Nichibunken Open Access (International Research Center for Japanese Studies Repository)
Not a member yet
6692 research outputs found
Sort by
歴史の中の病と医学
まえがき / 山田 慶兒, 栗山 茂久
序論に代えて
日本医学事始 : 予告の書としての『医心方』 / 山田 慶兒
I 病の中の歴史
肩こり考 / 栗山 茂久
はじめに
1 痃癖
2 滞りの病理学
3 揉まれる凝り
4 身体感と時間感
疝気と江戸時代のひとびとの身体経験 / 白杉 悦雄
はじめに
1 医学理論のなかの疝気
2 経験された疝気
3 信仰と身体観
おわりに
狐憑きの心性史 / 昼田 源四郎
はじめに
1 憑依するものの時代的変遷
2 憑依の形態
3 憑依の両義性
4 憑依がはたした機能
5 狐憑きの今後
おわりに
II 日本の医学へ
劉医方という誤解 : 江戸前期医学史をとらえるための一視点 / 石田 秀実
はじめに
1 富士川游による日本中世医学史の枠組
2 劉医方とは何だったのか
3 饗庭東庵学派の系譜
4 饗庭東庵学派の医学を窺う資料
結論
三帰と道三 : 曲直瀬流医学の形成 / 桜井 謙介
はじめに
1 三帰の能毒
2 三喜と三帰
3 考察
後藤艮山の医学について / 梁 嵘
1 艮山医学の枠組
2 艮山の医学の歴史的背景
3 艮山の医学革新と残した考え
目医師達の秘伝書と流派 / 奥沢 康正
1 眼科秘伝書の概略
2 1500年代の眼科秘伝書の特徴
3 手術器械図譜を記載した秘伝書・眼科書の特徴
むすび
III 四海を超えて
「紅毛流外科」の誕生について / ヴォルフガング・ミヒェル
はじめに
1 「魂には祈りを、身体には薬を」――西洋医学との最初の出会い
2 衰退の後
3 隔離と接近
4 カスパル・シャムベルゲルとカスパル流外科
5 シャムベルゲル以降
結び
近世前期朝鮮医薬の受容と対馬藩 : 医学書・薬種・医師について / 田代 和生
はじめに
1 医学書
2 薬種
3 医師
結び
江戸期渡来の中国医書とその和刻 / 真柳 誠
はじめに
1 渡来中国医書の検討
2 和刻中国医書の検討
3 中国医書の渡来と和刻の比較検討
4 渡来中国医書の伝承と逆伝
まとめ
IV 診ることと癒すこと
初期腹診書の性格 / 廖 育群
1 初期腹診書のテキスト
2 各書の構造と特徴
3 討論
看護人の系譜 / 新村 拓
はじめに
1 小石川養生所の「看病人」
2 長崎養生所の「看病人」
3 病院の「看頭」
4 看病・看護・介抱・付添の関係図式
プラセボの日本受容 : Placeboはのりと薬だ / 津谷 喜一郎
はじめに : プラセボにたいする否定的な見方
1 Placebo=偽薬が日本で引き起こしている問題――インフォームド・コンセント取得において
2 プラセボにかんする研究略史
3 日本におけるplaceboのコンセプトと用語の導入
4 東洋の医学の歴史から見ると
おわりに
V 体内の風景
17、18世紀の日本人の身体観 / 酒井 シヅ
はじめに
1 日本古来の身体観
2 和漢書の人体内景図
3 江戸初期の身体観
4 17世紀の西洋医学の影響
5 紅毛外科書の身体観
6 西洋解剖書の翻訳
7 山脇東洋の観蔵
8 『解体新書』の影響
結語
医学において古学とはなんであったか : 山脇東洋の解剖学と職業および学問としての医の自立 / 山田 慶兒
1 山脇東洋の医学史上の位置
2 人体解剖の動機
3 復古主義と徂徠学
4 『周礼』と医学の理念
5 周漢の遺法と張仲景
6 医学理論への批判
7 医学の実践の道
8 九藏説と観藏
9 職業および学問としての医学
人体内景図の脂曼・脂膜について / 高島 文一
はじめに
1 中国の人体解剖図
2 解剖図の中の脂曼・脂膜
3 東洋における膵臓の認識
4 近世解剖図の脾胃膵の位置
5 中国の内景図で脂曼・脂膜の記載の無いものについて
むすび
江戸時代 : 解剖の事跡とその反響 / 杉立 義一
1 東洋観蔵の意義
2 江戸時代における解剖の事跡と反響
VI もうひとつの医学
日本密教医学と薬物学 / 二本柳 賢司
1 密教事相としての五宝・五薬・五香
2 五薬各種の医学的分析
3 五香の薬学的分析
4 密教医学と丹薬
5 外丹方と内丹法の関係
6 内外護摩法と内外丹方の関係
西チベット、ラダックにおける病いと治療 / 山田 孝子
はじめに
1 アムチam-chiの医学
2 村人にとっての病い
3 村人の信仰と病い
4 病者を治療者として社会化できる疾病観
おわりに
ふたつの「預言者の医術」 / 三木 亘
はじめに
1 「預言者の医術」とは?
2 イスラム法というもの
3 伝承の性格
4 ふたつの「預言者の医術」
『斉民要術』のなかの家畜の病 / 小林 清市
はじめに
1 家畜の病をめぐる状況
2 『斉民要術』のなかの家畜の病
むすびにかえて
執筆者紹介boo
植民地朝鮮と宗教 : 帝国史・国家神道・固有信仰
序論 「帝国史」として「宗教」を論ずる / 磯前順一, 裵貴得
1 トランスナショナル・ヒストリーとしての帝国史
2 帝国史としての宗教論
3 本書の構成
註
第一部 宗教概念と帝国史
一九一〇年前後における「宗教」概念の行方 : 帝国史の観点から / 金泰勲
1 「日本帝国=日本」「帝国日本」「帝国史的観点」について
2 宗教概念の帝国史的展開
3 植民地当局の宗教政策と宗教的領域の再編成
3・1 「宗教の宣布に関する規則」の適用範囲
3・2 神道と神社の概念
3・3 朝鮮における宗教的領域の再編成
4 「帝国宗教」という概念 : 結びにかえて
註
日本帝国時代における宗教概念の編成 : 宗教概念の制度化と内面化 / 張錫萬(訳・裵貴得)
1 「東」の意味変化
2 宗教の誕生 : 一つの例
3 日本帝国統治期における宗教概念(Ⅰ) : 一九一九年三・一運動以前まで
3・1 仏教と儒教の統制、「寺刹令」と「経学院規程」
3・2 キリスト教の統制、「私立学校規則」
3・3 公認宗教の政策 : 一九一五年の「布教規則」
3・4 類似宗教の統制 : 「保安法」と「集会取締ニ関スル件」
4 日本帝国統治期の宗教概念(Ⅱ) : 一九一九年三・一独立運動以降
5 結論
注
第二部 日常生活における宗教布教
一九一〇年代、崔重珍の自由教会とその周辺 : 「蓄妾」と「祭祀」問題をめぐって / 裵貴得
はじめに
1 崔重珍の生涯
2 崔重珍と自由教会
3 蓄妾の問題
4 祭祀の問題
おわりに
注
植民地朝鮮における日本仏教の社会事業 : 「植民地公共性」を手がかりとして / 諸点淑
1 はじめに
2 向上会館の設立背景
3 向上会館の事業概要 : 「産業部」を中心に
4 向上会館における朝鮮人生徒の動向 : 「産業部」朝鮮人生徒の同盟事件を中心に
5 結びにかえて : 日本仏教と「植民地公共性」
注
第三部 国家神道と類似宗教論
宗教概念と国家神道論 : 〈帝国=植民地〉を射程に入れて / 桂島宣弘
1 村上国家神道論の継承のために
2 抑圧・統制の機制としての国家神道
3 植民地朝鮮における「類似宗教」概念
4 「類似宗教」普天教
5 結びにかえて : 国家神道論と〈帝国=植民地〉
注
朝鮮総督府の神社政策と「類似宗教」 : 国家神道の論理を中心に / 青野正明
1 はじめに
2 朝鮮神宮創建における国家神道の論理 : 「天照大神」と「明治天皇」の合祀
2・1 朝鮮神宮の祭神
2・2 朝鮮神宮の特異性
2・3 京城神社での「国魂神」奉斎
3 心田開発運動における国家神道の論理 : 「天照大神」と「国魂大神」の合祀
3・1 心田開発運動の二重性
3・2 「敬神崇祖」の二重性と国家神道の論理
4 崔南善と神社政策との関係 : 「固有信仰」復活の主張
4・1 心田開発運動の開始と崔南善の講演(一九三五年一月)
4・2 「固有信仰」が調査対象に(一九三五年~一九三七年)
4・3 崔南善による「固有信仰」復興の主張(一九三五年)
5 国家神道における排除の論理 : 「類似宗教」概念の推移
5・1 心田開発運動と「類似宗教」弾圧
5・2 結社としての取締り
5・3 「類似宗教」概念と用語
5・4 「類似宗教」概念の推移
6 おわりに
注
第四部 国家神道と固有宗教論
植民地朝鮮における宗教概念をめぐる言説編成 : 国家神道と固有信仰のあいだ / 磯前順一
1 宗教概念の移植状況
2 帝国イデオロギーとしての国家神道論
3 宗教民族学、そして「近代の超克」論の登場
4 帝国の終焉
注
「方法」としての崔南善 : 普遍性を定礎する植民地 / 沈煕燦
1 「方法」の意図
1・1 帝国と植民地の非対称性、そして崔南善
1・2 「神道」への異なる問い
2 「時間上の光復」と「壇君」
2・1 「宇宙の大生命」
2・2 「不咸文化論」
3 「出来事」としての「壇君」
4 「被植民者」が切り直したトランプ
注
第五部 朝鮮民俗学と固有信仰
日本人の「朝鮮民俗学」と植民主義 : 民間信仰論を中心として / 南根祐(訳・沈煕燦)
1 巫俗伝統論の政治性
2 今村鞆の「処女航海」
3 村山智順の「官房民俗学」と植民主義
4 秋葉隆の巫俗伝統論と植民主義
5 『朝鮮民俗誌』の比較民俗論
注
日本帝国時代における巫俗言説の形成と近代的再現 / 金成禮(訳・金泰勲)
1 はじめに : 「巫俗」は韓国固有の宗教なのか
2 巫俗の民俗宗教論 : 「神教」言説と檀君民族主義
3 巫俗文化論 : 汎アジア東洋文化圏と同化主義
4 巫俗の「土俗」文化論と植民主義の『朝鮮巫俗論』
4・1 孫晉泰の土俗文化論
4・2 秋葉の植民主義朝鮮巫俗論
5 帝国主義秩序と巫俗言説の強豪 : 植民的言説の両義性
6 おわりに : 巫俗行為者の不穏な主体性
注
終章 「植民地近代」と宗教 : 宗教概念と公共性 / 尹海東(訳・沈煕燦)
1 「宗教」概念の受容と政教分離
2 類似宗教と世俗宗教(=市民宗教)
3 宗教と民衆、そして日常
注
執筆者紹介boo