3 research outputs found

    抑うつ傾向と原子価との関係に関する実証的研究―マイナス依存の原子価の影響について―

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    publisher奈良本研究は、大学生の抑うつ傾向とそれを引き起こすと思われるパーソナリティーの特性、即ち、マイナス依存原子価(Hafsi,2006)との関係に関する実証的研究である

    An empirical study about the relationship between depressive tendency and valency: The effect of minus dependency valency

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    publisher 奈良本研究は、抑うつ傾向と、Bion(1961)とHafsi(2004,2006)のいう「原子価」、特に「マイナス原子価」と抑うつ傾向との関係に関する実証的研究である。ここで、大学生(N=267)を対象に、質問紙による調査を行った。筆者は、マイナス原子価を独立変数とし、マイナス依存の原子価を持つ対象は、抑うつ傾向が高いという大まかな仮説を立て、検証を試みた。測定方法として、Hafsiによって開発された「原子価査定テスト(Valency Assessment Test=VAT)と筆者によって作成された「抑うつ傾向尺度(Depressive Tendency Scale=DTS)」を用いて一元配置分散分析を行い、マイナス原子価の4つの類型(マイナス依存の原子価、マイナス闘争の原子価、マイナスつがいの原子価、マイナス逃避の原子価)を比較した。その結果、DTSにおける全ての因子において、マイナス依存の原子価のグループは他のマイナス原子価のグループより平均が高かった。本研究の結果は、マイナス依存の原子価が、抑うつ傾向に影響を及ぼしているということを示唆している。従って、本研究の仮説が検証されたと考えられる

    The development process and reliability testing of a Depressive Tendency Scale

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    publisher奈良抑うつ的傾向は、「抑うつ」という研究分野において取り上げられている事柄であり、「抑うつ」は単に憂うつな気分を指す場合から、精神障害としての「気分障害(mood disorders)」を意味する場合まで、かなり広汎に使用されてきている。ここでの抑うつ傾向は、「抑うつ気分」に相当するものであり、本研究の目的は、その抑うつ傾向を測定するための「抑うつ的傾向尺度」を開発し、その信頼性と構造とを吟味していくことである。そのために、「抑うつ的傾向尺度」として、BDIから16項目とMMPIにおける「抑うつ尺度」から19項目を借用し、筆者が考案した5件法であるDTS(Depressive Tendency Scale)を作成した。この尺度の信頼性分析を行った結果、α=.873により、本研究におけるDTSの質問紙には信頼性があることが示された。また、因子分析の結果、低い自己評価、否定的思考、悲観主義、楽観主義、安定性の欠如の5因子が抽出された。これからの課題としては、尺度の吟味を重ねながら、この尺度を用いて実証的研究を行っていくことである
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