8 research outputs found
Contribution of the Runx1 transcription factor to axonal pathfinding and muscle innervation by hypoglossal motoneurons
The runt-related transcription factor Runx1 contributes to cell type specification and axonal targeting projections of the nociceptive dorsal root ganglion neurons. Runx1 is also expressed in the central nervous system, but little is known of its functions in brain development. At mouse embryonic day (E) 17.5, Runx1-positive neurons were detected in the ventrocaudal subdivision of the hypoglossal nucleus. Runx1-positive neurons lacked calcitonin gene-related peptide (CGRP) expression, whereas Runx1-negative neurons expressed CGRP. Expression of CGRP was not changed in Runx1-deficient mice at E17.5, suggesting that Runx1 alone does not suppress CGRP expression. Hypoglossal axon projections to the intrinsic vertical (V) and transverse (T) tongue muscles were sparser in Runx1-deficient mice at E17.5 compared to age-matched wild-type littermates. Concomitantly, vesicular acetylcholine transporter-positive axon terminals and acetylcholine receptor clusters were less dense in the V and T tongue muscles of Runx1-deficient mice. These abnormalities in axonal projection were not caused by a reduction in the total number hypoglossal neurons, failed synaptogenesis, or tongue muscles deficits. Our results implicate Runx1 in the targeting of ventrocaudal hypoglossal axons to specific tongue muscles. However, Runx1 deficiency did not alter neuronal survival or the expression of multiple motoneuron markers as in other neuronal populations. Thus, Runx1 appears to have distinct developmental functions in different brain regions
Neurogenesis in the dentate gyrus of the rat hippocampus enhanced by tickling stimulation with positive emotion
Hippocampal neurogenesis is influenced by many factors. In this study, we examined the effect of tactile stimulation (tickling), which induced positive emotion, on neurogenesis in the dentate gyrus (DG) of the hippocampus. Four week-old rats were tickled for 5 min/day on 5 consecutive days and received 5-bromo-2′-deoxyuridine (BrdU) administration for 4 days from the second tickling day. Then they were allowed to survive for 18 h or 3 weeks after the end of BrdU treatment. Neurogenesis in the DG was compared between the tickled and untickled rats by using immunohistochemistry with anti-BrdU antibody. The result showed that the number of BrdU- and NeuN (neural cell marker)-double positive neurons on 18 h as well as 3 weeks of the survival periods was significantly increased in the tickled group as compared with the untickled group. The expression of mRNA of brain-derived neurotrophic factor (BDNF) in the hippocampus of the tickled rats was not altered when compared with the control rats. In conclusion, tickling stimulation which induces positive emotion may affect the generation and survival of new neurons of the DG through the BDNF-independent pathway
Proteins of the CNR, Cadherin-Related NeuronalReceptor,Family Play Crucial Roles in MouseCortical Cell Layer Formation
彼は本研究でマウス大脳皮質層構造形成過程においてCNRファミリーがReelin受容体として機能している新たな分子機構を明らかにした。 大脳皮質層構造形成機構に関与する分子として、これまでにReelinとmDab1が突然変異マウスである reeler及びscramblerマウスの解析により明らかにされている。ReelinはCajal-Retzius細胞より分泌される細胞外分子であり。mDab1は皮質神経細胞で発現する細胞内情報伝達物質である。また、Reelin依存的に皮質神経細胞のmDab1のチロシンリン酸化がおこることが知られていることより、Cajal-Retzius 細胞から分泌されたReelinが皮質神経細胞のReelin受容体を介してmDab1のチロシンリン酸化をおこし、皮質神経細胞の層構造形成に関与していることが示唆されている。このReelin受容体の解明が大脳皮質層構造形成の分子機構を考える上で必須でありながら、これまで、Reelinの受容体は明らかではなかった。CNRはチロシンリン酸化酵素Fynとの結合活性により単離・同定された新規力ドヘリン様膜分子であり、マウス神経系に発現が認められ、シナプス部位に局在する多様性を持った分子群(CNRファミリ ー)であることがこれまでに明らかにされている。 本研究では、CNRファミリーと結合するFynを欠損したマウスでの大脳皮質及び海馬の層構造形成異常、FynがmDab1のチロシン残基をリン酸化するとの報告より、CNRファミリーがReelinの受容体分子であると仮説をたて検証を行った。 その結果、以下のことが明らかとなった。1)胎生期におけるCNRファミリーmRNAの発現様式をin situハイブリダイゼーション法により解析した結果、CNRファミリーmRNAはそれぞれ大脳皮質形成過程のcorticalplateにおいて強い発現が認められた。この結果は、大脳皮質層構造形成過程においてCNRファミリーがReelinの受容体分子として機能する可能性を示唆した。 2)CNR1とReelinの結合性をそれぞれの融合蛋白質を用いて免疫沈降法により解析した結果、CNR1細胞外領域とReelinが特異的に結合することが明らかとなった。また、この結合状態を表面プラズモン共鳴装置を用いて解析した結果、結合部位が1ヶ所であること、KD値が1.7であることが明らかになった。 この1.7のKD値はリガンドとレセプターのKD値として妥当であり、CNR1がReelinの受容体である可能性が強く示唆された。 3)Reelinの部分融合蛋白質を作製し免疫沈降法によるCNR1結合部位の解析を行った結果、Reelinの 第1Reelin Repeat B領域がCNR1結合部位であることが明らかとなった。また、この領域はReelinの 機能阻害抗体であるCR - 50の認識部位とは異なる領域であった。しかし、ReelinとCNR1の結合性が CR - 50により阻害されたことより、CNR1がReelinの機能的な受容体であること、及び、ReelinのN 末側が複雑な蛋白質構造をとっていることが示唆された。 4)CNR1の部分融合蛋白質を作製し、免疫沈降法によりCNR1のReelin結合部位の解析を行った。その結果、CNR1のEC1領域でRGDモチーフを含む30アミノ酸配列がReelinとの結合に必要であることが明らかになった。また、このRGDモチーフをRGEに替えた融合蛋白質ではReelinとの結合性が認められないことから、結合にRGDモチーフが必要であることが示唆された。 5)Reelinとの結合に必要なCNR1のEC1領域の30アミノ酸配列はCNR1 - 8で、完全に保存されていた。このことは、CNR1 - 8全てがReelinと結合する可能性を示唆した。この可能性を検証したところ、 CNR1だけではなくCNR2、3もReelinの全長に対し結合性を示した。このことより、CNRファミリー はReelinに対する多重受容体であることが明らかになった。また、CNRと同様にカドヘリンモチーフを持つE - cadherinではReelinと結合しないことから、CNRファミリーのEC1領域がReelinに対して特異的結合性を持つことが明らかとなった。 6)Reelinと結合しているEC1領域のプローブでZoo blotを行ったところ、両生類で2本、は虫類で4本、鳥類で8本、哺乳類では20本のバンドが検出され、脳の進化にともないReelinと結合するCNR遺伝子の数が徐々に増えていることが明らかになった。 7)Reelinとの結合に必要なCNRの30アミノ酸配列に対するモノクローナル抗体(RBD抗体)を作製 し、ReelinとCNR1との結合性に対する影響を調べた結果、RBD抗体はReelinとの結合性を阻害する抗体であることが明らかになった。また、RBD抗体がReelin依存的におこる初代培養皮質神経細胞の mDab1のチロシンリン酸化を抑制したことより、Reelin依存的mDab1のチロシンリン酸化がCNRを介して引き起こされることが明らかとなり、皮質神経細胞に存在するCNRがReelinのmDab1リン酸化に関わる機能的受容体であることが明らかとなった。 8)RBD抗体の大脳皮質層構造形成への影響を調べるために、大脳皮質神経細胞の再凝集培養系を用いて観察した結果、RBD抗体は神経細胞の移動を阻害することが示された。このことより、CNRは大脳皮質層構造形成過程でReelinの受容体として機能するだけでなく、細胞移動過程に関与する可能性が示唆された。9)RBD抗体を用いた免疫染色法により、CNR蛋白質とReelin蛋白質の局在が一致することが明らかになった。また、正常マウスにおいてはCNR蛋白質は粒状のシグナルで観察されたが、Reelin蛋白質のないreelerマウスにおいては、粒状のシグナルが消え、染色が強くなった。このことから、CNRファミリー蛋白質とReelin蛋白質とが直接相互作用し、Reelin蛋白質の局在がCNR蛋白質の局在を規定している可能性が示唆された。 以上のことをまとめると、CNRファミリーは大脳皮質層構造形成過程においてReelinに対する多重受容体として存在し、ReelinのシグナルをmDab1へ伝えている膜分子群であることが明らかとなった。 また、陸棲脊椎動物の大脳皮質の進化の過程において層構造が徐々に増加していることがMarin- Padillaらの研究によって明らかとなっている。この層構造の増加とReelinと結合するCNR遺伝子の数の増加との関連性は今後の興味深いテーマであると考える