は1年生より有意に高い設問数が多かった。そのことは1年間の介護実習等の学習体験の影響が高群者より大きいのではないかと考えられた
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