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    母乳育児への支援 : 分娩後退院までの初産婦への助産師による授乳援助を中心に

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    我々助産師の専門的業務の中で最も重要な業務は分娩介助である。同時に、出産後の母乳育児に大きく関与する乳房管理や授乳援助も専門的な技術を必要とする助産師の大切な業務である。本研究では母乳育児支援のうち授乳援助に焦点を当てて分析し母乳確立の要因としての助産師の関わり方について検索した。助産師が専門職として行なう仕事の主幹となる部分は分娩介助が第一に挙げられるが、これは単に出産を取り扱うと言うことだけでなく将来社会を構成する人間、つまりヒトという社会資源をこの世に送り出すという重要な役割を果たすことである。その意味において、助産師と母子との関わりは、子どもを生み出すところで終わるのではなく、より良い環境の中で子どもを育てていくための支援も当然含まれる。従って生まれてきた子どもにとって最も有益な母乳栄養を可能にするための専門的な関わりも子育てへの重要な援助支援であることは言うまでもない。本研究によって母乳育児を実現するために助産師が行なう専門的な「支援」という意味を再考し、より多くの母子が母乳育児を実現することへの示唆を得たので報告する。対象は平成13年1月から9月までの間に県内A病院にて出産し、本研究の趣旨や結果の公表に同意が得られた初産・経膣分娩の母子280組である。助産師が対象の母子に行った授乳援助の内容を産褥日数別、関わりの方法別に分析して母乳育児確立に至るまでの過程を経時的に追跡調査した。その結果、産褥日数との関係では産褥0日のカンガルーケアや分娩後2時間以内の直接哺乳と母乳育児確立との相関は不明確であったが (r=0.03) 分娩後早期に行われる直接哺乳援助のうち授乳援助に伴う個別的な指導との相関は有意に高く、人的環境因子としての助産師の関わりが効果的な成果を挙げるために不可欠であることが明らかになった

    母性意識の発達・強化への支援 : 5胎児を妊娠した妊婦の妊娠継続支援を通して

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    本研究は不妊治療の結果、5胎児を妊娠し、出産に至った母親に焦点を当てて分析したものである。特に妊娠初期から分娩に至るまでの限られた期間内で、対象が最も緊張を抱き、困難に陥いった危機場面や自己決定を求められる5場面での状況を、STAYによる不安得点の検索や、花沢の母性意識質問紙、さらにその同一場面での担当助産師との対話の再構成分析をとおして「母性意識の確認・発達・強化」の状況を明らかにしたいと試みたものである。これらの分析の結果、STAYによる特性不安得点はほぼ安定していたが状態不安得点は5場面でそれぞれ変動がみられた。しかし、対象の言動は出産への意欲や、児の生命を気遣う内容が多く見られ、全体を通して危機と考える場面を経験し乗り越える毎に、母性意識の発達・強化が認められ、その背景にはケアをとおしての助産師との相互作用が存在していた。我が子を産み育てることを希望し、妊娠に至り、出産の時期を迎える間に母親が感じる期待や不安は日常の生活においても様々に存在し、そのたびに一喜一憂する毎日を過ごしながら母性意識は涵養されると推測されるが、未知の経過をたどる不安は専門職である助産師の支援が介入することによってより安楽に過ごすことができ、そのことが母性意識の発達・強化の一助となると推測された
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