6 research outputs found

    A Study on Income Statement by Customer Segment in Making Decision Based on Customer Profitability Analysis

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    近年の電子商取引の拡大にともない,取引における顧客セグメント管理は,より一層重要になっている.管理会計・原価計算研究において,顧客セグメント管理へ有用な会計情報を提供する手法の一つとして,顧客別収益性分析が検討されてきた.わが国において,このような研究が取り組まれるきっかけとなったのは,フォスターの先行研究といえる.フォスターの研究の貢献は,顧客別収益性分析と原価階層の概念とを統合したところにある.その一方で,フォスターの研究の課題は,共通費の配賦に見られる.顧客別収益性分析では,その活用の一つとして,「取引を廃止するか,継続するか」という意思決定がある.そのような意思決定に対して,業績評価を主目的とした顧客セグメント別損益計算書を適用するためには,キャパシティ・コストの管理可能性に加えて回避可能性も考慮することになる.そこで,フォスターが示した利益の多段階計算の枠組みを適用することによって,回避可能性の概念を考慮した顧客セグメント別損益計算書の計算構造を見いだすことができる.研究論

    A Study on Income Statement by Customer Segment inIntegrating Cost Hierarchy of Activity-Based Costing and Contribution Margin Approach

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    参入市場や取扱製品・サービスの多様化によって,企業内ではセグメント管理の重要性が認識されるようになっている.「セグメント」という概念の範囲は広く捉えられるが,その広範さによって企業はセグメントの設定を柔軟に行うことができる.そこで本稿ではセグメントを「顧客」として捉え,顧客セグメントをどのように会計管理していくのかという点を検討する.管理会計・原価計算の先行研究では,顧客セグメント管理の一手法として「顧客別収益性分析」がある.顧客別収益性分析の先行研究としてはフォスターの研究があり,そこでの課題として残されているのは損益計算を行う際の「共通費の配賦」問題と考えられる.なお,ここでの共通費配賦とは,顧客セグメント別に配賦されない企業全体にかかる原価(共通費)を,恣意的に配賦しようとする計算手続きをさす.顧客セグメントの「共通費の配賦」問題に対する解決策として,損益計算書構造の検討が考えられる.本稿では,そのような計算構造を示すために原価階層,ないし多段階損益計算に着目した.そして,Aliが提唱した多段階貢献利益損益計算書の枠組みを適用することによって顧客セグメント別損益計算書の計算構造を提示した.研究論

    A Study on Contributions of "Relevance Lost" to Accounting for Marketing Cost

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    本稿では,『レレバンス・ロスト』で議論された管理会計再構築の伏線を考慮して,営業費会計をABC(Activity-Based Costing) との関わりから検討する。1980年代後半にABCが注目を浴びるようになったのは,『レレバンス・ロスト』が契機となっている。ここでは,財務報告目的の全部原価計算システムへの批判を通じて,製造間接費の配賦で製品原価の歪みが生じることを指摘した。『レレバンス・ロスト』のなかで,Johnson and Kaplanは,計算技法の欠陥を指摘して議論を終了させなかった。このことを営業費会計の領域から捉えると,営業費をABCで製品別に跡づけた後,その製品原価やセグメント別営業費の情報活用までを考慮したためと考えられる。また,Lewis (1991) の計算例から,ABCは,営業費計算においても適用可能であることが明らかになる。営業費は,製品ラインなどのセグメント別に跡づけられる。そして,セグメント別営業費も含めた収益性計算書が作成される。この計算書からは,セグメント別の業績評価,セグメントに対応する営業活動のコスト・マネジメント,セグメント別の意思決定に有用な情報を提供する。したがって,ABCは,営業費会計の発展の分水嶺として位置づけることが可能になる。研究論
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