歴史の中の病と医学
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- 思文閣出版
Abstract
まえがき / 山田 慶兒, 栗山 茂久
序論に代えて
日本医学事始 : 予告の書としての『医心方』 / 山田 慶兒
I 病の中の歴史
肩こり考 / 栗山 茂久
はじめに
1 痃癖
2 滞りの病理学
3 揉まれる凝り
4 身体感と時間感
疝気と江戸時代のひとびとの身体経験 / 白杉 悦雄
はじめに
1 医学理論のなかの疝気
2 経験された疝気
3 信仰と身体観
おわりに
狐憑きの心性史 / 昼田 源四郎
はじめに
1 憑依するものの時代的変遷
2 憑依の形態
3 憑依の両義性
4 憑依がはたした機能
5 狐憑きの今後
おわりに
II 日本の医学へ
劉医方という誤解 : 江戸前期医学史をとらえるための一視点 / 石田 秀実
はじめに
1 富士川游による日本中世医学史の枠組
2 劉医方とは何だったのか
3 饗庭東庵学派の系譜
4 饗庭東庵学派の医学を窺う資料
結論
三帰と道三 : 曲直瀬流医学の形成 / 桜井 謙介
はじめに
1 三帰の能毒
2 三喜と三帰
3 考察
後藤艮山の医学について / 梁 嵘
1 艮山医学の枠組
2 艮山の医学の歴史的背景
3 艮山の医学革新と残した考え
目医師達の秘伝書と流派 / 奥沢 康正
1 眼科秘伝書の概略
2 1500年代の眼科秘伝書の特徴
3 手術器械図譜を記載した秘伝書・眼科書の特徴
むすび
III 四海を超えて
「紅毛流外科」の誕生について / ヴォルフガング・ミヒェル
はじめに
1 「魂には祈りを、身体には薬を」――西洋医学との最初の出会い
2 衰退の後
3 隔離と接近
4 カスパル・シャムベルゲルとカスパル流外科
5 シャムベルゲル以降
結び
近世前期朝鮮医薬の受容と対馬藩 : 医学書・薬種・医師について / 田代 和生
はじめに
1 医学書
2 薬種
3 医師
結び
江戸期渡来の中国医書とその和刻 / 真柳 誠
はじめに
1 渡来中国医書の検討
2 和刻中国医書の検討
3 中国医書の渡来と和刻の比較検討
4 渡来中国医書の伝承と逆伝
まとめ
IV 診ることと癒すこと
初期腹診書の性格 / 廖 育群
1 初期腹診書のテキスト
2 各書の構造と特徴
3 討論
看護人の系譜 / 新村 拓
はじめに
1 小石川養生所の「看病人」
2 長崎養生所の「看病人」
3 病院の「看頭」
4 看病・看護・介抱・付添の関係図式
プラセボの日本受容 : Placeboはのりと薬だ / 津谷 喜一郎
はじめに : プラセボにたいする否定的な見方
1 Placebo=偽薬が日本で引き起こしている問題――インフォームド・コンセント取得において
2 プラセボにかんする研究略史
3 日本におけるplaceboのコンセプトと用語の導入
4 東洋の医学の歴史から見ると
おわりに
V 体内の風景
17、18世紀の日本人の身体観 / 酒井 シヅ
はじめに
1 日本古来の身体観
2 和漢書の人体内景図
3 江戸初期の身体観
4 17世紀の西洋医学の影響
5 紅毛外科書の身体観
6 西洋解剖書の翻訳
7 山脇東洋の観蔵
8 『解体新書』の影響
結語
医学において古学とはなんであったか : 山脇東洋の解剖学と職業および学問としての医の自立 / 山田 慶兒
1 山脇東洋の医学史上の位置
2 人体解剖の動機
3 復古主義と徂徠学
4 『周礼』と医学の理念
5 周漢の遺法と張仲景
6 医学理論への批判
7 医学の実践の道
8 九藏説と観藏
9 職業および学問としての医学
人体内景図の脂曼・脂膜について / 高島 文一
はじめに
1 中国の人体解剖図
2 解剖図の中の脂曼・脂膜
3 東洋における膵臓の認識
4 近世解剖図の脾胃膵の位置
5 中国の内景図で脂曼・脂膜の記載の無いものについて
むすび
江戸時代 : 解剖の事跡とその反響 / 杉立 義一
1 東洋観蔵の意義
2 江戸時代における解剖の事跡と反響
VI もうひとつの医学
日本密教医学と薬物学 / 二本柳 賢司
1 密教事相としての五宝・五薬・五香
2 五薬各種の医学的分析
3 五香の薬学的分析
4 密教医学と丹薬
5 外丹方と内丹法の関係
6 内外護摩法と内外丹方の関係
西チベット、ラダックにおける病いと治療 / 山田 孝子
はじめに
1 アムチam-chiの医学
2 村人にとっての病い
3 村人の信仰と病い
4 病者を治療者として社会化できる疾病観
おわりに
ふたつの「預言者の医術」 / 三木 亘
はじめに
1 「預言者の医術」とは?
2 イスラム法というもの
3 伝承の性格
4 ふたつの「預言者の医術」
『斉民要術』のなかの家畜の病 / 小林 清市
はじめに
1 家畜の病をめぐる状況
2 『斉民要術』のなかの家畜の病
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