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移行対象・移行現象からみる大学生における分離不安に関する研究

Abstract

青年期は親から自立していく時である。 それは一つの対象喪失であり,そこには分離不安が生じる。 対象の喪失を受け入れていく過程を通じて人は成長していくが,分離不安が強すぎる場合,自立が阻害されることもありうる。本稿では,青年期にある大学生および短大生の分離不安の克服について検討することを目的とした。研究Iでは大学生および短大生255名に対し移行対象に関する質問および青年期の分離 - 個体化の基本的尺度日本版を実施した。研究Ⅱでは,研究Iで質問紙に回答してもらった者に対して面接調査を実施した。それらにより,移行対象と分離不安に関する仮説モデルを構築し,生育歴・家族内力動と移行対象との関わりから分離不安について考察を行った。そして,人が心的発達の過程で移行対象を創造し,やがて移行対象から離れていくことにより分離不安を克服していく姿を考察できた

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