Abstract

発達障がいへの有効な教育方法としてSST( Social Skills Training)が注目されている.本研究ではその有効性と問題点を踏まえて,新たなタイプのSSTとして「道徳型SST」を提案した.道徳型SSTは,発達障がいを持つ子どもだけが適応行動を学習するのではなく,周囲も相互支援的価値観のもとで支援行動を学習する方略を持つ. 道徳型SSTの観点を特別支援教育に応用した場合の基盤となるものは多様性の肯定とインクルージョン社会のあり方であり,学校が生命と社会的役割の多様性において本質的な差はなく,全てが肯定される価値観を共有してこそ,発達障がいへの支援的枠組みが促進される.道徳的SSTもこの枠組みの中で施行されることが求められるだろう

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