Osaka University of Commerce Repository / 大阪商業大学学術情報リポジトリ

前田, 啓一

マエダ, ケイイチ

MAEDA, Keiichi

Japanese

Consideration of Options for EU-ACP Trade Relations in Post-Lome Era. －Especially on GSP－

松尾, 満

マツオ, ミツル

MATSUO, Mitsuru

A Study of "Rappaccini's Daughter"

石上, 敏

イシガミ, サトシ

ISHIGAMI, Satoshi

A Consideration of the Otherworldly Nature of Kuragari-toge (Dark Pass) －from Rakugo "Shichido-Gitsune (Fox Tricks)"－

令和５年度　博物館事業報告

古作, 登

コサク, ノボル

KOSAKU, Noboru

江戸時代中期の将棋定跡と棋士実力を再検証する ―「 三大定跡書」成立の100年前に技術は大きく進化していた ―

梅野, 巨利

ウメノ, ナオトシ

UMENO, Naotoshi

Responsible Sourcing of Plant Lipids Private Limited ─A Case Study of Sustainability Management of Indian Companies ─

孔, 栄鍾

ゴン, ヨンジョン

KONG, Young Jong

On Kim Joseol’s “The Dynamism of Welfare Reform in South Korea:To Ensure ‘Human Life’”

松元, 一織

マツモト, イオリ

MATSUMOTO, Iori

囲碁と将棋のペナルティ ― 伝統的ボードゲームにおけるペナルティの整理から ―

鎌苅, 宏司

カマカリ, コウジ

KAMAKARI, Kouji

Derermination on the Equilibrium Surplus Price in Bilateral Transaction

大阪商業大学学術情報リポジトリ会報言語: Japanese出版者: 大阪商業大学商経学会公開日: 2025-03-28キーワード (Ja): キーワード (En): 作成者: メールアドレス: 所属: メタデータhttps://ouc.repo.nii.ac.jp/records/2000798URLThis work is licensed under a Creative CommonsAttribution-NonCommercial-ShareAlike 4.0International License.第359回　研究発表会（2024年5月29日）前　段〔司会：村上　義昭 教授〕1．発表者　深沼　　光 教授2．演　題　経営者の高齢化の進行と事業承継問題3．要　旨近年、中小企業経営者の高齢化が進んでいる。これは、引退が近い経営者が増えていることを意味する。経営者が事業から退いたときに、どのくらいの中小企業が無事に次の世代に引き継がれるのか。あるいは、経営者の引退とともに廃業してしまう中小企業は、どの程度存在するのか。こうした問題意識から、発表者が2024年3月まで所属していた日本政策金融公庫総合研究所は、2023年1月に「中小企業の事業承継に関するインターネット調査」を実施した。本発表では、類似する2015年9月と2019年10月の調査と比較しながら、中小企業の事業承継問題と、その変化を考察した。その結果、廃業予定企業の割合が2023年調査では57.4％に達していること、ほとんどの年齢層と業種で、廃業予定企業の割合が高まっていることが示された。また、かつては男の実子、特に長男が事業を承継することが主流だったものが、親族以外への承継に移行してきていること、経営資源の他者への引き継ぎを考える企業が増えていることといった変化も明らかとなった。廃業予定企業の廃業予定時期は早まっており、2023年調査では、5年以内の廃業を考える割合が半数近くにまで上昇したこと、事業承継支援へのニーズが一定割合は存在するものの縮小傾向にあること、コロナ禍が一部の中小企業の後継者問題に影響を与えたこともわかった。中小企業の廃業問題は深刻化しており、影響がさらに広がる懸念がある。それを避けるためには、親族以外への事業承継を一層後押しすること、廃業が避けられない場合でも、経営資源を円滑に引き継げるようにすることが求められよう。望まない廃業や経営資源の散逸を防ぐことは、経済社会にとって重要な課題である。経営者の高齢化が進行するなかで、対応策の強化に本腰を入れて取り組むべき正念場が訪れている。－  　　－87会　　報第360回　研究発表会（2024年6月26日）前　段〔司会：原　　敏晴 教授〕1．発表者　浅井　希和子 助教2．演　題　職場の情報化とミドル管理職の役割 ─ H.A.Simon のシステム論の視点から─3．要　旨本研究の目的は、情報処理システムの進化がミドル管理職の役割にどのような影響を与えるかを探ることである。特に、サイモンの「人工物」の概念を鍵概念として、組織と情報システムの関係を考察する。研究の背景には、1990年代からのインターネット技術の普及に伴い、情報処理システムが経営的意思決定をサポートする役割を果たすようになったことが挙げられる。これにより、ミドル管理職の業務が自動化され、組織がフラット化するという予測があったが、日本におけるミドル管理職の割合は1980年代からほぼ変わらず、管理職の業務過多の問題も指摘されている。情報システムは、設計された時点での課題環境に適応する能力を持つ人工物であり、システムによって解決された課題は新たな要求水準を生み出す。このため、組織の情報処理能力が向上すると、課題解決に対する要求水準も上がり、業務の水準が高まる。ミドル管理職は、こうした新たな要求に応えるために、試行錯誤しながら解決策を見つける重要な役割を担っている。情報システムによって生産性が向上すると、組織の要求水準は高まるが、人工物である情報システムや組織はすぐにその変化に対応できない。人間は人工物よりも適応能力が高いため、従業員が新たな課題に対して柔軟に対応し、探索と試行錯誤を通じて付加価値を生み出すことが求められる。ミドル管理職は、一般従業員よりもより課題解決能力が高いため、部下を率いて新たな課題を解決することを求められているのではないか。結論として、情報システムの導入はミドル管理職の役割を高度化させ、組織の課題解決に対する要求水準を押し上げることが理論的仮説として提示される。今後の課題としては、実際の企業でのフィールド調査を通じて仮説の検証を行うことや、ミドル管理職の役割全体を多面的に検討する必要がある。また、継続的な要求水準の変化に対応できる人材の育成についても考慮する必要がある。－  　　－88大阪商業大学論集　第20巻 第3号（通号215号）第360回　研究発表会（2024年6月26日）後　段〔司会：佐野　　茂 教授〕1．発表者　上床　幸太 講師2．演　題　大学生の精神的健康と内受容感覚との関連を調整する認知的態度3．要　旨本研究は、大学生の精神的健康と内受容感覚（体内から発信されるシグナルの認識・統合能力）との関連性を探究し、その関係を調整する認知的態度の役割を検討することを目的としています。大学生の精神的健康に関する問題として、メンタルヘルスの不調が学業の遅延や中退率の増加に繋がる現状が指摘されており、心理的支援への新たなアプローチが求められています。　特に本研究では、内受容感覚と精神的健康の関連が必ずしも一貫していない点に着目します。一部の研究では、内受容感覚への敏感さが不安や抑うつといった精神的不調に関連する一方で、感情制御能力やレジリエンスの向上にも寄与することが示されています。この不一致を解消するため、認知的態度が調整要因としてどのように関与するかが検討されます。具体的には、「適応的諦観」という日本文化に即した認知的態度に焦点を当てます。この態度は、ネガティブな状況をそのまま受け入れつつも楽観的な視点を保つことを特徴とし、精神的健康へのポジティブな影響が期待されます。本研究は、近畿圏の大学生200～300名を対象に、内受容感覚、精神的健康、適応的諦観を測定する横断的調査を実施し、適応的諦観が内受容感覚と精神的健康の関連を調整する効果を検証します。これにより、精神的健康の理解と支援方法が深化し、大学生のメンタルヘルス改善に寄与する学術的・実践的意義が期待されます。－  　　－89会　　報第361回　研究発表会（2024年7月24日）前　段〔司会：加藤　慶一郎 教授〕1．発表者　伊藤　敏雄 准教授2．演　題　大正・昭和初期における大阪市の臨海地域と水運3．要　旨第一次世界大戦を契機とする商工業の発展によって、大阪市では、大阪築港とそれと密接に関わる河川の利用が高まり、築港に臨む120余万坪（約396万㎡）の市有埋立地（築港埋立地）が、急激に利用されるようになった。本報告では、これまで詳らかにされてこなかった、大正・昭和初期の築港埋立地における土地利用の状況を、当時の大阪市港湾部長直木倫太郎の大阪市議会における発言等から分析し、同市における工業化と都市計画及び水運との関連を検討した。その結果、主に以下の2点が明らかになった。第1に、大正6年（1917）8月の大阪市会の議論から、大阪市は、築港埋立地の南恩加島町地先に造船業を誘致し、「大工業地」を造成する計画等を立てていたことが分かった。そのようななかで、直木倫太郎は、船舶修繕の船渠建造を重視し、その修繕能力を活用して、大阪港の港湾機能を強化しようともしていた。また、直木は、同市会において、埋立地全般に関しては、水運の便を視野に入れ、住宅・工場・貿易に分類のうえ活用する計画を策定して一覧に供することを述べていた。すなわち彼は、都市内の良好な環境空間を保ちつつ、住居・商業・工業の各機能の分担と適正配置の枠組みを決めた土地利用計画に基づいて、同市産業及び大阪港のさらなる発展を目指していたのであった。第2に、これらは、大正14年（1925）における都市計画用途地域の指定以前のことであり、換言すれば、大阪市の臨海地域の都市計画は、明治30年代後半以降の築港埋立地の利用区分を踏まえてなされたと考えられる。このことは、大正11年と昭和4年（1929）頃の同埋立地の利用状況から見出すことができる。そして、築港埋立地における天保山運河・木津川運河・福町堀の完成も用途地域の決定以前であり、それらは、周辺地区の工業地域等への指定や倉庫・工場などの発展に、市内主要河川とともに大きく関わっていたのであった。－  　　－90大阪商業大学論集　第20巻 第3号（通号215号）第362回　研究発表会（2024年10月23日）前　段〔司会：金　　早雪 教授〕1．発表者　柴田　鎮毅 講師2．演　題　FTA（自由貿易地域）規定導入の経緯 ─ハバナ会議（1947年～1948年）を中心に─3．要　旨WTO（世界貿易機関）での多国間交渉の合意が難しい中、多くの国がFTA（自由貿易協定）の締結を行っている。FTAは加盟国内で自由化しても、加盟国外に対しては貿易障壁を残す協定であり、MFN（一般的最恵国待遇）原則を規定したGATT第1条に違反する可能性がある。FTAは GATT第24条（適用地域－国境貿易－関税同盟及び自由貿易地域）で、一定の要件を満たせば、MFN原則の例外として認められることになっている。しかし、FTAといったRTA（地域貿易協定）の増加は、GATT第1条を骨抜きにすると言われている。戦後、アメリカは「自由・無差別」原則の貿易システムの構築をめざしていた。しかし、MFN原則に対する例外は戦後、貿易ルールを議論する国連の会議の場で、関税同盟以外に、関税同盟への過渡期を認める「中間協定」、「自由貿易地域」と拡大していく。なぜか。「自由貿易地域」の規定が導入されるのは、1947年11月から開催された国連貿易雇用会議（ハバナ会議）である。TPP（環太平洋パートナーシップ）協定といったFTAの誕生を可能にする「自由貿易地域」の規定が、どのようにしてGATT第24条に挿入されたのか。GATT第24条の成立に関する先行研究では、政治学者のチェイス（Chase,k.）の研究が最も注目に値する。（“Multilateralism compromised:the mysterious origins of GATT Article XXIV,” World Trade Review, 5（1）, 2006）それは、「自由貿易地域」の規定の導入に強い影響を与えたのは、ハバナ会議当時、アメリカとカナダの間で秘密裏に締結が模索されていた貿易協定であったことを、アメリカ国内の公文書を使用し、明らかにしたからである。そこで、今回の報告ではまず、GATT第24条の規定の誕生に関する日本と欧米の先行研究を報告した。その後、チェイスの論文を下敷きにしつつ、私自身、アメリカ国立公文書館（the United States National Archives：NARA）に赴き、蒐集した史料によって、「自由貿易地域」の規定の導入の背景には、秘密裏に締結が模索されていたアメリカとカナダの間の貿易協定が影響を与えていたことを、中心に報告した。強調すべき点は、アメリカは裏で、FTAを可能にするGATT第24条の規定の作成過程に、深くかかわっていたことである。－  　　－91会　　報

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