23 research outputs found
シミュレーション教育を用いた基礎看護技術演習の評価
本研究はSPとシナリオを用いたシミュレーション教育における演習デザインの評価と満足度・自信度、具体的な学びの内容を学生の参加方法別に明らかにすることを目的とした。演習を受講した看護学部2年生85名を対象に、演習デザイン、満足度、自信度、参加方法に関する自記式質問紙調査と同時に演習後のレポートをテキストマイニングで分析した。演習デザインは『フィードバック/リフレクション』の評価が最も高く、『忠実度』、『問題解決過程の活用』が最も低かった。参加形態別の比較で有意差はなく、『目的の理解/情報提示』、『サポート』、『問題解決過程の活用』で有意に低いブースがあった。学生の満足度と自信度で参加方法による有意差はなかった。満足度と『忠実度』以外の演習デザイン(反映度)、自信度と全ての演習デザイン(反映度)に有意な正の相関がみられ、特に満足度と『問題解決過程の活用』r=0.55(p<0.001)、自信度と『サポート』r=0.52(p<0.001)に最も高い相関がみられた。学生の学びの内容は、「患者」に共起するカテゴリでは「不安・不快」「満足・安心」など患者の心情を推察した語が多く、「学生」に共起するカテゴリでは「困る、説明が悪い、不十分さ、改善策」などの実習場面で学生が気づくような内省に類した語が多く抽出された。カテゴリ間の関連からは、全てのブースで「患者、看護師、援助、足浴、説明、体勢」の関連がみられ、「言語的コミュニケーション、非言語的コミュニケーション」が直接または何かを介在して繋がっていた。コミュニケーションからの繋がりが「援助、説明、足浴」等の比較的単純なブースもあれば、「理由・根拠」、「学生- 改善策」などとも繋がっているブースもみられた。ブース間で捉えられた患者の状態や反応、学生の困難や不十分さ、改善策の発展性には相違がみられた
看護職者の大学での学びに関する教育的ニーズ
看護職者のキャリア育成における教育的ニーズを把握し,大学でのキャリア育成プログラムを構築する基礎資料を得ることを目的に面接調査ならびに質問紙調査を行った。面接調査で抽出された内容をもとに作成した質問紙調査を看護師,看護教員の所属する,80施設に311部配布し,回収率42.1%,有効回答率91.6%(120部)を得た。結果,大学への進学(編入)を56.7%が検討していた。進学が実現しなかった理由として,ライフイベント,経済的不安,仕事の継続優先,学習時間の確保困難などを挙げていた。進学を可能にする環境としては,通学時間,柔軟性のあるカリキュラム,職場の理解やサポート体制,大学の入試制度や履修期間の延長,教職員のサポート体制などが見出された。また50.0%以上の者が受講を希望した科目は,心理学,教育学,看護教育学,人材育成,プレゼンテーションスキル,看護技術のエビデンス,英語コミュニケーション,コーチングなどであった。以上のことから,看護職者の受け入れには,女性のライフイベントを考慮した支援や仕事を続けながら学習が継続できるような時間割の工夫,学びが職場に還元できるシステム作り,実学的な科目群の構成,さらには教職員の理解とサポートが必要であることが見出された
Juvenile Hemochromatosis: A Case Report and Review of the Literature
Juvenile hemochromatosis (JH), type 2A hemochromatosis, is a rare autosomal recessive disorder of systemic iron overload due to homozygous mutations of HJV (HFE2), which encodes hemojuvelin, an essential regulator of the hepcidin expression, causing liver fibrosis, diabetes, and heart failure before 30 years of age, often with fatal outcomes. We report two Japanese sisters of 37 and 52 years of age, with JH, who showed the same homozygous HJV I281T mutation and hepcidin deficiency and who both responded well to phlebotomy on an outpatient basis. When all reported cases of JH with homozygous HJV mutations in the relevant literature were reviewed, we found—for the first time—that JH developed in females and males at a ratio of 3:2, with no age difference in the two groups. Furthermore, we found that the age of onset of JH may depend on the types of HJV mutations. In comparison to patients with the most common G320V/G320V mutation, JH developed earlier in patients with L101P/L101P or R385X/R385X mutations and later in patients with I281T/I281T mutations
Studies on the Flower Pigments in Snapdragon, Antirrhinum majus L. : Effects of Light Control with the Various Covering Materials on the Anthocyanin Accumulation
In order to clarify the effect of restriction of solar rays on the anthocyanin accumulation in flower petals of snapdragon, whole or a part of plants was covered with various covering materials. Removal of ultraviolet light by covering the whole plant with some kind of UV-cut plastic film or FIRON did not affect on the anthocyanin content in flower petals. In covering the whole plant with various colored plastic films, the anthocyanin content was lowest under the green film and relatively high under the blue and the purple films. By covering either the flower spike or the leaves and stem except spike with cheesecloth the anthocyanin accumulation in petals was reduced, and the reduction effect was higher in covering the flower spike. The anthocyanin content in flower petals declined with the rise in the rate of shade of flower spikes, and the rate of decrease in the anthocyanin content depended on the cultivars.1.キンギョソウの植物体全体または一部を各種資材により被覆して太陽光を制限し,花弁のアン卜シアニン蓄積におよぼす影響をみた.2.紫外線カットオフフィルムおよびファイロンによる植物体全体の被覆では,花弁のアン卜シアニン蓄積量および新鮮重に対して,明らかな影響はみられなかった.3.着色フィルムによる植物体全体の被覆では,花弁の新鮮重の増大に対して,緑色および紫色フィルムの抑制効果は大であり,赤色,青色およびラジアントフィルムでは小であった.またアン卜シアニン蓄積量に対する抑制効果は,緑色フィルムが最も大きく,青色および紫色フィルムでは比較的小であった.4.花穂および花穂以外の茎葉をそれぞれ寒冷紗によって被覆したところ,花弁の新鮮重は花穂以外の茎葉の被覆によってより強く抑制された.しかし,花穂のみの被覆による抑制も明白であった.アン卜シアニン蓄積量は,花穂および花穂以外の被覆ともに抑制されたが,その効果は花穂のみの被覆の方がより強かった.5.数品種(系統を含む)のキンギョソウの花穂のみを寒冷紗(クレモナ#600)1枚,2枚,3枚およびアルミはくで被覆した実験では,花弁の新鮮重およびアン卜シアニン蓄積量ともに,遮光率を高めるに従って減少した.ただし,光度の減少に伴うアントシアニンの減少率は品種によって大きく異なった