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    リソゾ-ム膜上のH^±ATPaseと2種の新規ATPaseーその構造と機能に関する生化学的研究

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    金沢大学薬学部リソゾ-ム膜より,Mono Qカラム及びTSKーgel G4000SW_を用いてH^+ーATPaseを精製することに成功した。本酵素はSDSーPAGEで空胞系H^+ーATPーaseに共通にみられる(110),70,56,42,39,34,16kDaのサブユニット構造を示した。至適pHは7.0ー8.0、ATPに対するKm値は0.095mM、基質特異性はATP,dATP>GTP,ITP>UTPで、CTP,AMP,cAMPは無効,ADPは阻害した。二価金属要求性はMg^,Mn^>Fe^,Co^>Ca^で,Sr^,Ba^は無効、Cu^,Pb^,Zn^,Hg^,Cd^,Ni^は阻害した。Cl^ー,Br^ー,F^ーが活性化し、NO_3^ーは強く阻害した。bafilomycin A_1の他、NEM,NBDーCl,DCCSに感受性であった。また,16kDaサブユニットに対するcDNAの単離,抗16kDa抗体の調製にも成功,これらプロ-ブを用いた検討の結果,16kDa蛋白は腎臓と脳で極めて発現が高いこと,その遺伝子は複数存在することを明らかにできた。単クロ-ン抗体も調製できたが,インムノブロットには成功していない。更に,可溶化H^+ーATPaseを希釈法でリポソ-ムに組み込み,プロトン・ポンプ再構成に成功した。この過程で,リソゾ-ム膜上にK^+及びCl^ーに対するイオンチャンネルが存在することを示唆する結果を得た。H^+ーATPase以外の2種のATPaseについてもその性質を明らかにした。ATPaseII(360kDa)と類似のATPaseは,細胞膜上にectoーATPsaeとして存在する。両ATPaseを単離して比較した結果,至適pHとCa^/Mg^要求性が若干異なるものの,その他の性質(二価金属要求性,基質特異性,薬剤感受性等)は両酵素で極めて類似していることが確認された。NEM感受性のATPaseI(550kDa)は,ATPaseII共々リゾソ-ムの内部に存在することが判明,顆粒の細胞内運動に関係したキネシンや膜融合に関与するNSFとの関係は否定された。研究課題/領域番号:03671047, 研究期間(年度):1991出典:研究課題「リソゾ-ム膜上のH^±ATPaseと2種の新規ATPaseーその構造と機能に関する生化学的研究」課題番号03671047(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-03671047/)を加工して作

    空胞系プロトンポンプ阻害剤を用いたプロトン輸送機構と分化・細胞死誘導機構の解析

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    金沢大学薬学部我々は、空胞系酸性顆粒が細胞の増殖と分化に対して如何なる寄与をしているかについて,選択的阻害剤を利用して検討してきた。本研究においては,特にbafilomycin A1に代表される空胞系プロトンポンプ阻害剤による,細胞増殖阻害機構と細胞分化誘導・アポトーシス誘導機構を明らかにするとともに,bafilomycin A1によるプロトン輸送阻害機構の解明を目指した。現在までのところ、これら増殖阻害・細胞分化誘導・アポトーシス誘導の各反応は極めて類似しているが、細胞分化にはリソソームのpHは恐らく関与しない点で、増殖阻害とは異なっていることが判明した。今回、アポトーシス誘導における細胞内pHの関与について検討したところ、細胞質pH・リソソーム内pHとともに、bafilomycin A1によるアポトーシス誘導に直接関係しないことが判明した。すなわち、同じようにリソソームのpHを上昇させ細胞増殖を阻害する塩化アンモニウムでは、細胞分化・アポトーシスとともに誘導されず、また、細胞質pHを変動させてもbafilomycin A1による細胞死は影響を受けなかった。最近、我々は、空胞系プロトンポンプを脱共役する阻害剤として新たにプロジギオシンprodigiosinsを見い出している。本化合物も細胞の増殖阻害・細胞分化・アポトーシスを誘導することを見い出した。これらの薬剤の効果を比較検討することにより、V-ATPase阻害と分化・アポトーシス誘導機構の解明を図りたい。なお、空胞系プロトンポンプ阻害剤が,果してH^+-ATPase阻害を通じて分化を誘導するのか否かは,極めて重要で且つ興味深い点である。これを明らかにする一環として,アフィニティーカラムや新たなアフィニティー標識プローブを作製して阻害剤結合部位の同定を試みているところである。なお、V-ATPaseにおけるプロトン輸送機構の解明には、精製酵素標品を大量に必要とするが、それは真核細胞のV-ATPaseでは極めて困難である。そこで、今回、高度好熱菌のV-ATPaseを検討したところ、同様にbafilomycin A1で阻害されることが分かった。今後、高度好熱菌を用いてV-ATPaseにおけるプロトン輸送機構の解明を生化学的に検討する予定である。研究課題/領域番号:08672505, 研究期間(年度):1996出典:研究課題「空胞系プロトンポンプ阻害剤を用いたプロトン輸送機構と分化・細胞死誘導機構の解析」課題番号08672505(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-08672505/)を加工して作

    V-ATPase阻害剤とpHと細胞増殖阻害

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    金沢大学自然科学研究科薬学系Bafilomycin耐性細胞においてもbafilomycinでリソソームのpHが上昇し、prodigiosin類で細胞死(アポトーシス)がおきること等から、酸性顆粒のpH上昇によって細胞細胞増殖阻害・細胞死が誘導されているのではないこと、また、これらの耐性細胞もconcanamycin類に感受性であること等から、bafilomycinとconcanamycin類とは異なる部位で作用していることを発見した。また、concanamycin類がPC12細胞の外から細胞膜に作用して神経突起様突起を延ばしアポトーシスを引き起こしている可能性を明らかにした。次に、diazirineを結合したphotoaffinitv誘導体を利用して、細胞膜上のconcanamycin類結合物質を同定する(V-ATPase阻害活性を殆ど低下させないConcanamycin類のphotoaffinity試薬を作することに成功)。単離したV-ATPaseでは16kDaのタンパク質に結合するが、細胞ではそれ以外のタンパクにも作用するようである。更に、アンチセンス・オリゴの効果をVo (16kDa、21kDa)とV1(70kDa)とで比較し、Voのみ有効であることを発見した。また、類似の細胞増殖阻害作用がVoに対する抗体で観察された(抗体による細胞死はアポトーシス)。更にヒトV-ATPaseサブユニットのアンチセンス・オリヌクレオチドゴの効果をVoを構成するプロテオリピドとV1を構成するサブユニットとで比較した。その結果、プロテオリピドを構成するサブユニットのみ細胞増殖を阻害し細胞死を誘導することを見い出した。また、高度高熱菌より高純度に精製したV1-ATPaseが回転していることを示す証拠を得た。また、ヌードマウスに移植した膵癌由来細胞の増殖抑制を指標として、V-ATPase阻害剤の制癌効果を検討した。Even in bafilomycin-resistant cells, lysosomal pH was increased by bafilomycins, ammonia or chloroquine, and prodigiosins indeced apoptosis. These cells were sensitive to concanamycins, suggesting the binding site(s) these componds are different from each other. Bafilomycins adn concanamacyns act on the cells from outside plasma membrane from theresults that membrane-impermeable concaamycins also induced neurite-outgrowth and apoptosis. Photoaffinity labelling suggested the presence of other protein(s) than 16kDa proteolipid subunit of V-ATPase.Results with antisence-oligonucleotide against V-ATPase subunits suggested that Vo proteolipids but not V1 subunit inhibited the cell growth and induced cell death(necrosis). Similar inhibitin of cell growth was observed by antibodies against V-ATPase subunits. The cells are dead through apoptosis. These results are not affected by te presence of imidazole and ammonia, suggesting that cellular pH are not responsible to the effect of antisence oligonucleotide or antibody on cellular viability. The presence of receptor(s) for apoptosis on teh plasme membrenes.We have isolated and determined the V-ATPase from the plasma membrane of Thermus thermophilis and suceeded in showing the rotation of V-ATPase.We have looked into the new inhibitors against V-ATPase in nude mice, if these substances inhibited the growth of tumors.研究課題/領域番号:14370741, 研究期間(年度):2002-2003出典:「V-ATPase阻害剤とpHと細胞増殖阻害」研究成果報告書 課題番号14370741(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))   本文データは著者版報告書より作

    V-ATPase 阻害剤をリード化合物とする細胞死誘導型新規制癌剤の探索

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    本研究では,バフィロマイシン類やプロジギオシン類等の、空胞系プロトンポンプ(V-ATPase)を阻害する物質による,細胞の増殖阻害、分化・アポトーシスの誘導機構等を明らかにするともに、細胞増殖阻害と分化・死誘導に必須な構造、並びにプロトン輸送阻害機構の解明を目指している。先ず、バフィロマイシン類は神経突起伸展(NOG)とともにアポトーシスを誘導するが、情報伝達経路は両反応で異なっており、両反応とも新たなRNA合成及び蛋白質合成を必要とし、MAPキナーゼ/セリン・スレオニンフォスファターゼ、チロシンキナーゼに依存し、一方K-252a阻害されず、A-キナーゼに非依存性であるが、アポトーシス誘導はチロシンホスファターゼ、アラキドン酸カスケード、カルモジュリンキナーゼ等に非依存性である点で、NOG誘導と異なっていた。しかし、in vivoでは空胞系プロトン・ポンプを阻害するプロジギオシンや、tambjamineグループのBE-18591もH^+/Cl^-シンポート活性を示し、かつNOGやアポトーシス誘導活性があるが、H^+/Cl^-シンポート活性で一律に説明することは出来なかった。と言うのは、H^+/Cl^- symporter活性を示すtetrapyrroleは、増殖阻害・細胞死誘導作用はあるがNOG作用は示さなかったからである。また、V-ATPase阻害剤によるPC12細胞のNOG、アポトーシス誘導、細胞増殖阻害活性等にpHは関係していない。というのは、NOG誘導活性のないデストラキシンBもデストラキシンEと同様にリソソームのpHを上昇させるからである。なお、プロジギオシンもヌードマウスに移植した癌細胞の増殖を抑制する。一方、バフィロマイシン類は移植血管細胞の増殖をも阻害することを発見した。このことは、動脈硬化発現にプロトン・ポンプが関係していることを示唆しており、興味深い。一方、真性細菌である高度好熱菌V-ATPaseの遺伝子を同定することが出来た。operon構造を取ってい研究しやすいので、今後、この系を使ってV-ATPaseのプロトン輸送機構等を明らかにしたいと考えている。現在、V-ATPaseの回転について検討中である、なお、プロトン・ポンプ阻害活性のある「コンカナマイシン結合フォトアフィニティープローブ」の作成についに成功した。コンカナマイシン結合タンパク質の同定が可能になったので、今後、同じ原理で「コンカナマイシン結合アクリルアミド結合体」等を合成し細胞内に入らないことを確認した上で、細胞膜に作用してこのような効果が出るのか否かを確認したい。なお、プロジギオシン類はブタ胃粘膜の(H^+-K^+)ATPaeのプロトン・ポンプ活性をも可逆的に阻害することを発見している。In this project, we have investigated the mechanism of incuction of neurite outgrowth (NOG), cell differentiation, growth inhibiton and apoptosis by inhibitors against V-ATPases, such as bafilomycin, concanamycins and prodigiosins, and the mechanism of proton transport in V-ATPases.We found that (1) V-ATPase inhibitors like bafilomycin induced apoptosis and NOG in new RNA-, protein-syntheses, and serine/threonine kinase-dependent mannaer, and K-252a- or A-kinase-independent manner, but they are different from each other : apoptosis-induction is different from NOG-induction in its insensitivitiy in tyrosin-phosphatase, arachidonate-cascade or Calmodulin-kinase independent manner, (2) apoptosis and NOG are also induced by prodigiosins but they are not induced by its H^+/Cl^- symporting activities, and (3) apoptosis or NOG is not induced by pH-differences between inside and outside of cells, because they are not induced by NH_4Cl, (4) We have succeeded in the synsesis of concanamycin A-photoaffinity probes active in V-ATPase-inhibition. (5) Prodigiosins are H^+/Cl^- symporters that uncoupled ATPases like F-, V-, P-ATPase and electron transport activity, in which prodigiosins inhibited proton-transport but no ATP hydrolysis (or electron transport) activiteis. Prodigiosins also strongly and reversibly uncoupled (H^+/K^+) ATPase-dependent proton-translocation from hog gastric mucosa. (6) We have succeeded in the cloning, proton-pump dependent ATP synthesis, and determation of operon structure of V-ATPase from a eubacterium (Thermus termophilus).研究課題/領域番号:10557221, 研究期間(年度):1998-2000出典:「V-ATPase 阻害剤をリード化合物とする細胞死誘導型新規制癌剤の探索」研究成果報告書 課題番号10557221(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))   本文データは著者版報告書より作

    V-ATPase阻害剤による新規制癌機構と治療戦略

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    金沢大学理工研究域本研究では、V-ATPaseの選択的阻害剤であるバフィロマイシンと比較しつつ、H^+/Cl^-シンポーターであるプロジギオシン類のプロトン輸送阻害機構と細胞増殖阻害・細胞死誘導機構、癌抑制機構を明らかにし、ひいては理想的制癌剤の開発を目指した。その結果、(1)プロジギオシン類(タンビャミン類を含む)は、そのH^+/C1^-シンポート活性により各種プロトンポンプを脱共役するが、その活性発現には最低2個のピロール環の存在が必須であることが明らかになった。しかし、プロジギオシンより強力な新たなH^+/Cl^-シンポーターは見い出されなかった。(2)H^+/Cl^-シンポーターはリソソームのpHを上昇させ、細胞質のpHを低下させた。(3)しかし、細胞質pHの低下が細胞増殖抑制・細胞死の原因である可能性は、その作用が弱塩基で阻害されないことから否定的である。(4)バフィロマイシン同様、ブロジギオシン類も神経突起伸展(NOG)・アポトーシスを誘導するが、NOG誘導とアポトーシス誘導の情報伝達経路は両反応で異なっていることが判明した。即ち、両反応とも新たなRNA及び蛋白質合成を必要とし、K-252aやA-キナーゼ非依存性、MAPキナーゼ依存性であるが、セリン-スレオニンホスファターゼ、チロシンキナーゼ、チロシンホスファターゼに非依存性である点で、アポトーシス誘導はNOG誘導と異なっている。(5)細胞死は、カスパーゼ3/9の支配下にあり、ミトコンドリアからのシトクロームc放出を伴うことが明らかとなった。(6)バフィロマイシン結合蛋白質同定用のアフィニティープローブは作成の基本条件が確立され、ジアジリン誘導体の作成をするばかりとなった。(7)プロジギオシン類やそれ以外のH^+/Cl^-シンポーター類もヌードマウスに移植した膵癌細胞の増殖を抑制しアポトーシスを誘導した。(8)高度好熱菌V-ATPaseの再構成に成功し、ATP加水分解・プロトン輸送とATP合成との関係を明らかにした。研究課題/領域番号:11140226, 研究期間(年度):1999出典:「V-ATPase阻害剤による新規制癌機構と治療戦略」研究成果報告書 課題番号11140226(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-11140226/)を加工して作

    新規H^+/Cl^-シンポーターによるオートファジー・アポトーシス制御機構

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    本研究は、新規H^+/CΓシンポーターであるプロジギオシン類のアポトーシス誘導機構解明に当たり、これまで殆ど注目されてこなかったオートファジーの役割を、体細胞遺伝学的・分子生物学的に明らかにしようとした。先ず、(1)プロジギオシン類のアポトーシス誘導機構を、オートファジーに注目して解明、動物細胞オートファジー関連遺伝子の同定を目指し、(2)CHO細胞を用いてオートファジー突然変異体を単離、(3)酵母オートファジー関連遺伝子の動物細胞ホモローグを単離、(4)オートファジーに伴って発現量の変動する遺伝子・蛋白資を同定。動物細胞オートファジー関連遺伝子が単離された暁には、(5)アポトーシスに伴うオートファジー関連遺伝子の動態を解明、(6)アポトーシスにおけるオートファジー関連遺伝子機能を、トランスフェクタント(ドミナント・ネガティブ体の強制発現等を含む)作成を通じて解明。平行して、(7)各種癌細胞に対する、H^+/Γシンポーターのアボトーシス誘導型制癌剤の可能性を追及、した。先ず、オルガネラをGFP標識したCHO細胞を用いて、Wortmannin,3-methyladenine他の各種選択的阻害剤を用いて解明する系を確立した。次に"プロジギオシン類H^+/CΓシンポーターの、オートファジー・アポトーシス制御における働きを、オルガネラをGFP標識したCHO細胞を用いて、蛍光を指標として生化学的・細胞生物学的に解析した。同時に、細胞内pH測定を通じて、H^+/Cγシンポーターのどのような活性が関与するかを解析した。その結果、PC12細胞の分化誘導とアポトーシス誘導にはオートファジー自体は関与していないことが示唆された(日本薬学会発表)。また、体細胞分子遺伝学的にオートファジー変異体の単離を目指して、CHO細胞を用いて実験系を確立した。今後、(毒素等を利用した)細胞生存率と、強制発現させたGFP蛋白質の分解異常を指標とし、フローサイトメトリー・セルソーター法を主に使い、動物細胞のオートファジー変異体を選択したい。リソソーム膜融合反応に必要なシンタキシン・ホモローグの単離・同定には成功しているが、それがオートファゴソームとリソソームの膜融合に必須であるか否かは決定出来ていない。酵母遺伝子のヒトホモログ釣りは成功し、オルガネラをGFP標識したCHO細胞を用いてドミナントネガテイブ体を作成し、その遺伝子産物の動物細胞オートファジーにおける役割を解明した(投稿準備中)。また、一次元・二次元電気泳動法等を用いて、オートファジーに伴い量的に変動する蛋白質を単離・同定。現在、各種処理で誘導されるタンパク質に差を見い出している(投稿準備中)。更に、種々の合成化合物について、H^+/CΓシンポーターとして満たすべき構造を検討している。ヌードマウスに移植した膵癌由来細胞に対して、プロジギオシン類似体H^+/CΓシンポーターも制癌効果を示すことを見い出している(投稿準備中)。In this project, we have investigated the role of autophagy in the induction of neurite outgrowth (NOG), growth inhibition and apoptosis by a new type of H^+/CL^- symporting antibiotics like prodigiosins.We found the followings: (1) Prodigiosins, like bafilomycins, inhibited pancreatic cancer transplanted into nude mice. (2) Prodigiosins also induced apoptosis and NOG in RNA_-, protein-syntheses, and serine/threonine kinase-dependent manners, and K_-252_ or A_-kinase-independent manners, but induced apoptosis differently from NOG in its in-sensitivity to tyrosine phosphates inhibitors. (3) E-58591, a prodigiosin-like tambjamine antibiotics, also showed H^+/CL^- symport activity and strongly inhibited spleen cell immune responses, gastric acid secretion and inhibited osteoclastosis and induced NOG at higher concentrations. (4) We have succeeded in the synthesis of affinity probe for concanamycins (analogs of bafilomycins) and showed concanamycin-induced NOG from outside of plasma membranes. (5) 3-Methyladenine, and inhibitor against autophagy, did not induce apoptosis in the presence of serum, suggesting little participation of autophapy on the bafilomycin-induced apoptosis. (6) We isolated human-homologs of autophagy-related genes from HeLa cells. They showed cell death of CHO in the absence of amino acid- or serum-free medium. (7) We established a system to look into degradation of GFP-labeled organelles (mitochondria and peroxisomes). (8) We showed that apoptosis and NOG was not induced by pH-differences between inside and outside of cells, because they were not induced by NH_4Cl. (9) Prodigiosins also strongly and reversibly uncoupled (H^+/K^+) ATPase-dependent proton-translocation from rabbit gastric mucosa. (10) We have succeeded in the cloning, proton pump-dependent ATP synthesis, and determation of operon structure of V-ATPase from a eubact rium (Thermus termophilus).研究課題/領域番号:11470483, 研究期間(年度):1999-200

    V-ATPase 阻害剤による分化・細胞死誘導機構

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    我々は、細胞の増殖・分化・アポトーシスに対する空胞系酸性顆粒の寄与を,bafilomycin A_1の他、プロジギオシン類やデストラキシン等の空胞系プロトンポンプ阻害剤を用いて明らかにするとともに、これら阻害剤のプロトン輸送阻害機構の解明を目指した。その結果、(1)デストラキシンBとEは、ともにリソソームのプロトンポンプを阻害し、リソソーム内pHを上昇させたが、PC12細胞の分化誘導作用はデストラキシンEにのみ認められた。(2)プロジギオシン類は、そのH^+/Cl共輸送活性によりプロトンポンプを脱共役する、新規H^+/Cl symporterであることを初めて明らかにすることが出来た。また、(3)bafilomycin A_1同様、ブロジギオシン類も神経突起伸展(NOG)を誘導することを発見した。(4)そこで、両プロトンポンプ阻害剤によるNOG誘導作用の特徴を検討したところ、ともに新たなRNA及び蛋白質合成を必要とし、MAPキナーゼ、セリン・スレオニンホスファターゼ、チロシンキナーゼ、チロシンホスファターゼ、カルモジュリン、ホスフォリパーゼA_2依存性であるが、trkチロシンキナーゼやAキナーゼには非依存性である等、両情報伝達経路は酷似していることが判明した。(5)また、tambjamineグループのBE-18591もH^+/Cl symporter活性を示し、免疫抑制や、NOG・アボトーシス誘導作用を示すことを見い出した。(6)ところが、同じH^+/Cl symporterでも、tetrapyrroleは増殖阻害・細胞死誘導作用はあるがNOG作用は示さなかった。以上の結果より、pH変化やプロトンポンプ活性自身は、少なくともNOG誘導の直接の引き金にはなっていないと結論した。In this research project, we have studied the machanism of (1) inhibition of cell growth, (2) induction of cell differentiation, and (3) induction of apoptosis, by V-ATPase inhibitors like bafilomycins, prodigiosins and destruxins, as well as the mechanims of inhibition of proton translocation by these inhibitors.We found (1) that both destrauxin-B and -E inhibited lysosomal proton pump, but only destruxin-E induced induced neurite out growth (NOG) of PC12 cells., (2) that prodigisins uncoupled various proton pump activities due to their H ^+ /Cl symport activity, (3) that prodigiosins, like bafilomycin A ^ induced neurite out growth (NOG), and (4) that the prodigiosin-induced NOG, like bafolomycin-induced one, required de novo synthesis of new messenger RNA as well as protein synthesis, was sensitive to the inhibitors of MAP kinases, serine/threonine phosphatases, tyr-kinases, tyr-phosphatases, calmidulin and phospholipase A ^ but resistant to inhibitors of trk tyrosine kinase and protein kinase A.BE-18591, a tambjamine group antibiotics, also behaved as H ^+ /CU symporters and inhibited hog gastric proton pump, inhibit *cid secretion by gastric parietal cells, inhibited osteoclast differentiation, suppressed proliferation of immune lymphocytes, and induced both NOG and apoptosis, suggesting that the variety of biological activities displayed by these H ^+ /C1 symporters may be due to their H ^+ /C1 symport activity. However, tetrapyrrole, another H ^+ /CV symporter, did not induced NOG.From these results, we conclud that the effect of V-ATPase inhibitors on the intracellular pH does not participate in the variety of biological activities (including induction of NOG) displayed by these compounds.研究課題/領域番号:09672220, 研究期間(年度):1997-1998出典:「V-ATPase 阻害剤による分化・細胞死誘導機構」研究成果報告書 課題番号09672220 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))   本文データは著者版報告書より作

    V-ATPaseとがん治療

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    金沢大学医薬保健研究域薬学系我々はこれまで、増殖・癌化・分化・細胞死に対するV-ATPase阻害剤の寄与について、選択的阻害剤を用いて検討してきた。その結果、V-ATPaseの選択的阻害剤が各種細胞の増殖を阻害したり、分化や細胞死(アポトーシス)を誘導することを、PC12細胞やM1細胞を用いて明らかにして来た。更に、プロトン輸送のみを特異的に阻害するプロジギオシンが様々なプロトンポンプを脱共役するH^+/CΓシンポーターであること、しかし細胞に投与した場合は主として酸性穎粒に作用するらしいこと、V-ATPase阻害剤と同様に分化・細胞死誘導作用を示すことを明らかにして来た。本研究においては,(1)バフィロマイシン類やプロジギオシン類のプロトン輸送阻害機構、(2)それらの増殖阻害、分化・細胞死誘導機構、(3)V-ATPase阻害剤の癌細胞に対する選択毒性と機構を明らかにし、(4)構造活性相関から、癌細胞の選択的増殖阻害に必須な構造を明らかし、理想的制癌剤の有機合成開発を目指した。分化誘導・増殖阻害・細胞死誘導の各作用を、PC12細胞を中心に検討し、V-ATPase阻害活性及びpHとの相関を明らかにした。特にV-ATPase阻害剤として知られている薬物について検討したところ、分化誘導・増殖阻害・細胞死誘導の各作用とV-ATPase阻害活性及びpH上昇作用との間に相関の見られない場合があることが判明した。新規合成体に対しても上記作業を行ったが、H^+脱共役作用、増殖阻害・細胞死誘導を示すものはあったが、分化・誘導作用を示すものは殆ど見られなかった。その他種々の理由から、阻害剤は細胞内酸性顆粒のV-ATPase自体に作用するよりは、むしろ細胞膜上の阻害剤受容体に作用して分化細胞死誘導を引き起こしている可能性が高くなった。そこで、コンカナマイシン[バフィロマイシン類似体]のビオチン誘導体を作成し、細胞内に入らないストレプタビジン・ビーズと結合させ、PC12細胞に作用させたところ、分化誘導とアポトーシス誘導とが観察された。コンカナマイシンが細胞膜に作用していることを示す初めての例である。ジアジリン誘導体を用いて検討したところ、コンカナマイシンは細胞膜上のV-ATPase以外の物質とも作用することが明かとなった(投稿準備中)。また、高度高熱菌より高純度に精製したVoV1-ATPaseを用いて、遺伝子変異手法等を用いて、プロトン輸送機構を明かとした。既に他の目的で合成した化合物中(インドール化合物やビピロール誘導体)にH+脱共役作用のあること、しかしH^+/CΓ共輸送活性は弱いことが判明した。16kDaproteolipidの高発現の普遍性について、他の癌腫を用いて分子生物・生化学・免疫組織化学的に検討したところ、ヒト大腸癌細胞の他、ヒト動脈硬化モデル細胞にもその傾向があることが判明した。さらに、ヒト動脈硬化モデル細胞やHaLa細胞では、特にVo部分の形成部分が細胞増殖に特に関係していることが明かとなった(投稿準備中)。また、ヌードマウスに移植したヒト癌由来細胞の増殖抑制を指標として検討した結果、各種V-ATPase阻害剤が制癌効果を有することが明かとなった(投稿準備中)。しかし、構造-活性相関から制癌作用に必要な構造を明らかにするところまでは出来ていない。研究課題/領域番号:13218049, 研究期間(年度):2001出典:「V-ATPaseとがん治療」研究成果報告書 課題番号13218049(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-13218049/)を加工して作

    V-ATPaseとがん治療

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    Bafilomycin耐性細胞においてもbafilomycinでリソソームのpHが上昇し、prodigiosin類で細胞死(アポトーシス)がおきること等から、酸性顆粒のpH上昇によって細胞細胞増殖阻害・細胞死が誘導されているのではないこと、また、これらの耐性細胞もconcanamycin類に感受性であること等から、bafilomycinとconcanamycin類とは異なる部位で作用していることを発見した。また、concanamycin類がPC12細胞の外から細胞膜に作用して神経突起様突起を延ばしアポトーシスを引き起こしている可能性を明らかにした。次に、diazirineを結合したphotoaffinitv誘導体を利用して、細胞膜上のconcanamycin類結合物質を同定する(V-ATPase阻害活性を殆ど低下させないConcanamycin類のphotoaffinity試薬を作することに成功)。単離したV-ATPaseでは16kDaのタンパク質に結合するが、細胞ではそれ以外のタンパクにも作用するようである。更に、アンチセンス・オリゴの効果をVo (16kDa、21kDa)とV1(70kDa)とで比較し、Voのみ有効であることを発見した。また、類似の細胞増殖阻害作用がVoに対する抗体で観察された(抗体による細胞死はアポトーシス)。更にヒトV-ATPaseサブユニットのアンチセンス・オリヌクレオチドゴの効果をVoを構成するプロテオリピドとV1を構成するサブユニットとで比較した。その結果、プロテオリピドを構成するサブユニットのみ細胞増殖を阻害し細胞死を誘導することを見い出した。また、高度高熱菌より高純度に精製したV1-ATPaseが回転していることを示す証拠を得た。また、ヌードマウスに移植した膵癌由来細胞の増殖抑制を指標として、V-ATPase阻害剤の制癌効果を検討した。Even in bafilomycin-resistant cells, lysosomal pH was increased by bafilomycins, ammonia or chloroquine, and prodigiosins indeced apoptosis. These cells were sensitive to concanamycins, suggesting the binding site(s) these componds are different from each other. Bafilomycins adn concanamacyns act on the cells from outside plasma membrane from theresults that membrane-impermeable concaamycins also induced neurite-outgrowth and apoptosis. Photoaffinity labelling suggested the presence of other protein(s) than 16kDa proteolipid subunit of V-ATPase.Results with antisence-oligonucleotide against V-ATPase subunits suggested that Vo proteolipids but not V1 subunit inhibited the cell growth and induced cell death(necrosis). Similar inhibitin of cell growth was observed by antibodies against V-ATPase subunits. The cells are dead through apoptosis. These results are not affected by te presence of imidazole and ammonia, suggesting that cellular pH are not responsible to the effect of antisence oligonucleotide or antibody on cellular viability. The presence of receptor(s) for apoptosis on teh plasme membrenes.We have isolated and determined the V-ATPase from the plasma membrane of Thermus thermophilis and suceeded in showing the rotation of V-ATPase.We have looked into the new inhibitors against V-ATPase in nude mice, if these substances inhibited the growth of tumors.研究課題/領域番号:14370741, 研究期間(年度):2002-2003出典:「V-ATPaseとがん治療」研究成果報告書 課題番号14370741(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))   本文データは著者版報告書より作

    空胞系プロトンポンプ阻害剤による細胞分化誘導機構の解析

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    金沢大学医学部我々は、空胞系酸性顆粒が細胞の増殖と分化に対して如何なる寄与をしているかについて,選択的阻害剤を利用して検討してきた。本研究においては,特にbafilomycin A_1に代表される空胞系プロトンポンプ阻害剤による,細胞増殖阻害・細胞死誘導作用と細胞分化誘導機構を明らかにするとともに,癌細胞の増殖を阻害し,細胞の分化を誘導する化合物として必要な構造を検索することを目指した.現在までのところ、両反応は極めて類似した受容体構造を介しているが、細胞分化は細胞膜上の受容体を介しており、リソソームのpHは恐らく関与しない点で、増殖阻害・細胞死の誘導と異なっていることが判明した。空胞系プロトンポンプ阻害剤が,果してH^+ATPase(あるいは類似の)活性の阻害を通じて分化誘導活性を発現しているのか極めて重要で且つ興味深い点である.これを明らかにする一環として,アフィニティーカラムや新たにアフィニティー標識ブローブを作製して阻害剤結合蛋白質の同定を試みたが、残念ながら、今回、結論を得るのに十分な特性を有するプローブを作成することはできなかった。また、空胞系プロトンポンプ阻害剤による細胞の分化誘導機構における各種情報伝達カスケードの関与を,蛋白質質リン酸化と脱リン酸化酵素を中心に検討した結果、NGF等による分化誘導剤では見逃されていた未知のカスケードの存在することを明らかにすることができた。一方、細胞の増殖阻害・細胞死の誘導は、細胞質のpHではなくリソソームなどの酸性顆粒のpHが確かに引き金となっていること、空胞系プロトンポンプ阻害剤だけでなく、塩化アンモニウムや酸性イオノフォアでも引き起こされること、新たな蛋白合成を必要とする反応が含まれ、分化誘導と類似した蛋白質のリン酸化や脱リン酸化反応も必要とされること、等を明らかにすることができた。研究課題/領域番号:07680765, 研究期間(年度):1995出典:研究課題「空胞系プロトンポンプ阻害剤による細胞分化誘導機構の解析」課題番号07680765(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-07680765/)を加工して作
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