ガイコクジン ケンシュウセイ ノ イブンカ テキオウ ニ カンスルジュウダンテキ ブンセキ

本研究の目的は、国際交流基金日本語国際センターの日本語教師長期研修プログラムに参加した外国人研修生の異文化適応の実態を明らかにすることである。平成10年10月、12月、平成11 年6月の3時点において質問紙調査を実施した結果、37名の有効回答が得られた。調査内容は、学習領域、心身健康領域、対人関係領域、日本文化領域、住居・経済領域の5領域への適応度および孤独感である。適応と調査時期との関係を検討するために、1要因分散分析を行った結果 、次の2点が明らかとなった。(1)領域(学習、日本文化、住居・経済)において時間的変化の効果 が認められた。(2)適応過程はU型のみならず正の直線型、負の直線型を示した。次に、研修生の(a)出身地域または(b)日本語レベル別に、適応と調査時期の関係を検討するために、それぞれ 2要因分散分析を行った。その結果 、(a)について、学習領域で出身地域の主効果がみられ、ヨーロッパ出身者が東および南アジア出身者よりも適応度が高いことがわかった。(b)については、次の3点が明らかになった。(1)学習領域で日本語クラスの主効果 がみられ、Aクラスの得点がCおよびDクラスの得点よりも高かった。(2)学習領域で調査時期の主効果 がみられ、全てのクラスがU型適応を示すことがわかった。(3)住居・経済領域で交互作用がみられ、単純主効果 を検討したところ、10月時点においてCクラスの適応得点が低いこと、AおよびBクラスが負の直線型適応を示すことがわかった。また(a) (b)ともに、(1)日本文化領域で時間の経過に伴い適応得点が上昇し、(2)住居・経済領域で時間の経過に伴い適応得点が減少した。以上の結果 から、次の3点が考察された。(1)異文化適応は領域により適応の過程が異なり、必ずしもU型曲線をたどるとは限らない。(2)個人の異文化適応状態は時間の経過とともに変化する。(3)時期に応じた援助内容を提供する必要がある。今後は、さらにデータを蓄積するとともに、研修生の心身健康状態の正確な理解方法の検討がのぞまれる

アジアケイ リュウガクセイ ノ ヒエンジョ シコウセイ ト シャカイ・シンリガクテキ ヨウイン ノ カンレン : コウカテキナ エンジョ ホウホウ ノ カイハツ オ メザシテ

この章では，本研究の背景として，留学生の援助の全体像を明らかにした。その結果，留学生の援助は，治療的な側面ばかりでなく，予防的なアプローチを含む幅広い領域，様々なヘルパーを巻き込んで実施されていた。このことから，留学生の援助を検討するためには，幅広い援助領域，様々なヘルパーを視野に入れる必要があることが明らかになった。 ...筑波大学博士 (心理学) 学位論文・平成13年5月31日授与 (乙第1737号

Human iPS cell-derived mural cells as an in vitro model of hereditary cerebral small vessel disease

認知症を生じる遺伝性脳小血管病CADASILのiPS細胞モデルで病態を試験管内で再現することに成功. 京都大学プレスリリース. 2020-03-27.Cerebral autosomal dominant arteriopathy with subcortical infarcts and leukoencephalopathy (CADASIL) is one of the most common forms of hereditary cerebral small vessel diseases and is caused by mutations in NOTCH3. Our group has previously reported incorporation of NOTCH3 extracellular domain (N3ECD) in the CADASIL-specific granular osmiophilic materials and increase of PDGFRβ immunoreactivity in CADASIL postmortem brains. Here, we aimed to establish an in vitro model of CADASIL, which can recapitulate those CADASIL phenotypes, using induced pluripotent stem cells (iPSCs). We have refined a differentiation protocol of endothelial cells to obtain mature mural cells (MCs) with their characteristic properties. iPSCs from three CADASIL patients with p.Arg182Cys, p.Arg141Cys and p.Cys106Arg mutations were differentiated into MCs and their functional and molecular profiles were compared. The differentiated CADASIL MCs recapitulated pathogenic changes reported previously: increased PDGFRβ and abnormal structure/distribution of filamentous actin network, as well as N3ECD/LTBP-1/HtrA1-immunopositive deposits. Migration rate of CADASIL MCs was enhanced but suppressed by knockdown of NOTCH3 or PDGFRB. CADASIL MCs showed altered reactivity to PDGF-BB. Patient-derived MCs can recapitulate CADASIL pathology and are therefore useful in understanding the pathogenesis and developing potential treatment strategies