スボレキサントが摂食行動に奏功したと考えられた摂食障害2例

Abstract

スボレキサントはオレキシン受容体拮抗薬であり、覚醒中枢を特異的に抑制することで、自然に近い眠りをもたらす睡眠薬である。オレキシンはもともと摂食行動に作用する神経ペプチドとして発見されたが、その神経脱落がナルコレプシーの病因であると判明し、 以後は睡眠/覚醒への作用の方に注目が集まっている。今回我々は、摂食障害患者の不眠に対してスボレキサントを使用したところ、摂食行動への影響も認められた2例を経験した。 症例は10代および20代の女性で、2例とも急激なダイエットを機に低体重となり、神経性無食欲症過食・排出型として長期に経過し、過食・自己誘発性嘔吐が頻回のため低カリウム血症を呈していた。スボレキサント開始後は、不眠の改善を認めただけでなく、過食・自己誘発性嘔吐が軽減し、血清カリウム値もある程度保たれるようになり、致死性不整脈を呈さず経過している。 動物実験の結果からは、エネルギー不足になると、オレキシン神経系が活性化され、結果として覚醒レベルの上昇・過活動・過食を呈する、との図式が推測される。スボレキサントは、エネルギーバランスが負に傾いている神経性無食欲症過食・排出型患者の過食衝動、ひいては自己誘発性嘔吐を抑える可能性が考えられた。technical repor

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Last time updated on 25/04/2020

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