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    細胞の三次元様増殖を指標とした温熱療法の最適条件に関する研究

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    本研究の目的は、三次元様増殖に温熱刺激が効果的に働く最適量と最小量を示すことであった。C3H10T1/2マウス線維芽細胞とハイドロキシアパタイトを混合し、設定温度が40℃・41.5℃・43℃・44℃・45℃、処理時間は2分間・10分間・15分間・20分間・30分間・45分間・60分間・90分間・180分間・360分間の温熱刺激を与えて10週間培養することにより三次元様増殖形成に必要な最小と最適な温熱量を調べた。その結果、三次元様増殖形成に必要な最小の温熱量は43℃2分間、また最適な温熱量は43℃10分間であった。43℃2分間は非処理対照の1.7倍、43℃10分間では3.7倍と非常に高い形成率となり、それぞれ有意差がみられた(p<0.05)。また、40℃で90分間・180分間と41.5℃15分間および44℃10分間も対照群に比べ高い形成率であった。43℃10分間の温熱処理では1週間後に約80%がアポトーシスになっていた。ウエスタンブロット分析により43℃10分間の温熱処理によってp38 MAPK の活性化が明らかであった。これらの結果から、温熱刺激による三次元様増殖はp38 MAPK の経路を介していることが判明した。本研究結果は最適な温熱量を提示するものとして温熱療法の基礎となり、温熱療法の効果を細胞生物学的に示すための重要な知見になると考えられる

    成人看護実習における技術到達度の学生の認識

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    成人看護実習において学生が看護基本技術の到達度をどのように認識しているのかを明らかにすることを目的に実態調査をおこなった。その結果、1)日常生活の援助技術では「一人でできる」水準に達している学生が多かった。しかし、水準に達していない項目では繰り返し経験する必要性が示唆された。2)診療の補助技術では「経験なし」とする学生が多かったため、「見学」の機会を調整する必要性が示唆された。本研究により今後の成人看護技術教育への方法が示唆された

    嚥下運動の時系列的解析の試み-表面筋電図、喉頭運動、呼吸軌跡を用いて-

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    目的は嚥下障害を有する者に対する摂食姿勢、介助方法、運動療法の評価に有効な非侵襲的で日常的に使用できる時系列なパラメータを抽出することである。そのために、表面筋電図(口輪筋、咬筋、舌骨上筋群の筋活動)、喉頭運動、呼吸軌跡を同時記録して嚥下動態を評価するシステムを開発した。本システムを使用して同一被験者で10ml の水を嚥下した際の典型例と特異例を紹介し、今後の課題を示した。典型例では、口輪筋、咬筋、舌骨上筋群の順で筋活動が開始し、舌骨上筋群の活動の直後に嚥下性無呼吸が生じた。そして、舌骨上筋群の活動とほぼ同期して一峰性の喉頭運動が開始された。一方、特異例では、筋活動の順序性は同様であるが、嚥下性無呼吸の開始が不明瞭で、舌骨上筋群の活動前に二峰性の喉頭運動が生じた。また、筋活動や喉頭運動の持続時間は典型例においてもばらつきがあるように思えた。今後、条件設定などを充分検討し、再現性の高い方法を求めていく
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