18 research outputs found

    日本語版攻撃的行動に対する態度尺度(J-ATAS)の信頼性と妥当性:日本の認知症ケアにおける適用可能性の検討

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     本研究では、ヨーロッパ5 カ国4 言語で信頼性と妥当性が検証されたthe Attitudes Towards Aggression Scale(ATAS)の日本語版(J-ATAS)を作成し、その信頼性と妥当性を検討し、本邦の認知症ケアにおける適用可能性について考察した。主成分分析の結果、J-ATAS は英語版の5 因子構造とはならず、3 因子構造を示した。また、内的整合性の評価では、第1 因子においては概ね良好な値が得られたが、 第2 因子では十分とは言えず、第3 因子に関しては低い結果しか得られなかった。さらに3 つの因子の相関パターンは、‘否定的態度’と‘肯定的態度’の2 つに分かれる可能性が示唆された。以上のことから、現段階におけるJ-ATAS は、ATAS の日本語版として本邦で活用するには、十分な信頼性・妥当性を有しているとは言えない結果となった。認知症の人の攻撃的行動に対する我が国のスタッフの態度を測定するには、J-ATAS およびその開発プロセスの課題を踏まえた新たな尺度を開発する必要がある

    設定事例を使用した訪問看護認定看護師による初回訪問時に療養者と関係を築くための言動とその意図

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     訪問看護認定看護師15 名を対象に、初回訪問において療養者と関係を築くために行っている言動とその意図を設定事例から明らかにすることを目的に、質的記述的研究を行った。対象者に設定した療養者の情報と住居図を提示し、療養者と関係を築くために語られた内容は、①自宅に到着するまでは【療養者の全体像を捉えるために事前に情報収集をする】など3 カテゴリ、②自宅に到着し療養者に対面するまでは【療養者の生活の全体像を把握するために屋内から現状を捉える】など2 カテゴリ、③療養者に対面した時は【療養者を知るために言動から心身の特徴を捉える】など7 カテゴリが抽出された。設定事例を使用した初回訪問では、訪問看護認定看護師は生活背景や住居情報をアセスメントし、療養者との会話や態度に活かすことで、関係を築こうとしていた。そして、さらなる関係構築に向け、看護師から思いが伝えられる雰囲気と場を作ろうとしていることが考えられた

    認知症高齢者グループホーム職員の看取り体験の思い

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    This study explored caregiver perceptions related to experiences of end-of-life (EOL) care at group homes (GH) for elderly people with dementia. A self-administered questionnaire was designed to elicit GH staff perceptions by asking what they feel about their EOL care experiences at GH. Eighty one participants shared their perspectives. Results were classified into seven categories, “Anxiety and tension related to EOL care,” “Regret and condolence,” “Response of care provided,” “Respect for deceased people,” “Pride in providing EOL care,” “Creative view of life and death,” and “Familial sense of loss,”. Although staff members who experienced EOL care felt imperfect, they were satisfied with the care they provided. Moreover, they had positive views in terms of EOL care experiences, which seemed to engender their personal growth. The study also revealed a distinctive view of EOL care in GH, where caregivers felt as if they had lost a family member when they confronted a resident’s death

    地域高齢者への死生観インタビューによる2年課程定時制に通う看護学生の高齢者の死生観の理解と活用

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     目的は、2年課程定時制に通う看護学生が、地域高齢者に対する死生観インタビューを通して、高齢者の死生観をどう理解し、死生観インタビューで得た学びをどう活用するのかを明らかにし、後の臨実習にどう役立てるのかについて考察することである。 死生観インタビュー前の学生の死生観アンケート、死生観インタビュー後に提出したグループの学びレポートを分析した質的記述的研究である。 2年課程定時制看護学生は、地域高齢者への死生観インタビューを通して、高齢者の【生に対する価値観】と【死に対する価値観】を理解した。また、学生は地域高齢者への死生観インタビューで得た学びを《自己の死生観の深まり》《人生の目的や目標》《人とのつながり》など自己の【死生観の深化に活用】することや《高齢者の理解》《死生観に対するアセスメントの実際》など【臨地実習に活用】することが本研究で示唆された

    初年次基礎教育科目における予習課題および復習、Google Classroom を使用した小テストの学生の実施状況および学生からの評価

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     初年次基礎教育科目「疾病治療概論」における予習課題、復習、Google Classroom を使用した小テストに対する評価を明らかにすることを目的として、A 大学の1 年生を対象にアンケート調査を行った。72 名より回答があり(回収率97.3%)、予習課題は授業内容の理解に役立ったかの質問には、“そう思う”が40.3%、“ややそう思う”が52.8%であった。復習は授業内容の理解に役立ったかの質問には、“そう思う”が61.4%、“ややそう思う”が38.6%であった。小テストは授業内容の理解に役立ったかの質問には、“そう思う”が56.3%、“ややそう思う”42.3%であり、今後の授業でもGoogle Classroom を使った小テストを希望する学生は65.3%であった。 web 経由でスマートフォンから手軽に解答できるツールは、授業内容の理解を高めることに有効であり、新型コロナウイルス感染症が流行している状況においても学習の継続に貢献できる可能性が示された

    本学看護学部「まちの保健室」に参加する地域住民の健康状態と健康行動

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     本学看護学部「まちの保健室」に参加する地域住民の基本属性や参加状況別にみた健康状態および健康行動を明らかにするため、2019 年7 月と8 月の参加者を対象に無記名自記式質問紙調査を行った。基本属性、「まちの保健室」参加状況と、健康状態や健康行動の関係について、Pearson のχ2 検定またはFisher の正確確率検定を用いて分析を行った。参加者の健康状態や健康行動は参加回数や目的等により異なり、健康指標の測定を目的に参加した人は健康のために気をつけていることがある割合やがん検診の受診率が低いこと等が明らかとなった。「まちの保健室」は住民の生活の場である地域で実施しており、自ら相談の場や医療機関、健診や検診にアクセスできない人にもアプローチできる場となっている。より多くの人が関心を持てるよう健康指標の測定等を行い、その後の健康相談により自身の健康に目を向けられる機会とする必要性が示唆された
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