39 research outputs found

    Development of Social skills education program for prevention and mental recovery from Cyber-Bullying in Junior high school Part1 : The review of a system on treatment of Cyber-Bullying to apply in the educational situation in Japan

    Get PDF
    いじめの第三ピーク説等を背景に,情報モラル教育の推進とサイバー型いじめ(Cyber-Bullying)の実態把握,予防,心理的回復に関する研究が求められている(e.g., 小野・斎藤,2008:小野,2009).海外では実態把握調査も報告されており(e. g., Kowalski, 2008a),法的整備も開始され(e. g., Kowalski, 2008b;Shariff, 2009),心理学や教育学の立場から予防プログラムが開発されている(e. g., Trolley et al, 2006;Shariff, 2009).他方,日本では予防と心理的回復プログラムの開発研究が乏しい.そこで本研究では,日本におけるサイバー型いじめの予防と心理的回復に役立つ方略を検討するために近年サイバー型いじめの対策として検討されている4つの方略を批判的に検討した.選択された方略はゼロトレランス方式,地域行政主導の情報モラル教育,PEASプログラム,利害対立調整モデルであった.検討の結果,日本では行政と学校,外部研究機関が協働した情報モラル教育とグループアプローチの協働方略が現実的介入になるのではないかとの結論が導かれた

    特別支援教育における通常学級内のパニック行動対処に関する研究 その3 : 支援介助法の実験的検証

    Get PDF
    パニック行動への対応方が実践知として学校現場に存在するのなら、その手法を確認してスキル化することが望ましい。他方、もしそうした方法がなければ、新たな対応法が必要となる。そこで研究1では小・中学校教員83名(小学校39名・中学校44名)に学校内でのパニック行動の経験率やその対処法の有無に関する質問紙調査を行った。その結果、82%の教員が危険性の高いパニックを経験しており、発達障がいに由来するパニック行動について有効な対応法を持っていないことが明らかにされた。そこで研究2ではパニック行動への有効な対応法として注目される廣木(2012)による支援介助法の効果について痛みを従属変数として検証した。その結果、支援介助法群は非支援群と比較して痛みを与えることなくパニックに対応できる可能性が示唆された。支援介助法 / 特別支援教育 / パニック行動 / 自閉症 / 実験的検

    青年期における見捨てられ不安尺度開発の試み その1 : 社会構造の変化を重視して

    Get PDF
    社会的ネットワークの希薄化を背景に,過剰な承認欲求(山竹,1998 ・2011)などの現代的な課題を反映した青年期心性が注目されている.こうした青年期心性の一つに「見捨てられ不安」(abandonment anxiety)がある.見捨てられ不安は,その概念の成立から精神分析理論の影響が強く,現在の社会的要因を独立変数とする数量的検証に乏しかった.本研究では見捨てられ不安を社会構造の変化に基づく現代的な青年期心性として,「重要で身近な他者(集団)に承認される自信がなく,自身の価値観をありのままに主張すると,重要で身近な他者(集団)から嫌われるのではないかという不安から自己犠牲的な認知・行動を過剰に選択する心理傾向」と定義し,質問紙の開発を試みた.その結果,「承認・注目欲求」と「過剰な自己犠牲」の2因子15項目の「見捨てられ不安尺度」の開発に成功した

    Fundamental study to development of obsessive-compulsive tendency scale : for elementary school student

    Get PDF
    強迫性障害は小児期・児童期にも発症する精神疾患であり,効果的な治療のためには強迫性の程度を測定するアセスメントツ-ルが求められる.しかし,CY-BOCSやLOI-CVなど,海外の多様なアセスメントツ-ルと比較して,日本では児童期のアセスメントツ-ルが乏しい.そこで本研究では,児童期の強迫性傾向アセスメントの開発の必要性から,小学生5,6年生を対象とした強迫性傾向尺度の作成を行った(n=256).因子分析の結果,2因子18項目の小学生版強迫性傾向尺度が作成された.第一因子は「強迫的儀礼傾向」,第二因子は「強迫観念傾向」と命名された.全体的な信頼性はα=.80 であり,確認的因子分析により一定の妥当性が示された

    道徳型SSTと特別支援教育に関する展望

    Get PDF
    発達障がいへの有効な教育方法としてSST( Social Skills Training)が注目されている.本研究ではその有効性と問題点を踏まえて,新たなタイプのSSTとして「道徳型SST」を提案した.道徳型SSTは,発達障がいを持つ子どもだけが適応行動を学習するのではなく,周囲も相互支援的価値観のもとで支援行動を学習する方略を持つ. 道徳型SSTの観点を特別支援教育に応用した場合の基盤となるものは多様性の肯定とインクルージョン社会のあり方であり,学校が生命と社会的役割の多様性において本質的な差はなく,全てが肯定される価値観を共有してこそ,発達障がいへの支援的枠組みが促進される.道徳的SSTもこの枠組みの中で施行されることが求められるだろう

    特別支援教育における小学校教員の発達障がいの理解と支援希求に関する半構造化面接 : AD/HDの理解と対応を中心に

    Get PDF
    特別支援教育の施行に伴い、教育現場では発達障がいの理解と対応がいっそう求められるようになった。しかし、急速な施行には理念と現場対応の解離も危惧される。そこで小学校教諭を対象に、AD/HDを中心とした発達障がいの理解と対応の現状を半構造化面接法により検討した。小学校教員は「(軽度)発達障がい」の理解に混乱があり、AD/HDについては、医学的理解以上に集団適応の視点から理解する傾向が見られた。また小学校教員が求めた主たる支援は介助員制度であった。以上の結果が「ユニバーサルデザインの理念に基づく支援」の実践および研究方法の観点から議論された

    特別支援教育における通常学級内のパニック行動対処に関する研究

    Get PDF
    特別支援教育の実施に伴い,通常学級での発達障がいをもつ児童生徒への理解と支援が注目されている.その進捗状況を検討すると,障がいの概念については普及段階を終え,個別的・場面限定的な支援方法が模索されている.研究1では現在,教師が希求する支援方法の内容を検討した結果,特に「通常学級内でパニックを起こしている最中の児童生徒に対する支援方法」に課題があることが報告された.研究2では,「生じてしまった危険なパニック中の支援方法は確立されていない」との仮説(廣木,2012)に基づき,通常学級内での障がいを持つ児童生徒のパニックの種類と支援方法を検討した。その結果,80%以上の教師がパニック行動に悩まされた経験を持ち,危険性の高いパニック中の体系的な支援スキルも確立されていない現状が明らかにされた.危険性の高いパニック行動への対処は専門的なスキルであり,合理的配慮の中で検討されるべき事項である.「通常学級における危険性の高いパニック時の支援スキル」の確立が求められる

    システマ親子クラスの構造とファシリテートの特徴に関する質的研究 : ワークショップとしてのシステマ

    Get PDF
    三世代のボディワークとして注目されているロシア武術システマ(Systema)は1.護身術、2.怒りを中心とした感情コントロール技法としての呼吸法、3.自己への気づきを深めるためのボディワーク、4.非常に強いストレッサーへの対処法、5.親子関係や対人関係を中心としたコミュニケーションの質を高めるワークショップなどに活動領域を広げている。一方、システマは日本に導入されてから日が浅く、定義が不明確であり、基礎研究に乏しかった。本研究では、作成された定義に基づきシステマの公認インストラクターへの半構造化面接を通じてシステマの特徴を整理した。また参与観察法に基づきシステマ親子クラスの構造を分析し、ワークショップ性と即興性の観点からその活動の性質を考察した。システマ親子クラスは、親子のコミュニケーションの質を高める優れたワークショップであることが示唆された

    適応指導教室におけるSSTとインプロの協働的プログラムの作成と実践に関する質的研究 その1 : 協働的プログラムの完成まで

    Get PDF
    本研究は公立の適応指導教室における外部講師によるソーシャルスキルトレーニング(Social Skills Training:以下、SST:全2回。1回90分)とインプロ教育の協働プログラムを用いたワークショップのフィールド研究である。SSTとインプロの協働的プログラムは望まれていたものの、その実践報告は非常に乏しい。SSTとインプロ教育の協働的実践の研究1に相当する本研究では、適応指導教室のニーズと子どもへの参与観察からニーズを汲み取り、SSTとインプロの協働的プログラムを定めたプロセスを質的に検証した。その結果、指導案にみるような協働的プログラムが完成した今後はこの協働的プログラムを実践した過程の質的検討が望まれる
    corecore