3 research outputs found

    特別支援教育における通常学級内のパニック行動対処に関する研究

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    特別支援教育の実施に伴い,通常学級での発達障がいをもつ児童生徒への理解と支援が注目されている.その進捗状況を検討すると,障がいの概念については普及段階を終え,個別的・場面限定的な支援方法が模索されている.研究1では現在,教師が希求する支援方法の内容を検討した結果,特に「通常学級内でパニックを起こしている最中の児童生徒に対する支援方法」に課題があることが報告された.研究2では,「生じてしまった危険なパニック中の支援方法は確立されていない」との仮説(廣木,2012)に基づき,通常学級内での障がいを持つ児童生徒のパニックの種類と支援方法を検討した。その結果,80%以上の教師がパニック行動に悩まされた経験を持ち,危険性の高いパニック中の体系的な支援スキルも確立されていない現状が明らかにされた.危険性の高いパニック行動への対処は専門的なスキルであり,合理的配慮の中で検討されるべき事項である.「通常学級における危険性の高いパニック時の支援スキル」の確立が求められる

    青年期における見捨てられ不安尺度開発の試み その1 : 社会構造の変化を重視して

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    社会的ネットワークの希薄化を背景に,過剰な承認欲求(山竹,1998 ・2011)などの現代的な課題を反映した青年期心性が注目されている.こうした青年期心性の一つに「見捨てられ不安」(abandonment anxiety)がある.見捨てられ不安は,その概念の成立から精神分析理論の影響が強く,現在の社会的要因を独立変数とする数量的検証に乏しかった.本研究では見捨てられ不安を社会構造の変化に基づく現代的な青年期心性として,「重要で身近な他者(集団)に承認される自信がなく,自身の価値観をありのままに主張すると,重要で身近な他者(集団)から嫌われるのではないかという不安から自己犠牲的な認知・行動を過剰に選択する心理傾向」と定義し,質問紙の開発を試みた.その結果,「承認・注目欲求」と「過剰な自己犠牲」の2因子15項目の「見捨てられ不安尺度」の開発に成功した

    中学校におけるサイバー型いじめの予防と心理的回復を目的としたソーシャルスキル教育プログラム開発の試み その3 : 協働的プログラムによるフォローアップ研究

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    小野他(2011)および斎藤他(2011)は,サイバー型いじめの予防と心理的回復に関するソーシャルスキル教育プログラムを開発し,サイバー型いじめが行なわれていた中学校1学年に介入した.その結果,サイバー型いじめは解消し,コミュニケーションの重要性やいじめへの嫌悪などが報告されるようになった.しかし,サイバー型いじめの抑止効果は明示されたものの,心理的回復に関する検証にはフォローアップによる検証が求められる.本研究ではフォローアップ介入を行い,「サイバー型いじめが防止されているか」ならびに「ポジィティブな影響が維持されているか」を検証した.その結果,サイバー型いじめは抑止され,人間関係の改善が示された.以上の結果が協働的プログラム作成型アプローチの観点から考察され
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