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    インスリン治療中の2型糖尿病においてC-ペプチドインデックスはDipeptidyl Peptidase-4阻害薬併用による血糖低下効果の予測に有用である

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    近年、新しく使用可能となった経口糖尿病薬であるDipeptidyl Peptidase-4(以下DPP-4)阻害薬は、DPP-4を選択的に阻害しインクレチンと称されるGlucagon-like peptide-1やGastric inhibitory polypeptideの濃度を高めることによって、血糖依存的に血糖低下作用を発揮させる薬剤である。これまで経口糖尿病薬を内服中の2型糖尿病患者に対するDPP-4阻害薬併用後の有効性を予見できる因子は明らかとなっているが、インスリン治療中の2型糖尿病患者に対するDPP-4阻害薬併用療法に関しては有効性に影響する患者背景について充分な検討がなされていない。そこで今回われわれは、インスリン治療を行っている2型糖尿病患者を対象にシタグリプチンを12週間追加投与し、有効性に影響する患者背景について検討した。方法と結果:昭和大学病院糖尿病・代謝・内分泌内科外来通院中でインスリン治療を行っている2型糖尿病患者49名を対象とし、シタグリプチンを12週間追加投与した。シタグリプチン併用後のHbA1cはベースラインに比べて4週後-0.26%、12週後-0.47%と有意に低下した。ベースラインから12週後のHbA1cの変化量とベースラインの各種パラメーターとの相関関係を解析すると、HbA1cの変化は年齢、罹病期間、HbA1c、随時血糖値、インスリン使用量/体重、インスリンの注射回数、シタグリプチンの用量と相関関係を認めなかったが、BMI(r=-0.322、p<0.05)、C-peptide index(CPI)(r=-0.533、p<0.0005)との間に強い負の相関を認めた。BMIおよびCPIを独立変数、ベースラインと12週後のHbA1cの変化量を従属変数として重回帰分析を行った結果、CPIが有意な説明変数であった。シタグリプチン併用後に重症低血糖は1例も認めず、併用前後で体重の変化を認めなかった。結論:インスリン治療中の2型糖尿病患者におけるシタグリプチン併用は有用であり、有効性の予知因子としてインスリン分泌能を示すCPIが重要である。(著者抄録

    看護基礎教育における漢方医療教育の実態

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    看護基礎教育において、漢方医療に関する講義や演習を取り入れているかを調査した。一次調査として、全国の看護師養成機関932校に調査した結果、回収は469校(回収率50.3%)であった。469校のうち、導入している教育機関は17校(3.6%)であった。17校のうち、大学と短期大学が11校(64.7%)を占めていた。「取り入れたほうがよい」とする意見は、469校中145校(30.9%)あり、関心があることが示されていた。漢方医療に関する講義や演習を導入していると回答し、連絡先を明記した17校に、二次調査を実施した結果、13校(76.5%)から回答を得た。二次調査で回答した教育機関における導入方法は、1つの科目として、既存科目の中に、特別講義としてなどであった。導入は平成9年からされており、平成20年度以降に僅かに増えていた。導入の必要性は、「漢方医療は看護の考え方と共通する」、「看護師にも知識が必要」などがあげられていた。看護師養成所指定規則に、漢方医療に関する講義や演習の指定はない。これを導入している教育機関は極少数であり、日本においては、看護基礎教育における漢方医療に関する講義や演習の導入は、ほとんどなされていないことがわかった

    精神看護学の「経験型実習教育」における「学生の患者ケアへの内発的動機付け」と「学生の観点から見た教授-学習活動」との相関

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    目的:精神看護学実習の経験型実習教育において、「学生の患者ケアへの内発的動機付け」と、「学生の観点から見た教授-学習活動」との間には相関があるという仮説を立て検証した。方法:83名の学生に独自に作成した2種類の質問紙を配布。データは記述統計とSpearmanの順位相関係数で分析した。結果:回収率は41%(34部)であった。学生が患者を心から援助したいと思ったことに直接的に相関した教授-学習活動は対話であり、対話の相手は1.臨床指導者、2.受け持ち看護師をはじめとするスタッフ、3.記録を媒介にした大学の教師や臨床指導者、4.大学の教師、の順で相関が強かった。大学の教師との対話は、学生の患者への見方が肯定的に変化することに最も強く相関し、患者を心から援助したいことに間接的にも相関していた。考察:仮説の一部は支持された。大学の教師、臨床教師は其々に学生に対して重要な教育的機能を果たしていたと考える。本研究によりチーム・ティーチングをより一層推進する必要性が示唆された
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