36 research outputs found

    看護学生に対する食生活支援の検討 : 第一報

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    本研究の目的は,看護学生の臨地実習中の欠食の実態とその要因を明らかにし,彼らへの食生活支援のあり方を検討するための基礎資料とすることである.そこで,A短期大学看護科3年生の女子学生87名を対象に,臨地実習開始3ヶ月後の欠食と欠食の理由,身長,体重,体型願望について質問紙調査を行った.その結果,以下のことが明らかとなった.(1)「毎日欠食をした」は朝食のみで,「ときどき欠食した」は朝食と夕食に多く,夕食が朝食の1.5倍を示した.(2)主な欠食理由は,「時間がない」19名,「食欲がない」17名,「疲れ」7名等であった.(3)欠食と肥満度の間に有意差はなかった.(4)欠食と痩身願望の間に有意差はなかったが,39名(75.0%)が痩身願望を抱いていた.これより,時間がない時や心身の疲労が強い時も規則正しく食事を摂取できるよう,具体的なアドバイスをする必要がある

    看護学生の臨地実習指導の評価 : 入学定員増加によってもたらされた変化

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    実習指導について日本語版ECTB評価スケールを用いて,A短期大学看護科の3年生で入学定員が80名と120名の各期の学生を対象に指導者(本研究では,教員を除く学生が実習で指導を受ける看護師のことをいう)の実習指導に対する受け止めを調査し,その変化を分析した.その結果から,以下のことが明らかとなった.(1)15項目(35%)において入学定員が80名よりも120名のほうが,有意に平均点が高くなっており(P<0.05),指導者の実習指導を肯定的に受け止めていた.(2)「学生に文献を活用するように言ってくれる」(2.95),「実習グループの中で,学生が互いに刺激しあうように働きかけてくれる」(3.28)の2項目は,平均点が低値にとどまっていた.(3)全てのカテゴリーの平均点が増員後に高くなっていた.そのうち『実践的な指導』の平均点が最も高く,学生は指導者の助言や援助を得て個別性のある看護を実践できていると感じていた

    看護学生と受持ち患児の母親との関係形成に向けた効果的支援の検討 : 母親とのかかわりの中で困惑した場面に焦点を当てて

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    本研究の目的は,小児看護学実習において看護学生の受持ち患児の母親との関係形成に向けた支援方法を見出すことである.28名の看護学生の受持ち患児の母親とのかかわりの中で困惑した場面から困惑した内容に焦点をあて,内容の類似性からカテゴリー化を行った.分析の結果,【母親が抱く思い・ストレスに対する認知と対応】,【母親のネガティブな態度】,【看護学生の知識・経験不足】,【母親との言語的コミュニケーション】の4つのカテゴリーが抽出された.看護学生は母親とのかかわりに困惑しながらも,母親のおかれている状況や思いに近づき,自分自身を内省していた.そこで教員は,母親の抱く思いが患児の病状の変化とともに複雑に表出されることの意味を学生に問い,理解できるように導くことが必要である.そして,学生の知識の確認や援助の工夫を促し,学生が自信をもって不安なく看護を提供できるように配慮し支援していくことの必要性が示唆された

    小児看護学実習において母親との関係形成のために看護学生がとる行動の実態

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    本研究の目的は,小児看護学実習において看護学生が受け持ち患児の母親との関係形成のために心がけている行動の実態を明らかにすることである.そこで,看護学生がとる行動に焦点をあて,内容の類似性からカテゴリー化を行った.その結果,125コード,17サブカテゴリーから【母親の疲労に対する援助を行う】【母親とコミュニケーションを図る】【礼儀・マナーを守る】【患児に関心を示す】【看護技術・知識を提供する】の5カテゴリーが抽出された.看護学生は患児や母親との対話を大切にしながらも母親の意思を尊重するなど支持的態度を示したり,母親の心身の疲労を軽減したりするための援助を行うことが母親からの信頼を得るきっかけになると捉え行動していた.さらに,礼節をわきまえながら患児およびその母親と積極的に関わろうと努力し,学生として看護の専門的知識や技術を提供することを心がけていることが明らかとなった

    看護学生の自尊感情と職業的アイデンティティとの関連から考える教育的支援

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    看護職の職業的アイデンティティは看護実践の基盤となるものであり,看護学生の職業的アイデンティティ形成を促す支援は重要である.本研究では,看護学生の特性自尊感情および職業的アイデンティティを測定し,この両者の関連と経年的な変化を明らかにすることによって,自尊感情に着目した支援について検討した.その結果,看護学生の自尊感情と職業的アイデンティティにはやや弱い正の相関を認め,職業的アイデンティティ得点は先行研究と同様,経年的に有意に低下していた.一方,自尊感情は卒業時に有意に高くなっており,これは臨地実習で能動的態度を求められたり自分の価値観や思考の特性を見つめながら他者を理解する経験をしたりすることが影響していると考えられた.その結果,繰り返し他者と自己,看護と自己との比較を促し承認を与えながら看護学生が自分の価値を感じられるような教育的支援が必要であることが示唆された

    教員による臨地実習指導に対する看護学生の受けとめ方

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    看護学臨地実習での教育効果を上げる指導を模索するために,教員の指導を学生がどのように受けとめたかを調査した.調査は,2008年度の臨地実習を受けた看護学生112名を対象として実施した.有効回答率は79.3%であった.自己成長につながった指導を回答した学生は63.1%,受け入れられなかった指導を回答した学生は40.5%であった.得られた回答を,内容の類似性に基づいてサブカテゴリー化・カテゴリー化した.自己成長につながった指導は「方向性を示す指導」「視野をひろげる指導」「学生主体の指導」「経験の機会を設定する」「同行指導」「モデルを示す指導」「自己理解を促す指導」「頑張りを評価する指導」「気持ちを支える指導」の9カテゴリーに分類された.また,受け入れられなかった指導は「方向性が定まらない指導」「無理解な指導」「解釈的な指導」「指導のタイミング」「他者との比較」「実習目標の意識化を促す指導」「過度な期待」「学生が主体とならない指導」「感情的な指導」の9カテゴリーに分類された.教員の指導に対する学生の受けとめ方は,実習の方向性がみえるか否かがひとつの指標になって判断されると推察できた.また,学生が受け入れられなかった指導では,教員が学生の個別性や能力をどの程度理解し,考慮して指導していたかが関係していると推察できた

    米国における看護教員の授業力向上の取り組み

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    Purpose: Nursing education in Japan has been influenced by that of the United States. This report presents initiatives undertaken to enhance the teaching ability of nursing instructors in the United States, with the aim of finding ways to improve the teaching ability of their counterparts in Japan. Study participants: Seven nursing instructors employed at nurse training institutions in Texas and California, USA. Research period: May to September 2015. Method: Two interviewers conducted a semi-structured 30-90 minute long interview through interpreters about efforts to improve the effectiveness of classes. Interviews were conducted in a private room of the nurse training institution where the study participants work or by videophone. Analysis method: A verbatim transcript of the interview was created, and the efforts to improve the effectiveness of lessons were summarized according to the commonality of semantic content. In addition, subcategories, categories, and aspects were extracted. The study was approved by the medical ethics review committee of which the researcher is a member and conducted in consideration of ethical practices such as ensuring anonymity (Approval Number 15-02). Results: There were found to be 104 contexts in which efforts were being made to improve the teaching ability of nursing teachers in the United States, and these were divided into 29 subcategories. The subcategories were grouped into nine categories, including “state-required continuing education,” “providing plentiful training content,” and “improving the system for supporting teachers\u27 independence.” Finally, these nine categories were grouped into three aspects: off-campus efforts, school organization efforts, and teachers\u27 individual efforts. Discussion: In the United States, there were comprehensive efforts to improve teachers\u27 teaching ability, including off-campus initiatives, school organization initiatives, and individual teacher efforts. These efforts indicated that in order to improve the teaching ability of nursing teachers, it is important to establish and guarantee a well-organized system of opportunities for nursing teachers to learn independently and continuously

    成人看護学慢性期・終末期の実習指導の分析 : ECTB評価スケールを用いて

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    これまで43項目からなるEffective Clinical Teaching Behaviors(ECTB)評価スケールを用いて実習指導について現状把握,分析を実施してきた.今回,成人看護学実習の慢性期・終末期の指導者である3年目以上の看護師(以下,指導者とする)と実習指導を受けた看護科学生3年生(以下,学生とする)に対し,調査・分析を行った.その結果から,次のようなことが示唆された.(1)学生と指導者の比較では,「実践的な指導」「理論的な指導」「学習意欲への刺激」の要素のほとんどの項目について学生評価が高く,学生は実習指導に対して肯定的に受け止めていた.(2)「学生への理解」の要素は,指導者の評価が高く,指導者は学生に対して配慮していると考えている.しかし,学生の評価がやや下回っているとことから,配慮されていても,学生はそれ以上の不安感や緊張感をもっている

    看護学生の認知症高齢者との関係 : 印象に残っている場面での気持ちに焦点をあてて

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    老年看護学実習において,認知症高齢者とのコミュニケーションや関係で印象に残っている場面で,看護学生が感じた気持ちの特徴をみた.その結果,《認知症と患者・家族を理解した》《うれしかった》《患者のために現状を何とかしたい》など肯定的な気持ちが7カテゴリー,《困った》《驚いた》《辛かった》など否定的な気持ちが6カテゴリー,その他の気持ちが4カテゴリーであり,計17カテゴリーとなった.約半数の看護学生は肯定的な気持ちを感じており,その内には《患者のために現状を何とかしたい》と答えた学生もいた.しかし,認知症高齢者との関係で《困った》学生が最も多かった.このことから,今後,認知症の症状や具体的な対応の仕方をイメージできるように実習前に演習を行う.また,臨地実習では学生が困難に感じた場面で,具体的な状況,高齢者の気持ち,対処方法などを考えさせるよう指導し,看護学生にコミュニケーション技術の習得を促す
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