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    看護学生による実習指導者評価の変化に影響する要因

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    看護学生による実習指導者(看護師)評価について経年的に調査した結果から評価に影響する要因を分析した.2013年度および2014年度開講の成人看護学実習Ⅰを履修した266名を調査対象とし,指導者評価にはEffective Clinical Teaching Behaviors(以下,ECTBという)評価スケールを用いた.2014年度の指導者評価は2013年度と比較し43項目中37項目が低下し,実習部署別ではA病棟で全項目が低下し,C病棟で42項目が上昇した.A病棟では学生の緊張状態が続き主体的にケアへの参加や看護師との関わりがもてず,看護師からの指導を肯定的に捉えにくかった.一方,C病棟ではケアへの参加の機会が多く,学生はケアを通し自身の看護を考え,さらに指導者による模範的,かつ統合的な働きかけを受けたことで効果的な指導であると捉えていることが伺えた

    看護学臨地実習におけるインシデント・アクシデント調査報告 : 事故防止に対する教育方法の検討

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    本研究では,看護学生の臨地実習におけるインシデント・アクシデントの実態を調査し,その発生の傾向を把握することを目的とした.看護系短期大学の2年課程1校の看護学生168名に対し,各専門分野における看護学臨地実習(以下,臨地実習と略す)終了後に,現在の実習状況,発生の背景,今後の事故防止策からなるインシデント・アクシデント調査を実施した.そして,報告のあった138件の統計的処理の結果,看護学生の臨地実習におけるインシデント・アクシデントの発生には,夏季休業を境とする実習時期,成人急性期看護学実習および母性看護学実習の実習領域が関係していることが示された.その発生内容には身体的影響が最も多く,次いで報告・連絡に関するもの,紛失・破損に関するものの順であった.そして,それらを引き起こす学生側の原因には,学生の記憶系や知覚系が多く関与している可能性が示された.この結果から,看護学生の臨地実習における事故防止対策を効果的に行うためには,実習時期,実習の専門分野,学生の関わる可能性の高い看護技術を念頭におき,個々の学生の経験を理解した上で,安全に対する教育方法を検討することの必要性が示唆された

    看護学生の臨地実習前の感染予防対策 : 麻疹,風疹,流行性耳下腺炎,水痘の10年間の抗体価の推移から

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    川崎医療短期大学看護科(3年課程)では,看護学臨地実習前の感染予防対策として,1998年から麻疹,風疹,流行性耳下腺炎,水痘の抗体価検査を実施し,抗体価の低い学生にはワクチン接種の勧奨を行っている.これら4種の感染症について,1998~2007年度大学生の10年間の抗体保有状況や抗体価の推移を分析した.さらに2005~2007年度大学生の入学前の予防接種の有無を調査した.そして現在の抗体保有状況の傾向と今後の予防対策について検討した.その結果,4種感染症の抗体陽性率は減少傾向を示し,水痘以外の抗体価は有意な変化を認めた.また以前から言われていた,予防接種後抗体陰性となるワクチン効果不全(vaccine failure)の問題を認めた.今回の調査でvaccine failureは,麻疹2.1%,風疹6.7%,ムンプス7.1%,水痘4.1%であった.そして,入学前の予防接種の有無を母子手帳で確認するよう説明したが不明者が多く,母子手帳の確認だけでは,抗体保有を確定することはできなかった.以上のことから,臨地実習前には必ず抗体価検査を行い抗体陰性者にワクチン接種を行なう必要性があることが示唆された
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