論文ARTICLE19世紀アメリカ禁酒物語の一翼をになったルシアス・サージェントは、同時代のT.S.アーサーと比べて認知度が低い。その理由の最たるものは、彼が長編物語を書けなかったことにある。エッセイや評伝では長編を多く書き残しているが、こと禁酒物語については、短篇集一作しか残していない。しかも、教訓調の文体や、タイトルと中身の齟齬など、長編を支える構想力に問題があり、そのことを作家自身が自覚していて、そのためオムニバス形式を多用するなど工夫の跡が見られる。テーマの扱いに関しても、しばしば視点のずれが見られ、物語の完成度に問題がある。くわえて、その口調の激しさも特徴的だ。学生時代から権威に反抗する態度が一貫しており、なにかと論争を挑み、ことに権力者の欺瞞を激しく攻撃する姿勢は、一部の批評家のあいだで、彼を“A Good Hater”と呼ぶにいたっている。departmental bulletin pape
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