52 research outputs found
ストーカー キセイ ホウ ノ カイセイ ニツイテ
本稿は、桶川女子大生ストーカー殺人事件を契機として制定された、いわゆるストーカー規制法の制定の経緯、そして、その後に発生した逗子ストーカー殺人事件や小金井ストーカー殺人未遂事件によって改正されたストーカー規制法について論じたものである。第一次改正の要点は、①電子メールの連続送信行為の規制、②被害者の住所地だけでなく、加害者の住所地などの警察も警告や禁止命令を出せるようにした、③警察が警告を出したら被害者に知らせ、警告しない場合は理由を書面で通知するである。また、第二次改正の要点は、①罰則の強化、②職務関係者によるストーカー行為の相手方への安全確保及び秘密保持の配慮、③禁止命令の手続きの迅速化、④ SNS 等の行為(電子メールの送信等)を規制対象としたのであり、2021年の第三次改正が最も新しい改正である。本稿はこれらの改正について分析・比較検討したものであり、これらの改正によってかなりの問題は解決されたように見えるが、今後も、新たなストーカー行為等の事案が出てくるものと思われる。その際には、「ストーカー行為は人権侵害である」という前提に立って対応することが、何よりも求められると言える
The Subaru FMOS Galaxy Redshift Survey (FastSound). II. The Emission Line Catalog and Properties of Emission Line Galaxies
We present basic properties of 3,300 emission line galaxies detected by
the FastSound survey, which are mostly H emitters at 1.2-1.5
in the total area of about 20 deg, with the H flux sensitivity
limit of at 4.5 sigma. This
paper presents the catalogs of the FastSound emission lines and galaxies, which
will be open to the public in the near future. We also present basic properties
of typical FastSound H emitters, which have H luminosities of
- erg/s, SFRs of 20--500 /yr, and stellar masses
of -- . The 3D distribution maps for the four
fields of CFHTLS W1--4 are presented, clearly showing large scale clustering of
galaxies at the scale of 100--600 comoving Mpc. Based on 1,105 galaxies
with detections of multiple emission lines, we estimate that contamination of
non-H lines is about 4% in the single-line emission galaxies, which are
mostly [OIII]5007. This contamination fraction is also confirmed by
the stacked spectrum of all the FastSound spectra, in which H,
[NII]6548,6583, [SII]6717, 6731, and
[OI]6300,6364 are seen.Comment: 17 pages, 15 figures, accepted for publication in PAS
都市システムからみた茨城県における土浦市の中心性とその変容
本稿は,都市機能移転に関わる現状把握のために,地方中枢都市の代表である茨城県土浦市を事例に,多様な指標をもとに地方中枢都市の中心性とその変容を明らかにすることを目的とした.分析に際しては,購買,通勤・通学,転入・転出,入院の4指標における市町村間流動のデータを用い,2000年,2007年,2014年間の比較を行った.まず購買指標では,土浦市の中心性は一度低下した後,回復がみられた.次に通勤・通学指標では,中心性は低下した.そして転入・転出指標では,土浦市に隣接するつくば市の台頭が大きいものの,土浦市は一定の中心性を維持していた.これは入院指標でも同様であり,つくば市が台頭した一方で,土浦市も中心性を有していた.これらをまとめると,茨城県全域における土浦市の中心性は,つくば市の相対的な優位性向上による低下がみられる一方で,以前から強い中心性を有していた市町村に対しては現在でも中心性を維持していたことが明らかになった
The effects of perilla seed oil ointment for atopic dermatitis
近年アトピー性皮膚炎が増加しており,工ゴマ油を使った食事療法がアレルギー抑制に有用であることが報告されている。そこで今回,エゴマ油を外用剤として使用するため,亜鉛華単軟膏を基剤とした工コマ軟膏を作製し,アトピー性皮膚炎患者3例を対象にその臨床応用を試みた。その結果,掻痒感の軽減に効果がみられ,また皮膚症状では,丘疹.表皮剥離,苔癬化,落屑などの所見が改善される傾向が見られた。The perilla seed oil contains rich α-linolenic acid (α-LNA), parent n-3 fatty acid. The dietary intake of n-3 fatty acid, such as perilla seed oil, has been reported to have some clinical effects in patients with allergic disease. In this report, we prepared the perilla seed oil ointment for atopic dermatitis and the effects of the ointment was evaluated in three patients with atopic dermatitis. This ointment suppressed skin itch, and improved papules, excoriation, lichenification and desquamation of the skin. These results suggest that the perilla seed oil ointment has some effectiveness including suppression of inflammatory changes of the skin in patients with atopic dermatitis
Approaches to suicide prevention: Ideas and models presented by Japanese and international early career psychiatrists
Peer Reviewedhttps://deepblue.lib.umich.edu/bitstream/2027.42/146308/1/pcn12737.pdfhttps://deepblue.lib.umich.edu/bitstream/2027.42/146308/2/pcn12737_am.pd
漁業・レジャーからみた霞ヶ浦における湖面利用の変容
本研究の目的は,主として漁業・レジャーから,霞ヶ浦における湖面利用の変容を明らかにすることである.霞ヶ浦では,高度経済成長期以降の都市化に伴い,工業用水の確保や災害対策を目的として,常陸川水門建設や堤防建設が霞ヶ浦総合開発の一環として進められた.水門建設を契機とした淡水化や周辺経済の成長により,収益性のより高い一般漁業や養殖漁業へと転換がはかられた.また,舟運や湖水浴といった地域住民を中心とした湖面利用は,高度経済成長期の余暇活動の拡大に伴うレジャー拡大により,都市住民を含めた広域的な利用者を含むものへと拡大した.さらに,2000年以降のコイヘルペスウイルスや東日本大震災は,漁業やレジャーへ大きな影響を及ぼした.しかし,地域住民や行政によるアオコ対策など,積極的な環境対策運動が功を奏し,漁獲量は一定数回復した.結果的に,一部の養殖漁家や水産加工業者は地域内外で安定した供給先を確保することにより事業を維持,拡大している.他方,レジャー産業においては霞ヶ浦の広大な湖面を活用した湖上教育や水上飛行といった新たな局面がみられた
将来推計人口に基づいた下水道事業の持続可能性の検討
我が国では水質汚濁の改善のため,水質汚濁防止法等の法整備とともに下水道や浄化槽等の整備・普及を進めてきた。これらの汚水処理施設の多くは人口増加・経済成長を前提に計画されたが,現在は人口減少・経済低成長へと転換したため,将来的な維持費の確保やインフラ設備の規模の見直し等が重要な課題となっている。そのため効率的な汚水処理施設の維持管理に向けて,将来の人口予測および広域共同化を視野に入れた事業計画の策定が取り組まれている。汚水処理施設の中でも流域下水道は複数の自治体をまたぐため,広域化をより推し進められる対象だと考え,本研究では日本全国の流域下水道を対象に将来の持続性を検討することを目的とした。持続性を示す指標として,将来人口を選択し,分析には下水処理区域内における人口の偏在性をピンポイントに表すマイクロ将来推計人口を用いた。流域下水道の管理は都道府県が主体であり,情報公開に関する方針は都道府県によって様々である。下水道処理区域について,空間分析が可能な地理空間情報は公開されていなかったため,まず全国の地方自治体のホームページより入手可能な地理情報を基に下水道普及率の対象となる処理区域のポリゴンデータを整備した。その処理区域とマイクロ将来推計人口を突合させて,流域下水道毎に将来の持続性を分析した。結果として,広域化による処理区域人口の拡大により将来にわたる処理区域人口の維持が期待されるとともに,処理人口の規模によっては全体計画人口の適正化を図る必要性が指摘された。本研究は全国を対象としたため,一定精度の地理情報の収集が課題であった。下水道施設等に関しては統計情報に関する情報公開が進められており,さらなる広域化・統合化を促進するには,本研究が示したように行政区域よりも詳細な単位での分析ができるよう地理空間情報を含めた環境情報の公開も必要ではないだろうか
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