10 research outputs found

    ケンシュウ サンカシャ ニ ミル ヒ ボゴ ワシャ ニホンゴ キョウシ ノ トクセイ : 1994 ~ 1998 ネンド ノ チョウサ ケッカ カラ

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    日本語国際センターでは、短期教師研修参加者の特性を把握することを目的として、1994年から継続的な調査表調査を実施している。調査内容は、日常の教授活動でどんな問題を抱えているのか、どのような目標を持って研修に参加しているのかの2点についてである。 本稿では、1994-98年度の5年間に行われた調査票調査から得たデータをもとに分析し、国別 、地域別の研修生の特性をまとめた。分析を通して、 (1) 国、地域に共通していることと、個別的なことの存在 (2) 研修参加者が日常の教授活動で抱えている問題点と研修参加目標との間には相関が見られないこと (3) 教材作成など非母語話者教師ならではの問題意識が浮き彫りになったこと (4) 情報の不足、情報ネットワークの不備などによる問題点の存在 などが明らかとなった。そして、それらの結果は、非母語話者日本語教師が活躍している海外の日本語教育の現場に有益となる支援内容および形態(滞日研修と現地研修などの研修内容面 での棲み分け、また、日本から海外への情報提供の内容と方法など)の見直しと検討の必要性を示唆した

    ゲンショク ニホンゴ キョウシ ニ タイスル キョウジュホウ ジュギョウ ノ カリキュラム デザイン

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    日本語教授法についての基礎知識と経験をすでに有する日本語を母語としない日本語教師を対象とした、修士課程での日本語教授法授業を紹介する。計45時間の授業では、学生が教授実践を理論と結び付けて振り返ることができるようになることを目標にしている。学生は、初級日本語コースの実施に関わる一連の流れに沿って指定された課題を遂行し、その振り返りをする活動を繰り返す。このカリキュラム・デザインは、その過程で学生が実践を客観的に注意深く観察したり、観察した事実を読み解くための分析の観点や方法論を身につけられるように設計した。授業を通して、学生は自身が担当していた日本語コースの課題や問題点を多角的な視点で捉え、具体的に記述し、更に、それらを改善のための具体的な方法に結びつけることができるようになった。The aim of this paper is to introduce the Japanese language teaching methodology class of the master\u27s degree course. The participants are non-native Japanese teachers who have basic knowledge and experience in teaching the Japanese language. The class aims to help participants tie together educational practices and theories, and to reflect on their teaching experience. The class is designed in order that participants may observe the process of accomplishing specified tasks objectively and carefully, and that they may acquire the perspective and methodology of analysis required to translate the facts observed into the process of accomplishing tasks. Through the accomplishment of this process, participants learned to identify the problems of their own Japanese language courses considering diversified aspects, and to describe the problems concretely. In addition, they developed an ability to consider concrete ideas of their own courses

    カイガイ ノ チュウトウ キョウイク ニオケル ニホンゴ キョウイク ノ ゲンジョウ ト キョウザイ セイサク エノ ホウコウセイ

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    韓国をはじめとしてオーストラリア、インドネシアなどのいくつかの国で日本語を初等・中等教育レベルの正規の教科の一つとして扱っていることからもわかるように、初等・中等教育レベルでの日本語学習者が急激に伸びている。一方で、日本語を教え、学ぶための環境(教師、教材を含む)がその学習者数の伸びに追いついていないのが現実である。 日本語国際センターでは、そのような状況に鑑み、後期中等教育レベルの学習者向けに日本語教材を開発することとなった。教材制作の指針の設定に当たっては、資料調査、ヒアリング調査を行ったが、更に、その教材作成の指針の妥当性を諮ることならびに、シラバスや教材のデザインを決定する上で参考となる情報を得ることを目的として、アンケート型式による事前調査を実施した。調査項目は、学習環境、学習者像、教師像を把握できるような22項目を設定した。 本調査は、その目的や規模からして、海外の日本語教育機関の現状およびニーズに関する全体像を得ようとするものではないが、調査の集計結果 の分析から教材開発の方向性を探る手がかりを得ることができたと考えられる

    クミコミガタ キョウドウ ケンシュウ ノ ジッシ ト コンゴ ノ カダイ 1992ネンド クイーンズランドシュウ ニホンゴ キョウシ ケンシュウ オ フリカエッテ

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    日本語国際センターではオーストラリア・クイーンズランド州教育省と協同で、1992年夏の2カ月間、初等中等教育レベルの公立学校に勤務する現職教員を対象に、再養成のための研修を行なった。この研修は同州の全1年間の研修のうち第3学期を日本での6週間の授業と1週間の旅行に当てたもので、「組み込み型協同研修」としてセンター初の試みである。 研修内容は、あくまでも訪日の前後の研修との関連性を重視し、クイーンズランド側との協議を重ね、本研修のためのシラバス(週ごとにトピックを設定してそれに四技能の習得を連動させたもの。研修生の現地教育事情を踏まえている。)を用意した。更に、「日本事情」「課題演習」「個別 指導」などの科目で、実際に教壇に戻った時点での訪日経験の意義を考えた内容を計画した。 研修をふりかえって、このような「組み込み型協同研修」における今後の課題をまとめると、次のような点が挙げられる。まず、研修生集団の共通 項が多いため、研修目的や内容は絞りやすく具体的に設定しやすい反面、研修生の要求も強くなるので、事前にどの程度必要な情報を得られるか、そしてそれをいかに整理し活用できるか、が研修生の達成感を大きく左右する。更に、特定の国の教師養成に関わる際には、センターの既存の教師研修に比べて、よりセンター側(日本側)の立場を明確にする必要に迫られる。特に研修生自身と当該国や派遣元の機関のニーズに齟齬が生じた場合、センターとしてはどう対処すべきか、今後、検討を重ねていく必要がある。 昨今、各国で現地主導の教師養成が進められており、センターがそれらに個別 の協力を求められることも多くなってきた。本稿に述べた今回の研修実施における過程と結果 が、そのような協力方法を模索する一助となれば幸いである
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