41 research outputs found

    情報化社会に対応する総合学習 : 情報分析・プレゼンテーション能力の育成を目指して

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    従来の教科教育とは別に創設された総合学習は, 教科教育との整合性をどのようにつけながら教育活動に位置付けられればよいであろうか。この問題に対し, 筆者は, 「情報化社会に生きる市民」に必要とされる能力の育成が総合学習において重要であると考えた。この情報化社会で必要とされる能力とは, 他者の意見を批判的に分析できる能力であり, 自らの意見を説得的に相手に伝える能力であろう。本年度, 本校の総合学習の時間であるLIFEにおいて, こうした能力を育成するための授業に取り組んできた。授業内容は, 意見を分析するための枠組み(フレームワーク)を習得することと, この枠組みを使って社会的論争問題(本年度は「夫婦別姓」の問題)について, 他者の意見を分析したり, 自らの意見を形成したりすることを中心に構成した。その授業の展開案の一部を提示する

    高校世界史Aにおける近現代の内容構成 : 日本の近代化の構造-機能-変動理論的分析

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    南北問題を近現代史の中心的課題としてとらえたとき,非西洋諸国の近代化・産業化の過程をどのように内容構成すればよいであろうか。近現代史を中心に構成される世界史Aの内容構成として中核となる課題である。非西洋発展途上国が近代化を始めるとき,それは自らの文化的伝統と異質な西洋の文化を社会に移植し新しい文化を創造するという行為となる。そのため多くの国々は近代化の過程で歪みや停滞を余儀なくされ,近代化の達成に苦闘している。その意味では,こうした非西洋発展途上国の近代化を分析的に見る視点が求められているといえる。本小論では富永健一氏の機能-構造-変動理論に基づく「近代化理論」を分析の枠組みとし,近代産業社会の形成に成功した日本の近代化を分析することで,富永氏の「近代化理論」の非西洋発展途上国の近代化に対する有効性を検証した

    世界史Aにおける前近代の構成について : 8世紀の世界・唐王朝と東アジア世界

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    国際化という流れの中で,国際社会に生きる資質を養うことを目的として,今年度から世界史Aという科目が始められた。この世界史Aという科目の特質は,2単位という少ない授業時間数で,19・20世紀を近現代とし,ヨーロッパを中心に一体化した世界を主題的にまとめて理解させるような内容構成がされている。この世界史Aにおいて近現代は従来の世界史とそれほどの違いはないが,前近代の内容は大幅に変わった。基本的には4つの文化圏を中心に,その特質を理解することが中心となり,各文化圏の歴史的な展開過程については2世紀,8世紀,13世紀,16世紀,17・18世紀の各時代から2つを選び,補足するという程度にまで精選されている。こうした空白の多い前近代の扱いをどのようにすればよいのか。文化圏の発展過程を眺める時代の視点をどのように設定すればよいのか。こうした課題を考察することにした

    Developing a Systematic Subject Instruction Curriculum in Student Teaching Practice: Through the Development and Application of Rubrics

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    In the practical training at Hiroshima University, we provided practical training guidance using rubrics. Based on the appraisal of the apprentices based on the rubrics and analysis based on the descriptions in the questionnaire and the lesson plan, we found that the rubrics are an effective tool for clarifying the goals to be achieved in the initial stage of apprenticeship and the policies that apprentices should take

    教育実習を充実させるための取り組み報告 : 教育実習指導Bの改善 <第2部 教科研究>

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    広島大学附属福山中• 高等学校において実施されている教育実習をより充実させるために,社会科として,大学と連携をとりながら様々な取り組みをおこなってきた。本稿では,教育実習指導I・II (現場における教壇実習)の準備として行われる教育実習指導Bについて,広島大学において教育実習に関して何が求められているか,そして教育実習生がどのような現状にあるかをふまえ,社会科がどのような取り組みを行っているかを報告する

    Study on effective instruction method for student teaching (I) : Analysis of the trips in when the student teacher make a teaching plan

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    広島大学附属福山中・高等学校において実施されている教育実習をより充実させるために,教育実習指導Bと中高実習Ⅰ・Ⅱの効果的な指導方法を,3か年にわたり研究していく。この研究を行うことで,今まで指導教員の経験と直感に頼っていた実習生の取組課題に系統性を与えるとともに,指導教員の評価や助言も効果的なものにできると考える。1年次は,教育実習指導Bを受講した実習生が指導案作成のどの場面でつまづいているのかを調査するため,実習生へのアンケートをおこない,実習生が作成した指導案を分析した。その結果,多くの実習生が,教材研究の段階でつまづいていることが,明らかになった。また,実習Bの指導により,教材研究の段階から授業構成の段階へと,つまづき場面が変化していることも分かった。こうしたつまづきを克服するための,効果的な指導・助言といった手立ての研究をおこない体系化することが,今後の課題である。It lasts for three years and studies an effective instruction method of student teaching instruction B and training I, II to expand student teaching carried out in a high school in Fukuyama attached to Hiroshima University more. I performed the questionnaire to a trainee to investigate it which scene of the teaching plan making the trainee who attended student teaching instruction B tripped in 1 annual and analyzed the teaching plan that a trainee made. As a result, it was revealed that many trainees tripped at the stage of the teaching materials study. In addition, I understood that I tripped from the stage of the teaching materials study on a stage of the class constitution, and a scene changed by instruction of training B

    総合的な学習「LIFE」のカリキュラム開発

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    中学校の「総合的な学習」のカリキュラム開発を行う上での視点と考慮すべき課題を明確にしながら実践的な研究をおこなった。総合的な学習は単に「知識の獲得」を求めるのではなく, 体験的な学習, 問題解決的な学習を積極的に取り入れることで, 教科等で身に付けられた知識や技能などが相互に関連付けられ, 「生きる力」を育むことができる

    中学校社会科歴史的分野におけるヨーロッパ史との関わりに関する一試案 <第2部 教科研究>

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    中学校社会科歴史的分野では,日本の歴史の大きな流れを理解することに主眼が置かれているが,同時に,日本の歴史において,諸外国との接触・交流が日本の社会を大きく変えていく契機となった場面があり,その場面の背景となった世界の動きを理解させることで,世界史的な視野で日本の歴史を見ていく視点を養うことが求められてもいる。幕末から明治にかけて,まさに日本は大変革の時代を迎えていた。ヨーロッパで構築された近代国家システムは強力な国家体制としてアジア諸国を圧倒し,日本もこの国家システムへの変革なしには植民地にされてしまうという危機を迎えていたのである。明治維新とも呼ばれるこの近代化への変革はどのように行われたのであろうか。それを理解するためには,まずその目標となったヨーロッパの近代国家形成の過程と,このシステムの全体像を総合的にとらえる必要がある。そのためにヨーロッパで構築された近代国家システムとは何かを理解するための単元開発を行い,今回,試案として提示した
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