論文ARTICLE日本では、単独世帯が増加しており、そのネガティブな面が取り上げられることが多い。本研究では、近代的な科学が日本に導入される前、個人とそれをめぐる環境はどのように理解されていたのかを『方丈記』の表現から探究した。その結果、長明独特の「個」の捉え方がわかった。総体としての「個」は、変化することなく存在しているように見えるが、多くの変化する「個」を内包している。「個」の誕生と消滅は早く、それらが総体としての「個」における連続性を作っている。また、「個」は、個性を発揮するためには、他者との距離をコントロールするとよい。鴨長明は、多くの人がいる都を離れて自然の中に行き、社会とのかかわりを制御しつつ、個性を生かした「個」として自分が生きるために、移動式の草庵を得た。そして、自分を見つめることができるようになった長明は、創造的な活動をした。『方丈記』は、そのような長明の自己実現の物語ともいえるであろう。departmental bulletin pape
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